2014年04月19日(土)02時48分
(14-09) ビジネス機の機材コストと利用コストIII-1 (利用料)
総 括 1.日本でビジネス機が企業マンの「2点間移動」の足として利用されないのは高い利用料。 2.それも競合する商用機を含めた交通機関の運賃の50~100倍と生半可ではない。 3.但し、これは海外のエアショ-に展示される高額な豪奢なビジネスジェット機の話。 4.リ-マンショック以降の長引く不況で欧米でも一般企業マンが使う機材は1~5百万㌦。 5.日本に20億円以上の高額の機材は民間に存在せず1,000機余が0.3~2.5百万㌦の機材。 6.この低価格帯機材の利用運賃は米国では日本の地上タクシ-代より安い。 7.ビジネス機の利用運賃が日本では割高の為、利用料を口にする事は日本ではタブ-。 8.逆に欧米では全てを「透明化」し顧客・利用者の便に供する事で市場の成長を促した。 9.日本の航空業界も商用便・コミュ-タ-便から遊覧飛行迄全て運賃は公開されている。 10.日本でビジネス機による「2点間輸送」を実現化するには市場との情報共有が必須。 11.この最も単純且つ基本的なプロセスが過去20年間欠如、放置されて来た。 12.利用料問題に正面から向き合わねば日本はビジネス機の利用で「世界の孤児」と成る 13.日本の圧倒的シェア-を占める低価格帯機材をどの様に上手く活用するかが勝負。 14.然も機材・運航・整備の集約化と交通の便が悪い地方での短距離・短時間の利用。 15.ビジネス機の利用は「時間を金で買う事」。時間/人件費節減メリットの算出法の提供。 16.本稿ではこの最もセンシチブ、最重要課題のブレ-ンスト-ミングの材料を提供する
要 約 1.過去20年、日本はビジネス機の普及に注力して来たが見るべき成果は無いと言われる。 2.本サイトで縷々説明して来た様に高額なビジネスジェット機を対象にすればその通り。 3.但し、過去四半世紀、低価格帯のピストン機や回転翼機は広く使われて来た。 4.2013年末、最も低価格のLight~Super-Light の日本民間所有ジェット機は24機。 5.対照的に、2013年末の中国のジェット機保有数は390機然も上位機種が92%の360機 6.単純比較で日本は欧米先進国は勿論、アジアでもビジネス機小国との指適もある 7.最大の誤りは「高かろう」「良かろう」の高級機種の多寡で優劣を付けている点にある。 8.日本は普通車、小型・軽自動車が多く大型セダン車は少いが自動車小国とは言われない 9.日本は低価格帯ビジネスジェット機24機しかないが民間のビジネス機保有数は838機 10.個人所有機305機は事業目的に利用されて居るか否か不透明な為除外した後の数値。 11.商用便を始め他の競合交通手段が桁違いに安い運賃で利用可能と言う最重要点も看過 12.狭い国土で短距離、短時間利用主体では高いジェット機の特性は活きず利用されない。 13.単純比較で成田-New York商用便ビジネス往復40~50万円ビジネス機35~40百万円 14.国内羽田-新千歳商用便往復3万円、ビジネス機で2百万円強。 15.国内羽田-伊丹ビジネス機で片道1百万円強、新幹線のぞみで新大阪迄¥14,450。 16.単純にビジネス機が企業マンの「2点間移動」に利用されないのは桁違いのコスト差。 17.従って、日本の24機のジェットを大手企業は所有・運航もしなければ利用もしない。 18.海外出張は低廉な商用便、その先交通の便が悪い目的地には現地のビジネス機を利用。 19.国内は幹線鉄道、商用、コミュ-タ-便を利用その先はハイヤ-・タクシ-を利用。 20.例外的に、北海道、沖縄等では現地空港より小型ピストン機、回転翼機が使われる。 21.「例外的」とは小型機、回転翼機の統計に現れる「旅客の2点間輸送」は取るに足りない。 22.コスト問題がない「特権階層」は必ず居るが極く限定された人数で本サイトの対象外 23.如何に、日本のビジネス機の圧倒的多数を占める低価格帯機材を活用するかが課題。 24.本稿では低価格帯機材のシェア-、既存利用料と競合交通手段との比較も提示。 25.機材価格の比較と運賃比較。