2014年09月30日(火)05時55分

(14-16) ビジネス機利用に不可欠な企業人件費の勘案

 

 

要     約

 

1.ビジネス機の利用メリットを一言で言えば「時間を金で買う事」

2.誰でも分かる単純な事例としてはタクシ-の利用、時間節減の為割増運賃を払う。

3.鉄道でも中/遠距離は特急、座席指定券の割増料を払い時間短縮を図る事例が多い。

4.更に遠距離で有れば、航空機を利用する。700㎞以遠は航空機が有利とされる。

5.殆ど「無意識」に費用と「時間」「便宜性」の「費用対効果」を比較評価している。

6.競合交通手段に比して割高のビジネス機の利用も同様だが営利的判断で行われる。

7.企業の営利判断である以上、企業の組織内で「費用対効果」が認知される事が必要。

8.海外でも豪華な内装を背景に美女がシャンペンとキャビアを供する画像は批判の的

9.一般のビジネスマンが利用するビジネス機とは全く無縁の世界。

10. 米国の一般ビジネスマンが利用するのは\75~120,000/時の機材で短距離、短時間

11.北米、EU,豪州と距離感覚が違う日本では平均的には25~50㎞の距離で充分。

12.日本の空港、共用ヘリポ-ト、鉄道幹線駅より半径25㎞で必要地域はカバ-。

13.巡航速度200㎞/時で8~15分ポケットマネ-で払う「遊覧飛行」は実績平均12分

14.関東圏で有れば、都心へリポ-ト、高崎/前橋、芳賀台(宇都宮)、大宮で充分。

15.都心ヘリポ-トは増加が必要だが、新木場、高崎、芳賀台は既存の共用ヘリポ-ト。

16.最近、赤坂のア-クヒルズ屋上の認可が下り、埼玉県は大宮に建設計画あり。

17.オリンピックに備え有明或いは、日比谷のペニンシュラ-ホテル屋上も検討中。

18.本年末迄に日本に於けるヘリコプタ-の利用料のコスト合理化方策を詰める。

19.方策は航空業界集約によるコスト合理化の明確かつ実証された先例が実在する。

20.機材の「共同所有・運航」で機材の纏め買いによる有利な購入、機種の絞り込み。

21.機材の共同所有、運航業者へのリ-スで個別の運航業者の資金負担の抜本的軽減。

22.機材の整備、パイロット養成の合理化と運航業者への負担軽減。

23.共同運航(コ-ドシェアリング)による機材の稼働率向上(コスト低減に最も寄与)

24.個別の「点」を「協働」で「線」「面」へと組み上げ「全員参画」による目的達成。

25.利用者には企業の「真の人件費コスト」を伝え「費用対効果」の評価手段を与える。

26. 「欧米の模倣」では無く日本の国情に合った方式を考案、実践にに移す。

27. この為に、日本と外国の「人事システム」の差異を認識する為の記述も付加した。

        日本と欧米の人件費に対する考え方の相違

 

