2014年04月27日(日)03時50分
(14-11) ビジネス機の機材コストと利用コストIII-2 (協働)
(14-11) ビジネス機の機材コストと利用コストIII-2 (協働)
(低価格帯回転翼機—軽ヘリコプター)
要 約 1.今回は価格1機1億円の軽ヘリコプターに焦点を絞り話を進める。 2. 1億円台の機材は日本にもあるがRobinson R-66, Bell SLSの新鋭機も登場し始めた 3.論議が拡散しない様、軽ヘリコプターによる「旅客の2点間輸送」に焦点を絞る。 41億円を割る(3千万円)機材でも「旅客の2点間輸送」は統計上無きに等しい数値。 5.事由は簡単・明瞭。利用運賃が他の競合交通機関に比しかなり割高な為。 6.3千万円の機材を使っても現在の遣り方では新幹線、商用機の運賃の20近くはする。 7.ビジネス機は最も低価格の機材を利用しても幹線鉄道、商用機と太刀打ちは不可能。 8.以上の現実を確りと見据え、利用法を海外の範例を参考に考案しなければならない。 9.海外ではビジネス機の利用は一般ビジネスマンに限れば交通アクセスが悪い地域。 10.米国で商用、コミューターの定期便が運航する空港数は500、ジェネアビ機 5,000。 11.その他は、鉄道、バス、レンタカー、マイカーだが広い国土では時間が懸り過ぎる。 12. ビジネス機の利用は「時間を金で買う」事。”Time is more than money” 13. 米国での平均利用時間は1.9時間/回(片道1時間弱)。利用者の半数はこの範囲。 14.海外でも、競合する交通手段が無く、且つ利用は短距離、短時間でも利用が定石。 15.利用運賃は日本の1/3と言われて来たが競争激化で最近日本との格差は更に拡大。 16.日本は凡る交通網が津々浦々に張り巡らされ、誰でも使える低価格運賃が提供される。 17.但し、地方に行けば横から横への移動、交通のアクセスの悪い処がは存在する。 18.従来はハイヤー、タクシーでの移動をヘリで代替・補完する余地は残っている。 19.ヘリは車の4倍程度の速度と、2点間を直線で結び信号・交通渋滞による遅れはない。 20.この時間節減=利用者人件費節減は海外では定量化、マイナスコストとして計上可能。 21.それ以前に、日本のヘリ利用コストが何故高いか踏み込んだ分析を行う必要がある。 22.多くの要因が有ろうが、最大の課題は機材の稼働率(利用頻度)が低い事。 23.ヘリの利用採算分岐点は300時間/年と言われるがトップ運航業者もこれに届かない 24.100時間/年程度の業者も居るが、不測の事態対応用の自治体所有機等更に低くかろう。 25.解決法は航空産業の凡る分野で見られる集約・統合による稼働率向上とコスト合理化 26.地域航空合理化の為の共同所有は以前から提唱されて来たが本稿で掘り下げを試みた 27.読者をブレーンストーミングする為の初期の叩き台で読者の各種コメントを期待する28.米国でTextronがCessna,Citation, Beechcraft,Bell,Nextant各社を傘下に収めた. 29.更にCitation Option/Flexjet, Sentinentの分割所有/カード会社もTextronの傘下。 30.ビジネス機の分割所有・運航受託はNetJets,Textronの新興2社の寡占体制に発展。 31.「新しい酒は新しい革袋に」新鮮・斬新なベンチャー的発想が日本でも求められる。 32.長州出身の安倍総理は好んで毛利元就の遺言で知られる「3本の矢」の譬を使われる。 33.米国では出典は分からない儘、”Three Arrows”として知られている。 34.ビジネス機業界に影響が出る政治の動きに関係諸団体がCoalitionを組み即対応する。 35.日本もビジネス機に関連する団体は多く存在するが連携して政府に働懸ける事は無い 36.チームワークが最も得意な日本では不思議だが業界横割りの連携は絶対不可欠。 37.更に重要なのはサプライ・デマンドサイドの協働アクション。 38.ビジネス機を企業マンの「2点間移動」流用には「適正な利用料」と「協働」が不可欠 39.重なる記述もあるが本サイトのレポート(14-03/14-04/14-09)と併せ読んで戴きたい。 40.本サイトの上部のレポートをクリックすれば全てが閲覧可能。 |
