2014年03月07日(金)09時13分
(14-05) 2013年末の日本のビジネス機のグローバルポジション
要 約 1.2013年ビジネス機のGAMAの出荷実績集計と日本の新規登録実績との対比を試みた。 2.4月迄には各種実績の統計が発表された折に改めてより包括的な対比を纏める。 3.此処では、従来法のジェット機+双発タ-ボ機の「狭義のビジネス機の実績を対比した。 4.結果はグロ-バルな新規出荷は815機、日本の新規登録は双発タ-ボ機僅か2機。 5.然も、金額的には日本の購入は低価格機材なのでグロ-バルには殆ど問題にされない。 6斯くして.日本は2000年半ばにはグロ-バルなレ-ダ-スクリ-ンより姿を消した。 7.2月のSingapore Air Shawでアジア地域のビジネス機は1200~1500機と推定された。 8.大半が日本の民間にはないMid~Heavy Jetで彼我の格差が改めて浮き彫りに成った 9.一方小型固定翼機・回転翼機の「広義のビジネス機」は日本にも1000機程度存在する。 10.この領域の日本の新規登録機は52機だが抹消も41機あるので純増は11機。 11.「広義のビジネス機」の領域では日本はアジアでのリ-ドを何とか維持して来た。 12.これもアジアの急速な成長で日本のリ-ドの喪失は時間の問題。 13.その一方、日本では最も安価な回転翼機も「ビジネスツ-ル」として利用されない。 14.本サイトは、機種を問わず航空機の「ビジネスツ-ル」としての利用の考案が目的。 15.従来は「狭義のビジネス機」の海外格差を訴え機材の販売促進に繋げる試みもあった。 16.15~20年の歳月を経て2013年のジェット機の世界出荷総数678機に対し日本はゼロ 17.「飲まない馬に水を飲ませる」努力より国情に合った機材の利用考案への発想の転換。 18.その為に敢えて見たくもない厳しい現実の姿を「在りの儘」に記述する。 |
「狭義のビジネス機」(ジェット機+双発タ-ボプロップ機)
1.GAMAの統計は会員である世界のビジネス機製造メ-カ-の出荷統計を集計したもの
2.ジェット機とタ-ボ機は信頼性の高い大手企業デ-タ-で業界の大方の流れが掴める。 3.それ故に「狭義のビジネス機」が業界動向の指標として利用されて来た。 4.他方会員の中小メ-カ-の統計も集計され「広義のビジネス機」の全体像も示される。 5.但し、個人オ-ナ-は「趣味・嗜好」の事業目的以外に利用する事例も少なくない。 6.従って、ビジネス機としての利用とは言い難いが此処では踏み込んだ分析は行わない。 7.日本の場合「広義のビジネス機」1000機に対し「狭義のビジネス機」は36機。 8.然も、その内24機はジェット機ではあるが、低価格帯のLight~Super Light機のみ。 9.中国はビジネスジェット機の代表的上位機種が95%、日本では民間機としてはゼロ。 10.狭い山岳国で安い競合交通機関が発達して居る日本で高額な大型機は不要。 11.故に低価格帯でも充分な性能を有する「広義のビジネス機」が日本の保有機の太宗。 12.この最も重要なポイントを見過ごすと大きな判断の見誤りの陥穽に嵌る。 13.下記の表は、この点の認識を深める為に記載した。 14.本年のSingapore Air Shawでアジアの「狭義のビジネス機」は1200~1500機と推定。 15.日本大手企業は「狭義のビジネス機」を殆ど持たず「ビジネス機最貧国」と見られる。 16.但し、日本では「広義のビジネス機」が95%以上を占めるのでこれの勘案が不可欠。 17.無論下表は、2013年の出荷機数だが日本はタ-ボ機2機と世界の出荷量の0.25%。 18.然も、低価格機材なので出荷金額で見ればグロ-バルには無きに等しく注目されない。 |
機 種 |
世 界 |
日 本 |
日本の比率 |
中 国 |
中国内比率 |
Heavy Jet Mid-Jet Light-Jet Others ジェット機合計 |
280 140 185 73 678機 |
0 0 0 0 0 |
0% |