(日本では最も安い価格でも一般の手の届かない利用料) 26更に米国で一般企業マンが利用する運賃との比較。 米国の運賃は日本より遥かに安い 27.ビジネスではないが一般人が「遊覧飛行」で支払うコスト価格帯と利用可能な事由。 28.これを可能にする手法は、短距離、短時間利用の切売りで何とか「手の届く」運賃提供。 29.米国でも、低価格帯機材(含む中古機)、短距離、短時間利用が一般的利用方法。 30.米国は利用料、機材の運航コスト等が全て公開され透明。鮨屋の「明朗会計」と同じ。 31.日本ではこれらの情報は「企業秘密」「個人情報」として一般的には公開されない。 32.商用便の場合全ての航空会社、旅行代理店が運賃情報を公開し顧客と共有する。 33.「遊覧」も利用料は明示されて居り、利用者は予め財布と相談の上利用の判断を下す。 34.本サイトでも企業の「内部情報」等に踏み込む事無く、「公開情報」のみを流用して居る。 35.如何にして企業マンの「2点間輸送」を実現するかの情報源としてはこれで充分 36.過去に最も欠如して居たのはデマンドサイドの利用者のプラニングへの参画。 37.本稿では川上のサプライサイドと川下のデマンドサイドの視点の違いに紙面を割いた 38.何れの論点の「優劣是非」の問題では無く両者の対話とコンセンサスが必要。 39.本サイトの狙いは低価格帯機材供給者、現場の中小運航業者、旅行会社の参画に期待。 40.かって、HISの澤田会長が何故日本人が気楽に旅行を楽しめないか問題提起を行った。 41.学生時代、欧米で日本と桁違いに安い旅費で旅行を楽しむ大衆を見て会社を立上げた 42.今ではHISは日本の代表的な旅行代理店業者。利用者の視座からのアプロ-チが成功 43コンビニは四六時中売れ筋の商品と顧客の購入する価格帯をモニタ-している。 44大都市には地方のメ-カ がアンテナショップを設け消費者の反応を試して居る。 45この「当り前」のプロセスが過去のビジネス機の一般普及活動で欠如していた。 46.ビジネス機の普及は海外の上位機種製造メ-カ-の日本での代理店が中心と成った。 47.代理店の多くは大手総合社の「重厚長大」を得意とする航空機部門で有った。 48.取引相手は防衛省、海上保安庁、大手航空会社等特定大手顧客層。 49.機材は価格も嵩み商社金融の出番。海外メ-カ-への信用力からも大手商社に集約。 50.他方、企業マンの「2点間輸送」の対象はニ-ズが多様な不特定多数の個別顧客。 51.大手商社も高度成長が終わった時点で「軽少短薄」「市場本位」への舵の切替えに注力。 52.一方大手商社は内外出張で航空機を最も多用し海外でビジネス機を使いこなして来た 53.理論的には総合商社内で「サプライ・デマンド」両サイドが共存する理想的なコンビ。 54.現実は商社の圧倒的多数を占めるユ-ザ-グル-プは完全に「蚊帳の外」。 55.「生産者本位」から「顧客・市場本位」への体質転換の真摯な努力も活かされなかった。 56.最も皮肉な事は、顧客の顔をも持つ航空機部門社員もビジネス機は一切利用しない。 57.ビジネス機による企業マンの「2点間輸送」実現に絶対不可欠なのは利用者の参画。 58.それも利用者の物理的参画もあるが、ビジネス機の利用者としての目的・心情の共有。 59.「 サプライ・デマンド」両サイドのマリア-ジで始めて事が進展する。 60.如何なる状況下で、如何なるコスト帯なら潜在的ニ-ズがあるかの掘り起しが最重要。 61.解決策も低格帯機材の短距離・短時間利用等内外で粗方の回答は用意されている 62.「乾いた雑巾を絞ってバケツ一杯の水」を得る日本のコスト合理化手法の活用も必要。 63.一般企業マンの「手の届く」「2点間輸送」は米国では常識、日本で出来ない筈がない。 64.その検討の資として「公開情報」の枠内で最もセンシチブな利用コスト問題に挑戦した 65.尚本稿は利用運賃に的を絞ったが他の課題の関係者の「協働」に就いては次号で触れる |
サプライサイドの視座