前提となる事項
従来のアプローチ 1.何十億円もするビジネスジェット機の市場開拓と新商権確立の思惑が発端。 2.「双発ターボ機+ジェット機」の「狭義のビジネス機」に的が絞られた。 3.市場開発の各種広報的活動は過去20年近く続いたが見るべき成果は得られなかった。 4.寧ろこの間、日本の中/遠距離飛行用のビジネスジェット機は全て海外に拠点を移した。 5.逆に近隣諸国は「格差社会」故に「特権階層」がビジネスジェット機を購入している。 6.「狭義のビジネス機」に焦点を当てればアジア太平洋圏でも日本の存在感は消失した。 7.日本で「狭義のビジネス機」が使われないのは運賃が商用機の50~100倍するから。 8.日本大手企業サラリーマン幹部は社内規定の縛りで斯かる運賃差での利用は不可能。 9.誰も分かるこの単純・明快な論理は運賃差を曖昧にする事で今日迄先送りされて来た。 10.本サイトは昨年1年を懸け各種の公開情報を開示、「問題の先送り」を警告して来た。 11.20~300億円する中/遠距離飛行用機の日本民間での所有・運航は20年後の今日皆無。 12.逆に、日本のビジネス機の96%強が0.3~2.5億円の低価格帯の「広義のビジネス機」。 13.こちらは、20年以上の歴史の積み重ねによる定着した商慣行で「市場の現実と実態」 14.但し、低価格帯機材を以ってしても企業幹部を含めた「2点間輸送」には使われない。 15.本サイトは既存の「広義のビジネス機」の「2点間輸送」への活用を共に考えるもの。 16.従来の「固定観念」やしがらみを離れた「自由闊達」な発想・思考が求められる。 |
新しいアプローチ 1.求められるのは「コペルニクス的発想の転換」でもなく新規・奇抜なアイデアもない。 2.「地動説」もギリシャ時代よりの知見。中世の教会の教えと矛盾する故説かれなかった。 3.アラビア人経営のイベリア半島の大学で学んだ欧州の碩学者が真実を伝え認知された。 4.「温故知新」。古い知識の中に新しい方策が見出される。 5.「当り前の事を当り前に行う」事で大半の問題は片付く。 |
「温故知新」 他の成功例に倣う 1.日本の伝統的なビジネス機は0.3~2.5億円の低価格帯機材の「広義のビジネス機」。 2.豪奢、高額な上位機種を駆使しなければ「人に非ず」との呪縛からの解放。 3.但し、低価格帯機材でも一般企業マンの「2点間移動」の足に利用されない事の反省。 4.理由は単純・明快。利用運賃が他の競合交通機関の運賃と競合出来なかったから。 5.海外でも、競合交通機関の運賃と競合出来、運賃格差の「費用対効果」の実証が必須。 6.海外で如何なる条件下で、どの様に運賃格差を正当化出来るかの検討・検証。 7.海外での成功例に倣い、日本の国情に合わせた利用法の考案。 8.何れにせよ、利用者が手の届く運賃提供が鍵。利用者の意向が反映される事が最重要。 9.「利用者不在」のアイデアは不毛。利用者・顧客の積極的参画が不可欠。 10.これには、「虚心坦懐」「ゼロ発想」でのアプローチが求められる。 |
内外の先例・事例に倣う