1.日本のサラリ-マンの人事システムは「終身雇用」、「年功序列」と要約されている。

2.これに対し、欧米では実力競争と転職によるキャリアアップの評価が中心。

3.本サイトは人事制度を論議する事が目的ではない為、ビジネス機関連事項に留める。

4. 一般社員の利用は低価格機材を短距離、短時間利用必要な交通の足として使う。

5. 米国では、地方企業では定期航空便も無く他に選択肢がない事例が多い。

6. 企業自身がビジネス機を所有又は運行会社に委託空港へのシャトル便として運航。

7.問題は、高額なビジネスジェット機を一部企業幹部が駆使する事例である。

8.米国でも企業幹部の圧倒的多数は商用便を利用アクセスの悪い先で短時間利用。

9.日本企業も日本から幹線空港迄商用便を利用、必要に応じその先ビジネス機を利用。

10.大きく異るのは欧米の場合、大手企業の幹部が中/遠距離飛行に利用する事。

11.これと対極的なのは日本で、トップ・幹部と言えども中/遠距離飛行は商用機を利用。

12. 欧米の政治・経済の中心地にビジネス機で飛べば、往復4千万円程度を要する。

13.欧米ではトップがトップダウンで即断即決、大きな事業決断が下せる。

14.故にクリティカルな商談ではトップが出馬相手トップと直接対面で決着を付ける。

15.日本はコンセンサス社会。トップと言えども「集団的意思決定」に従うのが原則。

16.トップが相手と意見が合って「持ち帰って皆と相談」した結果、合議の逆転もある。

17.故に、日本の企業幹部は4千万円の費用負担する事も責任を取る事も出来ない。

18.欧米は4千万円払っても100億円の商売が出来れば良い。

19.失敗しても他の業績で埋め合せれば良い。出来ないなら株主にクビにされるだけ。

20.巨額なビジネス機の利用はこれを利用する権限と責任が表裏一体の関係。

21.日本は実績が挙げなくとも余程の事がなければ責任を問われ解雇される事はない。

22.欧米流ではビジネス機の利用は経営者の経営判断事項。判断を誤れば責任を取る。

23.日本も少ないがソニ-盛田・大賀・出井会長、トヨタ豊田章一郎・奥田会長が居る。

24.現在もソフトバンク孫社長、楽天三木谷会長等企業判断を下せる人も居るが例外。

25.日本でもこれらの特殊な「カリズマ経営者」は中/遠距離のビジネス機を活用した。

 

日本人サラリ-マンの人件費

 

ビジネス機を利用する事は「金で時間を買う事」と良く言われる。ビジネス機に関係して来た人達には耳慣れた言葉では有るが、多くの人はこれを掘り下げて検討して居ない。

英語で”Time is Money”「時は金なり」と言う諺が有るが、最近は“Time is More Than Money”「時は金以上成り」に置き替えられている。

「高成長時代の終焉」の70年代半ばより80年代に日本の企業は存続を賭けて企業再生プランを模索した。この過程で日本が行き着いたのがTQC (Total Quality Control) で二つの大きな要素より成り立っている。

(1)”Quality Control”(品質管理);戦後日本は破壊された工業再建に米国の力を借り「計数管理」による大量生産方式の「科学的品質管理」(デミング方式)を導入、更に日本方式に改善進化させ世界が一目も二目も置く高品質の生産を可能にした。自動車工業では10万個の部品が必要と言われ、航空機では100万個の部品が必要と言われる。小さなねじ1本で大規模な航空機の惨事も起り得る中で下請けの部品メ-カ-にも徹底的に「品質管理」の手法を習得させた。故に、中小企業の部品メ-カ-の中には世界市場シェア-50%以上の優良企業も多数存在する。商用機メ-カ-の最大手Boeing社はDream Lineと呼ばれるB-787の開発を日本と共同で行い機材の1/3は日本製である。主翼は日本の炭素繊維と複合材料の世界最先端技術が利用されて居り、ANA,JALがラウンチカストマ-でもある。次世代の777-Xの開発も日米合同で行われる事が合意されている。高い品質と共に必要不可欠なのは、生産コストで、日本は生産ラインのオ-トメ化で品質の均一化とコストの低減の「1石2鳥」を成就した。QCによる「生産性の向上」で「科学的品質管理」により単位当りの人件費を大幅に低減させた。但し、此処で指摘したいのはこの様の日本人の「高い生産性」はブル-カラ-層に留まって居り、ビジネス機の利用対象と成るオフィス労働者即ちホワイト、シルバ-、ゴ-ルドカラ-族の生産性は先進国の中でも最低の水準と言うのは日本事務能率協会、大日本生産性本部が声高に叫び続けて来た事。特に「和を以って貴しと為す」格差を付けない「年功序列」による昇進で、コストの高いシルバ-、ゴ-ルド族は「お神輿」に乗る「象徴」的存在と成り「計数管理」を適用すれば最も生産性が低い階層と成る。厳しい「競争社会」を生き抜いた海外の「カリズマ経営者」は日本人が及びも付かない高給を取るがその分企業の収益向上に繋げる。出来なければ株主がクビにする。つまり、「高給」と「企業収益」の「費用対効果」の天秤に懸けられている。高額のビジネス機の利用も商用機の50~100倍の運賃を負担しても「費用対効果」のプラスの結果が定量的に正当化されない限り利用される事は無い。日本の企業幹部がビジネス機を利用しないのは、利用する場合には社内規定の縛りを乗り越える正当化の事由(費用対効果の定量的プラス評価)が見出せない為。そこで最も重要な事はホワイトカラ-族でもビジネス機を利用しても「費用対効果」のハ-ドルを越えられるツ-ルを提供する事。