1.日本企業は80年代のバブル崩壊後事業再編を迫られ新規事業領域拡大が喫緊のニ-ズ 2.折しも、米国では80年代半ばに分割所有のFractional Ownershipが考案された。 3.これ迄、ビジネス機等高価で買えなかった顧客層もこれで一気に裾野が拡がった。 4.ビジネス機の最上位機種を生産するGulfstream社は分割所有システムの最大の受益者 5.Bombardier社はFlexJet、Citation社は Citation Option等設立瞬く間に業界を風靡。 6.これに触発されビジネス機メ-カ は日本の代理店である商社に拡販の圧力を強めた。 7. 新商権確立に躍起と成っていた商社の航空機部門は「渡りに舟」と要請に応じた。 8.政治力を有するGulfstream社はNBAA (米国ビジネス航空協会)と航空局を動かした。 9.1978年より始った「空の自由化」は世界中に拡がり日米貿易摩擦の火種と成った。 10.当時日本の首都圏空港の利用枠は各国航空会社の垂涎の的でその取得に「長蛇の列」。 11.日米間の経済交流に大きく貢献する欧米のビジネス機の受入れ不備は格好の標的に。 12.1996年JBAA (日本ビジネス航空協会)が創立、NBAA(米国),EBAA(欧州)と交流開始 13.苦節18年、国交省も順次対応を進め、2013年末海外機受入れの諸制度は整備された。 14.地方空港の自由化は2000年半ばに実現したが懸案の首都圏空港も課題は粗方解決済。 15.海外ビジネス機に対する「空の自由化」はTPP/FTAにやや先行して果たされた。 16.此処で顕在化したのが肝心の日本企業によるビジネス機の利用。 17.過去数年海外に飛行可能な中/遠距離用ビジネス機は日本の民間に1機も存在しない。 18.1996年割当てのビジネス機用離発着枠3枠/日(1,095回枠/年)のJA機利用は皆無。 19.羽田、各地方空港全てを含めても年間数える程度の利用しかなく閑古鳥が無く有様。 20.事由は、日本に存在するビジネスジェット機24機は国内用で海外飛行は念頭にない。 21.僅かに、韓国、中国東北部の一部に飛行するだけの航続距離しか備えて居ない。 22.何故この様な事態に成ったかは次項で詳述するデマンドサイドの参画が欠如した為。 |
デマンドサイドの視座
1.ビジネス機を利用するか否かは一義的には利用者がコストの「費用対効果」で判断する。 2.これを行うのは利用者即ちデマンドサイドでそのインプットが絶対不可欠。 3.商用便、コミュ-タ 便の50~100倍の運賃をビジネス機に払う通常の利用者はいない 4.この最も基本的且つ誰にでも分かる単純明快な理屈が検討されて来なかった事が主因。 5.サプライサイドが推進して来た為、利用料を口にすれば顧客は逃げると先送りして来た 6.利用料はビジネス機利用の最もセンシチブな然も根幹の問題故に別項で詳しく触れる。 7.此処ではビジネス機が欧米先進国で利用されて来た経緯に就き触れて見たい。 8.ビジネス機は第一/二次大戦後の軍用機の需要減退、失職パイロットの救済対策が発端。 9.第二次大戦前でも小型自家用機は地方の富裕なオ-ナ-により利用されて来た。 10米国ビジネス航空協会は1947年主要ビジネス機利用企業が発起人と成り発足した。 11.例えば、Goodrich社の如きサプライサイドのタイヤメ-カ-も率先利用者と成った。 12. 米国ビジネス航空協会の正会員は現在2,500。全てビジネス機のオ-ナ-、利用者。 13.ビジネス機のメ-カ-、関連機のメ-カ-等サプライサイドは別途GAMAを構成。 14.GAMAの会員企業は80社余、米国ビジネス航空協会は賛助会員を含め8,000社 15.米国のビジネス機の普及母体の業界団体は圧倒的にデマンドサイド。 16.「消費者が王様」ビジネス機利用顧客のニ-ズの充足が最優先課題。 17.その後の市場のグロ-バル化、分割所有の普及でビジネス機市場は一気に拡大。 18.「日本ビジネス機協会」は会員数約80社だが殆ど全てがサプライサイド。 19.無論サプライサイドの企業でもビジネス機を利用すればデマンドサイドにも成り得る 20.然し、会員企業と言えども、ビジネス機を利用する事は幹部社員を含め殆ど皆無。 21.自らも利用不可能なビジネス機を一般に普及させると言っても土台無理。 22.これの批判をするよりも一般企業の商用機のビジネスクラス利用者を巻込む事が先決 23.それには、利用者が手の届く利用料の工夫と現実味がある事を見せる事が最大の課題。 24.欧米ではこの利用層の利用者が過半を占めその真因を探求する事で糸口が見出せる。 25.本サイトの本年の課題はこの一点に絞り込む。 |