87 6 3 0 96 |
90.6% 6.3 3.1 0 100.00 |
多発タ-ボプロップ機 |
137 |
2 |
1.5% |
|
|
総 計 |
815 |
2 |
0.25% |
|
|
l 米国はGAMAの2013年メ-カ-出荷実績。
l 日本は2013年新規登録実績。
l 中国はAsian Sky Groupの2012年の新規ビジネスジェット機購入レポ-ト。
l 日本では50億円強の上位機種は自衛隊、海上保安庁、国交省(退役を決めたが)のみ。10億円前後のLight Jetも所有者の大半が中小オ-ナ-企業と報道関係。
上記以外の固定翼機及び回転翼機数
機 種 |
世 界 |
日 本 |
日本シェア- |
単発タ-ボプロップ機 |
508機 |
0 |
0% |
ピストン機 |
933 |
9 |
0.96 |
回転翼機 レシプロ機 タ-ビン機 合 計 |
335 782 1,117 |
6 37 43 |
1.8 4.7 3.8 |
狭義/広義航空機総計 |
2,558 |
52 |
2.0 |
l 2013年、日本の新規登録52機、抹消41機で純増は11機。
l 抹消は古くなったピストン機、レシプロ回転翼機等で新陳代謝による買替えと見られる。
日本の新規登録ピストン機・タ-ビン回転翼機内訳
1.2013年の日本の新規登録機の大半は上記の通り「広義のビジネス機」。
2.その内訳を示したのが下表であるがピストン機の登録者は個人企業か輸入代理店業者。 3.双発タ-ビン回転翼機の多くはビジネス機の定義より外れる公用機。 4.単発の回転翼機は運航業者の所有機でこれを一般利用者が利用料を払い利用する。 5.単発の回転翼機は最も低価格の機材だが、これでも「旅客の2点間輸送」は限定的。 6.83万㌦のRobinson R-66は未だ導入期、Bell 505 Jet Rangerは2016年迄現れない。 7.但し、この間に「ビジネスマンの2点間輸送」を可能にする方策を考案する必要あり。 8.決して無理とは思われないが時間的にも受容れ土壌の構築に直ちに着手する事が必要。 9.日本の大手企業が自ら所有・運航する事は例外は有ったとしても一般的に考えられない 10.一企業が全国広域展開は出来ないし、所有・運航・保全のノウハウも持たない。 11.結論的には社有車を廃しハイヤ-、タクシ-利用同様業務のアウトソ-シングが必要 12.より具体的方策は次回で纏めて提言する。無論、「百家争鳴、百花斉放」は大歓迎。 |
機 種 |
機 数 |
備 考 |
ピストン機 Beech G58 Cessna T206H Cessna 208B Cyruss SR-22 Piper-46-350P Pilatus PC-6 |
9 2 3 1 1 1 1 |
全てが低価格帯機(0.5~2憶円) 伊藤忠アビエ-ション(価格1.4億円) 日本エアロスペ-ス、岡山航空(価格0.63億円) 日本エアロスペ-ス(価格2億円) 個人オ-ナ-(価格0.54億円) 個人企業(価格0.9億円) 個人企業(価格1億円) |
タ-ビン回転翼機 双 発 Agusta AW-139 Agusta AW109 川﨑BK117 EC-135 EC-225 AS-365 Bell 429 単 発 AS-350 Robinson R-66 Enstrom 480B |
37 27 10 2 5 5 2 2 1 10 6 3 1 |
双発タ-ビン回転翼機は回転翼機の分野では上位機種で価格的にも高いので自治体、警察等の所有・利用が多くビジネス機の定義より外れるものが多い。 消防、警察、防災、ドクタ-ヘリ等公用機が大半。 警察、救急等多目的に利用されるがビジネス機の範疇外。
此処でも民間は低価格帯機(0.8~2.5憶円)に集中 1.4~2.5百万㌦の低価格で多目的に使え人気が高い。 83万㌦の低価格、お目見得した僅りだが注目の新機種。 オ-ナ-は山形県の不動産業者。(価格0.8億円) |
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