機材コスト 1.リーマンショック以後の経済低迷で欧米も一般利用者は1~4億円程度の機材を選好。 2.日本ではビジネス機の96%強の「広義のビジネス機」の価格は0.3~2.5億円。 3.説明を分かり易くする為、仮に利用機材を1機1億円と置いて話を進める。 利用時間・距離 1.米国の世論調査機関Harris社の調査ではビジネス機の平均利用時間は1.9時間/回。 2.0.1~1.5時間が利用者の45%、往復時間と見れば片道は10~45分程度。 3.この程度の距離を飛行する機材の巡航速度を200~500㎞/時と見れば30~375㎞範囲 4.広い米国でこの程度。日本で有れば20~150㎞で済むが200㎞/時のヘリで10~45分。 5.航空機は運賃が地上交通機関より高いのでビジネス機の利用は短距離・短時間が常識。 6.米国でも400㎞範囲内に商用便運航空港があれば、そこから安価な商用機利用が慣行。 7. 一握りのカリズマ的経営者はビジネス機で世界を移動するが、ほんの一握りの人数。 8.欧米の企業幹部と言えども圧倒的多数がビジネス機より格段に安い商用便を利用する。 9.2013年の欧州よりのビジネス機は80機。圧倒的多数の企業幹部が商用便を利用した。 10.但し、下記の様に、実際のビジネス機の利用者の70%は中間管理層と専門職掌。 一般利用者の利用形態 1.中間管理層は商用港→商用港は商用便、商用便がない空港にはジェネアビを利用。 2.米国では商用機は500空港にしか飛ばないが、ジェネアビ機は5,000空港に飛ぶ。 3.全世界のジェネアビ機数は360,000機。欧州でもジェネアビ機が3,900空港を繋ぐ。 4.ヘリで有れば空港は要らず、離発着も日本の様に場外ヘリポートの事前認可も不要。 5.為しては成らないネガチブリストは有るが、それ以外は自由。自動車の交通規則と同じ。 6.日本企業でも、海外の主要空港迄は商用便、アクセスの悪い先はビジネス機を利用。 7.日本企業では過去四半世紀~半世紀上記の如き慣習が経験則として定着している。 8.国内では、幹線鉄道、幹線航空便を使いその先で地上タクシーを利用する。 9.日本でもヘリを利用する方が便利な事例は幾らでもあるが、当面は利用料がネック。 10.最も低価格機材の利用でも商用機を含めた公共的交通機関との競合は不可能な水準 11.但し、利用運賃が最も高い地上タクシーの補完的利用の可能性は残されている。 日本でのビジネス機運賃 1.海外への中/遠距離飛行にはMid~Heavy Jetを利用する必要があり¥1,500~2,000/㎞ 2.競合する商用便は「大量輸送」のメリットでビジネス・ファーストで¥20~50/㎞。 3.国内便ではビジネスジェット機で有れば¥1,200~1,500/㎞。 4.商用機への支払い実績は¥12~15/㎞、コミューター機で¥30/㎞。 5.面倒な数値を省き一口で言えば、ビジネス機の利用運賃は商用便の50~100倍。 6.この運賃格差を払うビジネスマンは居ないので、利用者は過去四半世紀皆無に近い。 7.「近い」との表現はステータスシンボルとして利用する超富裕層、VIPは少数居る。 8.Robinson R-44は最安値¥150,000/時飛行速度200㎞/時で¥750/㎞3人で¥250/㎞/人 9.Cessna 172で最安値¥55,000/時飛行速度200㎞/時で¥275/㎞3人で¥92/㎞/人 10. 利用環境・条件もあるので直接比較は出来ないが地上タクシー料は¥330/㎞ 11.地上タクシー料に見合う航空運賃は上記の様にかなり以前より実際に存在する。 12.にも関らず「2点間輸送」に利用されない理由と利用可能な機材/方策の掘り下げ。 利用運賃 1.ヘリでも利用運賃は運航業者のコストに適切な利益を加算して提供されている。 2.全航連26社の「旅客2点間輸送」の実績が年間1,000時間と無きに等しい実績。 3.これも永年の実績で、現在の運航業者提供の運賃では利用者は事実上存在しない。 4.一方、地上タクシーの¥300/900m或いは330/㎞を払う利用客はかなりの人数が居る。 5.遊覧飛行は家族連れレジャーで財布の紐が緩む特殊事情は有っても自分の財布で払う。 6東京の空の遊覧は¥52,000/22分/2名。¥142,000/時、¥710/㎞、¥355/㎞/人。 7.年末/年始のハワイ島は日本人客で遊覧用の機材は11月に貸し切りと成る盛況。 8.一例だがオハフ島一周Cessna 206 で2時間 ¥38,000、¥190/㎞。 9.日本のタクシー代並なら個人でも払うし、時間節減メリットを考えれば企業でも使える 10.