模索すべき対応策
1.山積する諸問題を整理すると一義的には利用者が納得の行く利用料を提供する事。 2.日本人が「ビジネス機を利用しない」かどうかキチンと分析する事。 3.日本人は昔からビジネス機を利用。国内の「2点間移動」に利用しないだけの話。 4.利用しない理由は利用料が商用機の50~100倍。地上交通機関との格差も大きい。 5.その一方海外ではニ-ズに応じ利用。何故か?それ以上に幾ら払って居るのか? 6.国内、海外で「遊び」(遊覧)には己の財布で利用。幾ら位? 7.海外で利用するのは利用料が安いから。日本との比較で幾ら位?日本での合理化の余地 8.ビジネス機は「時間を金で買う事」。「費用対効果」の評価は人件費コスト節減が決め手 9.「費用対効果」の計算ソフトも15年以上前から米国で数百㌦程度で一般市販されている 10.発展途上国を始め他国で行われて居る事が日本で出来ない筈がない。「為せば成る」。 11日本には特別な国情があると世界との特殊性を強調、口実に使う「甘え」からの訣別。 |
サプライ/デマンド両サイドのニ-ズの接点の模索
1.サプライ/デマンド両サイドのWin-Win関係が成立しなければ何事も進展しない 2.航空業界ではサプライサイドの業界団体が圧倒的だがデマンドサイドは纏まりが無い。 3.然し顧客が居なければ航空機は飛ばないし、航空企業の事業性も成り立たない。 4.1978年、米国は航空規制の抜本的緩和と思い切った「空の自由化」に踏み切った。 5.競争原理の導入で世界的な業界の大編成、LCCの参入で航空市場は様変りした。 6.サプライサイドで世界の空を牛耳った米国大手航会社が全て破産裁判所に駆け込んだ。 7.日本も、フラッグキャリア-のJALがまさかの経営破綻とその後の抜本的なリストラ。 8.デマンドサイドは利用運賃の低下、サ-ビス向上、選択肢の多様化等多くの利益を享受。 9.利用者を組織化するのは困難だが、政治家、行政は有権者のニ-ズを汲まねば成らない。 10.日本でも消費者庁が創設され、看過され勝ちなデマンドサイドの省庁も出来た。 11.ビジネス機の場合、不特定多数の潜在的利用者を組織化する事は事実上不可能。 12.より現実的なのは地域航空関連企業、自治体の航空機関連の地域振興部局の参画活用。 13.一例を挙げれば東京都も都市整備局の中に都市基盤強化の空の交通企画部門がある。 14.更に、潜在的顧客に最も近い旅行業者等は利用者のニ-ズを知りその汲み上げも可能。 15.企業マンの「2点間移動」を軌道に乗せる一つの参考と足懸りが「遊覧飛行料金」。 16.「遊覧飛行」は「遊び」では有るが利用者が自らの採算で利用するので参考と成る。 17.米国の利用料を参照。努力と工夫次第で米国との格差を縮める事は可能と思われる。 18.今後厳格な精査が必要だが仮努力目標に単価¥300~600/㎞、¥25,000/回を置いて見た。 19.チャ-タ-料¥6万円/時で単価¥300/㎞。タクシ-代¥330/㎞より安い。 20.20~50㎞利用で時間的は7~15分、費用的には¥7~15,000,3人利用で2.3~5千円/人 21.これに時間節減その他定性的メリットを加味すれば経済的にも大きなメリットが出る 22.人件費節減の計算ソフトは米国では広く利用され日本版に手直したソフトを提供。 23.利用者が増えれば機材の稼働率が上がり最喫緊の稼働率向上によるコスト削減が実現 24.この様な顧客のニ-ズを汲んだデザインベ-スのアプロ-チが過去には欠如していた 25.他の大きな参考の資は米国での企業マンの利用コストとパタ-ンである。 26.米国の企業マンの1回の利用時間は往復で1.8時間と言う調査結果も発表されている。 27.利用料金も日本の地上タクシ-330/㎞より安い料金もある。故に利用が可能。 28.サプライ・デマンド両サイドの「協働」各種シュミレ-ションで最適点を模索する。 |
航空機・競合交通機関利用料比較範例
(個別の利用条件、季節により変動があり飽く迄参考指針の為の例示)