選挙時ヘリ利用で短時間で広域の移動可能。利用料と当選後の利権との比較選択。 11.利用者の意向が最重要だが、ヘリで¥60,000/時、¥300/㎞を第一段階の仮目標と置く 目標とする利用運賃の前提 1.機材コストは1機1億円。後述の様に纏め買いでデイスカウントを狙う。 2.固定翼機は空港と言うインフラが必要で利用が限定されるので先ず軽回転翼機に集中。 3.機種により性能に振れはあるが平均飛行巡航速度は200㎞/時とする。 4.航続距離は600~700㎞位は有り、日本の利用は片道20~200㎞範囲の想定で問題無し。 5.¥60,000/時、¥300/㎞は地上タクシー代 ¥330/㎞との競合を前提。 6.時間的にはヘリ200㎞/時、タクシー50㎞/時で所要時間はヘリ利用で1/4.で済む。 7.ヘリは2点間直線距離移動、地上の迂回、信号待ち、交通渋滞も無いメリットがある。 8.但し、IFRが許可されて居ない現状では気象条件で利用が左右されビジネス用に不適。 9.¥60,000/時はCitation 560の利用料¥600,000/時強の1/10で「発想の転換」が必要。 10.如何にこれを達成するか?サイトで示唆はするが利用者を含めた読者の参画が必要。 |
機 材 コ ス ト 1. 1機0.3~2 .5億円程度の低価格帯ビジネス機は日本に1000機程度現存する。 2.今後2年以内に1機1億円前後の新鋭回転翼機のラインアップも実現する。 3.機材コストを1機1億円と置いて他の競合交通機関との競合可能性を検討する。 4.「大量輸送」の鉄道、商用機との競合は不可能。地域タクシーの補完的利用を模索。 5.上記に的を絞り、低価格帯の新鋭機を活用、「旅客2点間輸送」を可能にする方策検討。 6. 川上の機材メーカーと川下の利用者迄の一致した「創意工夫」と「協働」が必要。 |
利用者の手の届く運賃設定の必要性 (Must) 1.航空機は低価格と言っても高額な機材、他の競合交通機関より割高に成る事は不可避。 2.必然的に、利用環境(交通不便)、短距離・短時間、乗合せの複合要因の組合せが必要 3.最も肝心なのは、潜在的利用者からのインプット。これが過去に欠如。 4.サプライサイド/デマンドサイドのおおよその妥協点を見出す事が実現・成功の鍵。 5. 本サイトは相互の自由な意見交流の場を提供する一助として設定されている。 |
利用者が支払い可能な運賃実現のアイデア
サプライサイドの簡便試算 機 材 価 格 1.本サイトでは利用料が問題で無い「特権階層」は対象外。1機1億円の機材を例に取る。 2.固定翼機は空港と言う利用インフラの限界があるので、軽回転翼機に絞る。 31機1億円もメーカーでリスト価格を纏め買いで割引は得られるが試算では流用しない 4.欧米ではFractional Ownership企業が機種を絞り纏め買いによる大幅割引きを享受。 5.中東の大手航空会社は最上位商用機を大量発注し機材調達に圧倒的強味を見せている。 6.巷間の噂では、纏め買いで4割強のデイスカウントも得られると言う。 7.地上ハイヤー、タクシー会社は同車種の纏め買いで有利な機材調達を行う。 8.同機種を纏めて所有すれば、保守・整備・部品調達/在庫面でも大幅に有利。 9.但し試算段階で、これらの諸要因を加味すると試算結果が「甘く成る」ので考慮せず。 10.かって、三菱総合研究所が地域航空活性化の為共同保有機構を提案、昔からある構想。 11.年間固定費コストは機材価格の20%と置けば1億円x 20% = 2千万円。 12.これで保守・整備コスト、保険料、税金等の固定費をカバー。 13.年間2千万円で巡航速度200㎞/時と置けば、100時間/年利用で¥1,000/㎞。 14,年間利用時間200時間で¥500/㎞、400時間で¥250/㎞、800時間で¥125/㎞。 15.機材価格の高い航空機では機材の稼働率が採算性の大きな決定要因である事は常識。 16.