平均利用料単価 |
例示 |
利用料総額 |
備 考 |
|
商用機 定期商用便 コミュ-タ- |
¥12~15/㎞ ¥110/㎞ 全国平均¥30/㎞ |
羽田–新千歳 往復2000㎞ 調布–大島 往復200㎞ |
¥30.000 往復 ¥22,000 往復 |
各種優待・割引運賃も無論ある。
新中央航空の公示定額運賃。 |
ビジネスジェット 中/遠距離 (米国) Heavy Jet Mid~Jet |
¥1,750~2,000/㎞ ¥1,000~1,200/㎞ ¥500~600/㎞ |
成田-NY |
35~40百万円 往復20,000㎞ |
燃料市況、為替相場、取寄せコストで大きく変動
一般論だが米国のチャ-タ-料は日本の1/2~1/3程度。 |
低額小型機 小型ピストン機 回転翼機 AS-350 R- 44
(米国) R-44
R-66
AS-350 |
¥275~400/㎞ 35~50万円/時 ¥1,750~2,500/㎞ 20~40万円/時 ¥1,000~2,000/㎞
5.5~6.5万円/時 ¥275~325㎞/時 10万円/時 ¥500/ 12~16万円/時 ¥600~800/㎞ |
200㎞利用
100㎞利用 100㎞利用 100㎞利用 100㎞利用
100㎞利用 |
5.5~8万円
17.5~25万円 10~20万円
2.75~3.25万円 5万円 17.5~25万円 |
日本の最低価格帯料金
最安値回転翼機 日本地上タクシ-代以下 最新鋭低価格回転翼機 |
遊覧飛行 東京都周辺 高遠お花見 北海道 沖縄 ハワイ 100㎞利用グランドキャニオン ニューヨーク市内 |
17分飛行 9㎞飛行 30㎞、9分飛行 10分飛行 20分飛行 30分飛行 15分飛行 |
¥595/㎞ ¥500/㎞ ¥533/㎞ ¥750/㎞ ¥195/㎞ ¥210/㎞ ¥300/㎞ |
¥21,000 ¥4,500 ¥16,000 ¥25,000 ¥13,000 ¥21,000 ¥15,000 |
ヘリコプタ-利用範例 ヘリコプタ-利用範例 函館遊覧コ-ス ヘリコプタ-利用範例 セスナ機利用範例 セスナ機利用範例 ヘリコプタ-利用範例 |
地上交通機関 新幹線のぞみ グリ-ン車料 タクシ- |
¥26.27/㎞ ¥9.64/㎞ ¥330/㎞ |
550㎞利用 550㎞利用 100㎞利用 |
¥14,450 ¥5,300 ¥33,000 |
東京–新大阪片道 東京–新大阪片道 国内平均運賃 |
ビジネスジェット機の価格(メ-カ
リストプライス)
JETNET 2014資料
機 種 |
世界全体 |
日 本 |
備 考 |
Heavy~Large Cabin Jets |
7,343機 |
0 |
軍用・公用の官公需のみ。民間機ゼロ。 |
Mid-Large~Mid-Size Jets |
5,809 |
0 |
軍用・公用の官公需のみ。民間機ゼロ。 |
Light~Super Light Jets |
9,096 |
24 |
但し、利用料は商用機の50~100倍。 |
機 種 |
価 格 帯 |
Heavy~Large Cabin Jets Heavy : Airbus A 318~319, Boeing BBJ Large Cabin : Bombardier Global Express, Gulfstream G-550, 650 |
70~90億円 60~65 |
Mid-Large,Mid-Size Mid-Large Size : Challenger 605,G-450, Middle Size :Falcon 900XP, Embraer Phenom 500, Citation 680 |
20~40 15~20 |
Light~Super Light Light : Citation CJ1~4,Citation Bravo, Encore, Learjet 40 Super-Light : Citation Mustang, Honda Jet, Eclipse 500 |
7~20 3.5~5 |
価格はメ-カ
の標準装備のリストプライスで実際の取引価格とは異る。