共同保有で相互融通による柔軟性とクッション性を保証し乍ら稼働率向上を図る 17.Fractional Ownership, タイムシェアリングの分割所有も機材の共同保有の一形態。 18.ゴルフ場、リゾートマンション、フライトクラブ、カーシェアリング等日本でも定着 19.要は、各自治体、公共機関が不測の事態に備えた機材と中小運航業者の機材をプール。 20.一部自治体で隣接する自治体と「広域利用」の相互利用・融通システムは既にある。 変動費・一般管理費 1.変動費は機種により燃費、油種、運航の難易度、保管・維持コストは千差万別。 2.但しコスト節減の為,最もこの種コストの低い軽回転翼機に的を絞っている。 3.簡便な試算法で運航費は固定費コスト(これ自体稼働時間に反比例する)の半額と置く。 4.一般管理費は直間比率30%と置けば総コストは上記固定費+運航費の1.3。 5.これらのコスト推定の是非に就いては専門家、読者のインプットを期待する。 6.一般的なF/S (Feasibility Study)ではコンピュータで最適水準をシュミレーションする デマンドサイドの目標値 1.デマンドサイドの利用料目標値は仮に¥60,000/時に置いた。 2.実際に利用者がこの運賃なら利用するか否かは潜在的利用者よりのインプットが必要。 3.¥60,000/時は回転翼機巡航速度200㎞とすれば¥300/㎞でタクシ–代¥330/㎞より安い。 4.20㎞移動の場合、往復¥12,000.平均2人が利用すれば¥6,000/人。50㎞往復¥30,000 5.軽回転翼機では3~5名は乗せられるので頭割のコストは更に下がる。 6.要はこのレベルの運賃でどの程度の利用者が見込まれるか? 7.企業のマーケティング手法と同じく価格弾性値と機材稼働率の最適バランスを模索。 8.此処でサプライサイドの「希望的観測」や「甘い予測」が入ると失敗する。 9.究極的には利用可能事例を例示、潜在的利用企業に直設当り詰めるしかない。 10.「消費者が王様」過去四半世紀、このプロセスが大きく抜け落ちて来た。 11.消費者である企業に幾らビジネス機の利点を説いても利用者は「運賃幾ら」で判断。 12.利用者が利用を判断する利用料の合意のプロセスが決定的に欠如していた。 |
共有機構構想 (機材の集約的利用)
共有機構構想の基本コンセプトは特に目新しいもでは無く、利用機材のコストが大きい「資本集約的」産業の航空業では広く利用されて来た。
集約化によるメリット 1.航空機は価格が嵩み、高額の機材を如何に効率的に利用するかが生命。 2.1978年米国は規制保護産業であった航空業に利用者の視点よりの自由化に踏み切った 3.自由化による競争原理の導入で「市場原理」による自然淘汰が容認された。 4.Pan-American、 TWA等日本でも知名度が高い大手航空会社が次々と経営破綻した。 5.成長初期のSouthwestの様なLCCが一気に市場シェアーを伸したのも自由化の成果。 6.伝統的な大手航空会社(Legacy Carrier) 間の競争激化、LCCの追上げで業界再編。 7.世界をリードして来た米国大手航空会社は例外なく日本で言う会社更生法適用下に。 8.昨年12月9日、AmeicanとUS Airの合併承認で35年の業界再編劇の幕が下りた。 9.米国は、Delta-Northwest,United-Continental, American-US Airの3グループに再編 10、更にLCCの最大手SouthwestもAirTranを統合、本年内に吸収合併を終える。 11.欧州はBritish Airways, Air France, Lufthansa 3社によりEU域内の統合が進んだ。 12.グローバルにはStar Aliance, One World ,Sky Teamの3メガアライアンスが誕生。 13.日本もANAが Star Alliance, JALが One Worldに参加した。 14.コードシェアリングで路線拡大、機材の利用率向上、機材・保守整備コストを合理化 15.情報の共有を含め全ての航空会社が「協働」による恩恵に浴している。 16.機材として最も安い軽回転翼機でも競合交通機関との競合は厳しい。 17.実現には「小異を捨てて大同に付く」業界の大同団結による「協働」が不可欠。 18.日本の1,000機の「広義のビジネス機」は「点」の活動、「線」「面」の組立てが必要 19.「2点間輸送」を軌道に乗せるには中小/零細企業の個々の努力では何事も実現しない 20.幸い、経営資源豊富な大手航空企業での先行モデルと成功例が眼前にある。 共有機構の大枠 1.大手商用機運航会社の再編劇は上記の通りであるが、ビジネス機とて同じ事。 2.Mid~Heavy Jetで1機20~70億円、Micro~Light Jetで4~20億円する。 3.分割所有で60億円の機材でも30/15/7.5/3.75億円と1/16迄の分割所有が可能。 4.更にタイムシェアリングで年間何時間と必要利用時間で借りる事も可能。 5.On-Demand Charteringはハイヤー同様必要時に必要な時間チャーターすれば済む。 6.Air Taxiは文字通り、必要なスポットで地上タクシー同様な使い方がされる。 7.ジェット機で年間500時間、回転翼機で300時間が採算分岐点の稼働率と言われる。 8.日本で一企業がこれだけ利用する事は難しい上、他に運航・整備等多額のコストが懸る。 9.Fractional Ownershipの分割所有では予備機が必要で日本での利用は実際的ではない 10.最も現実的なのは自治体、運航企業が共有機構から機材を借りる「仕組み」である。 11.「仕組み」の内容は欧米で25年の歴史があり様々な工夫が為され参考例は豊富にある 12.何が日本市場に最適かサプライ/デマンド両サイドのニーズの結節点を見出せば良い。 共有構想の例示 1.仮に1機1億円の機材を200機購入すれば200億円の購入資金が必要。 2.運転資金100億円と併せ所要資金300億円。資本金1/3 の100億円、借入金200億円。 3.購入資金200億円はベンチャーファンドよりの調達やリースファイナンスも出来る。 4日本のLight Jet或いはコストが安い回転翼機でもリースファイナンスは珍しくない。 5.資本金100億円は大手企業1社でも賄えるが出来るだけ多くの利害関係者を呼び込む。 6.事由は金額の多寡の問題より、利害関係者(Stake-Holders) に参画意識を持たせる為。 7.全ての利害関係者が経営責任を共有し、その成功と成果に等しく与る為の仕組み。 8.利害関係者は機材メーカー、リース会社、運航・整備会社等川上サプライサイド。 9.ビジネス機の便宜に与る大手企業の地方工場、傘下企業、地域企業のデマンドサイド。 10.地方自治体、地域社会の活性化諸団体、地域の資産家・篤志家、小金持ちの投資家。 11.資本金調達は分散されるので金額より参画者の連帯感、成長感、達成感の共有が大切。 12.ビジネス機の一般普及は参画者の「協働」による社会貢献の具現化で可能と成る。 13.個々の参画者が夫々ベネフィットに与るのは当然だが求心力はより高邁な社会貢献。 14.機材の購入、ファイナンス、リース、保守・整備は集中、運航、利用は地域に分散 15.集中によるコストの合理化、機材の稼働率向上と利用の地域性の自主性の均衡が必要。 16.利用は現場に密着したきめ細かい配慮が必要で「集中」「中央統制」には馴染まない。 17.「.道州制の導入」、「企業統合と仔会社化」、「集中と分散」は政府/企業の共通課題。 18出資者には利用特典を与え利用促進と地域での利用者誘致・拡大の労を執って戴く。 19.サプライ・デマンドサイド「協働」によるWin-Win関係の模索と確立。 20.参画者は、地域の新たな交通インフラの拡充による地域の活性化利用者の利便性提供。 21.参画者「協働」による「連帯感」「達成感」の共有による「社会貢献」で自己実現を果たす。 |