米ドル表示の価格を¥100/$で単純計算。輸入コストを加算した価格は約20%アップ。
Light Jetsは日本に24機あるが、個人企業所有機、報道関係、及び既存運航業務に携っている機材を除くと、市場でチャ-タ-可能な機材は4~5機。国内中心の利用で利用料も商用機の50~100倍する。海外のビジネス機利用者の国内移動の足と一部非常に限定された「特権階層」の利用に留まる。
何れにせよ、日本の大手企業の幹部職員を含め喧伝される「ビジネスマンのツ-ル」として利用が無い事は過去20年の統計実績と言う「事実
が雄弁に物語っている。
小型固定翼機・回転翼機日米利用料比較範例
機 種 |
リスト価格 |
米国の利用料 |
単価 |
日本の利用料 |
単価 |
小型固定翼機 CE-172 CE-206 |
30百万円 55~60 |
2~3万円/時 2~3 |
¥100~150/㎞ 100~150 |
5.5万円/時 7~8 |
¥275/㎞ 350~400 |
回転翼機 Airbus AS-350 Robinson R-44 Robinson R-66 |
2.2~3 0.45 0.83 |
12~15 6~7 10 |
600~750 300~350 500 |
35~50 20~30 |
1,750~2,500 1,000~1,500 |
米国の小型ピストン機の中古品で有れば数万円と中高級クラスの自動車の新車と変わらないものがある。地方空港で使われるAir Taxi的機材は大半が中古機だが、整備はキチンとされて居り、安全性への懸念は少ない。パイロットも多くは退職したパイロットが空を翔る夢と小使い稼ぎ的に運航しており、従って費用も安く、何より地域の利用者の払える利用運賃を熟知している。地域航空の一環を担う為には利用者と言うデマンドサイドのニ-ズを熟知し、利用者が払える利用料を提供しなければ商売は成り立たない。日本のコミュ-タ-便関係者等経験知で顧客に要求出来る利用料の限界を熟知し、時には自治体が補助金を支給しギャップを埋めている。
Robinnson機の運航コスト例示
Robinson社公示例 (2014年2月7日現在)
R-44 Raven II |
R-66 |
|
機材コスト(一般標準装備) |
$455,800 |
$847,800 |
時間当りの固定費 |
$25.81/時/哩 |
$39.82/時/哩 |
保守・整備費用引当 |
91.18 |
147.71 |
運航直接費 |
110.62 |
158.92 |
コスト合計 |
224.88/時/哩 |
345.32/時/哩 |
¥㎞/時換算(500時間/年稼働) 1哩=1.6㎞ 為替¥100/$ 換算 直線飛行メリット(1/1.5) |
¥140.55㎞/時 ¥93.70㎞/時 |
¥215.83㎞/時 ¥143.88㎞/時 |
地上タクシ-代(¥300/900m) |
¥330/㎞ |
¥330/㎞ |
日本の回転翼機稼働率は200時間/年、中小運航者は100時間/年位。
Robinson機でも500時間/年を採算点の基盤に置いている。
コスト引下げの大きな要因は稼働率アップ。(共同運航による効率化)
各項目の細目も公表されているが日本とのコスト事情も異るので此処では省略。
Robinson社の表示は$/哩なのでキロに換算する為1.6で除し¥100/$で円貨に換算。
米国では回転翼機は直線距離を結ぶ事が可能と地上走行の1/3の距離節減を織り込む。
¥㎞/時を1.5で除せばR-44 Raven IIで¥93.70㎞/時、R-66で¥143.88㎞/時と成る。
これを1時間当りの利用料に引直せばR-44 Raven IIで¥18,740/時R-66 で28,780/時。
R-44の米国運航費を丸め2万円/時、日本20~40万円/時とでは合理化の余地は見える。
日本での地上タクシ代の平均が¥330/㎞、¥66,000/時。これよりも遥かに安い。
無論、有識者、有志者による後刻の精査は必須だがトンネルの向うに明りは見える。
実現には障害は山積しているが乗り越えられない障壁とは思われない。
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