制度改革に不可欠な「協働」
1.回転翼機の利用には各種規制緩和、法制の改正、飛行空域の解放等の制度改革が必要。
2.多くの高望みは実行に時間が懸るが最優先課題はIFRと都市圏ヘリポート建設認可。 3.IFR飛行は業界の宿年の念願であり欧米ではGarmin器の出現で事態は大きく変った。 4.最近は、全てのジェネアビ用小型機や回転翼機はGarmin機搭載で型式承認取得。 5.この事実は日本の関係業界・識者で知らぬ人はいない。 6.IFR認容は業界の悲願で過去にも各業界団体より繰返し当局に要望諸が出されている。 7.日本ヘリコプター協会/全航連ヘリコプター部会/日本ビジネス航空協会等枚挙に暇がない。 8.然も会員メンバーである機材メーカー、運航業者は関係各協会に重複参加している。 9.自民党。民主党もビジネス機促進議員連盟を結成している。 10.全国地域航空システム推進協議会は国交省を始め全国の都府県知事が主要メンバー。 11.凡らく欧米の実態を知ればジェネアビ機のビジネス機利用促進に異議はない筈。 12.欧米の実態はHAI(Helicopter Association International) が最初の取懸り。 13.日本との交流の歴史の深い米国NBAA, 欧州EBAA等諸手で支援を買って出様。 14.Airbus Helicopter, Bell, Robinson, Agusta-Westland 等の日本法人も一斉に動こう。 15.日本のビジネス機促進に関心の高い在日米国大使館 在日米国商工会議所も動こう。 16.米国大使館、HAI,NBAAに頼めばFAA (米国連邦航空局)も乗り出そう。 17.Garmin社(台湾・米国の合弁)によれば、既にFAA/JCAB間で交流が進み始めた由。 18.経団連、同友会、日商、東商等の経済団体も喜んで支援に応じ様。 19.この様な業界の「協働」(英語はCoalition, Alliance) は米国では日常の出来事。 20.立法府、行政府も業界、世論の動向を確めてから動くので「政治的圧力」だけではない。 21.日本では大変なエネルギーを要すると考えられ勝ちだが米国では2~3日で纏まる。 22.何れかの団体が「要望書」を作成メールで原稿を配布。賛同団体の連判状が作成される。 23.ワシントン駐在員でこれが出来なければ失格。日本現地企業もニーズに応じ多用する。 24.IFRと並行して必要なのは都市圏でのヘリポートの建設認可。 25.ヘリコプター関連企業の永年の宿願でこちらは自治体の専決事項。 26.ヘリコプターをビジネス機として利用するには都心のヘリポート建設が絶対不可欠。 27.現在民間で利用出来るのは新木場、芝浦、六本木ヒルズ屋上、浦安の4か所。 28.かっては西武が池袋と月島にヘリポートを所有していたが、撤退・閉港と成った。 29.米国は青山墓地隣接の軍用ヘリポート、日比谷の外国人記者クラブ屋上が使用可能。 30.三井物産大手町、伊藤忠青山、日比谷ペニンシュラーホテル屋上は建設許可が下りず。 31.オリンピック開催を6年後に控え、皇居を見下ろす「不敬」を云々する時間的暇はない。 31.幸い、自民党のビジネス機推進議員連盟の会長の森元首相がオリンピック推進の長。 32.舛添都知事も訪問客の交通インフラの整備が急務で都のヘリポート許認可の責任者。 33.この種課題はトップダウンの意思決定が必須だが、トップの責任も問われる問題。 34.トップ責任問題に発展しない様な事前の業界・利用者一体の根回しは不可欠。 35.国際的にもIFRが容認され、オリンピックの招致も本決まりと成り必要性は明解。 36内外の一致した要望と海外での実績を示せば、国・東京都も納得して動け様。 37.日本のビジネス機の「旅客の2点間移動」の実現には「適正な利用料」と「協働」が必須。 |
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