TQCを率先推進し、「終わる事無き改善の努力」を続けて来た企業は先ず社員の「本当のコスト」を間接費を「完全配賦」する事で社員のコストマインド醸成に努めて来た。社員コストには給料、ボ-ナスから始まり、福利厚生、管理費等間接費、企業の借入金利、配当を含めた資金調達コスト、償却費等全てのコストを配賦している。先進的な企業は、出張費、接待費、事業部門別の借入金利、資本金の分担率とそれに伴う配当金負担等細かく分け、事業部門は部・課別の配賦迄行っている。課長は課員の使った出張旅費、接待費、残業代に共通費を頭割で配賦、個人の人件費コストも割り出している。ビジネス機利用はそこ迄細かく勘定する事は無いが、企業単位で簡便法なら時間単位の1人当りにコストは簡単に割り出せる。日本の大手企業で\30~50,000/時/人と一口に言われるが、企業により\5,000/時/人を割り込む処もあれば\150,000/時/人を越える処もある。種々の要素が絡むので高い企業は合理化努力が不足とは言い切れない。寧ろ、大きな企業は様々な費用が懸るので高い数値となる。特に内外の出張旅行の大きい総合商社は、突出して人件費が高い。日本の最低賃金\700/時、時給アルバイト\800~1,000/時、サラリ-マンの平均年収4百万円/年、大企業の管理職で8百万/年のとは桁違いに違う。先進企業では、社員に「本当のコスト」を開示、コストマインドの育成に努めて来た。ビジネス機利用は「費用対効果」の評価が絶対に欠かせない要素であり、これ無くしてビジネス機の「一般的普及」等あり得ない。反対に、この様な「費用対効果」を分析する有能な経理マンは何処の企業にも居り、頭脳明晰な故に「実証的」な「定量分析」で論理的な説得は可能である。

代表的企業人件費

東洋経済 会社四季報 2014年春号

企 業 名

東京電力

東京ガス

KDDI

日本テレビ

ソフトバンク

売 上 高

5,976 10億円

1,916

3,662

326

3,378

ネット益

-685 10億円

102

241

25

289

総コスト

6,661 10億円

1,814

3,421

301

3,089

従業員数

46.874人

17,179

27,172

3,259

24,598

1人当りコスト

142,104千円

105,594

125,902

92,360

125,579

就業時間/年

2,000

2,000

2,000

2,000

2,000

コスト 時/人

\71,052

52,797

62,951

46,180

62,790

 総合商社人件               東洋経済 会社四季報 2014年春号

商 社 名

三菱商事

三井物産

住友商事

伊藤忠

丸 紅

取扱高

20,207 10億円

10,050

8,000

12,552

10,509

ネット益

360 10億円

308

240

280

206

総コスト

19,847 10億円

9,742

7,760

12,272

10,303

従業員数

65,975人

45,148

75,099

103,766

39,126

1人当りコスト

300,826 千円

215,779

103,,330

118,266

263,329

就業時間/年

2,000

2,000

2,000

2,000

2,000

コスト 時/人

\150,413

107,890

51,665

59,133

131,664

              従業員1人当りのネット益

三菱商事

三井物産

住友商事

伊藤忠

丸 紅

ネット益

3,600億円

3,080

2,400

2,800

2,060

従業員数

65,975人

45,148

75,099

103,766

39,126

1人当り純益

5,457千円

6,822

3,196

2,698

5,265

1.総合商社の1時間当りの人件費は大手企業平均の¥30~50,000を大きく上廻る。

2.これは製造業がブル-カラ-中心に対して、商社はホワイトカラ-が多数を占める為。

3更に海外駐在員が多く転勤費用、海外駐在員手当て等の出費が嵩む。

4.それ以上に取扱いが多ければ、その分為替変動や投融資関連の損失償却も嵩む。

5.商社の借入金の金額は突出して居るが、これに伴う借入金金利負担も大きい。

6.株主には海外の投資家が多く高配当を行えば、これも総コストに含まれる。

7.三菱商事は80年代半ばより事業部の「独立採算制」と「間接経費の完全配賦」を開始。

8.10~15年の時間を要したが一応定着。出張旅費は分権された各事業部の自己裁量項目。

9.海外出張や海外企業進出先でビジネス機を利用するか否かは事業部内で判断する。

10ビジネス機の利用メリットは社内では「知る人ぞ知る」で商社マンが一番知っている。

11.「完全配賦」故に事業部門内でも「課単位」に配賦され部課長に権限移譲が行われる。

12.現場事情に即応「現場」への「権限委譲」は部門、海外事業所、投資先に不可欠。

13.国の単位では「道州制導入」、企業単位では「事業部制」「子会社化」が時代の流れ。

14.商社は石油危機以後口銭手数料依存より脱却,事業投資収益中心の事業モデルに転換

15.事業経営が出来るスタッフを米国ビジネススク-ルで学ばせ投資先で実戦養成。

16.思い切った分社と事業投資先への権限移譲による「責任体制確立」と「連邦経営」。

17.これだけ高い人件費なので、Air Taxiの利用を正当化出来る事例も少くない。

18.但し、これの「費用対効果」の判断を下す「簡易評価ソフト」を与える必要あり。

19.Air Taxi利用を幾ら叫んでも利用現場に判断「ツ-ル」与えねば何事も始まらない。

20.それ以上に、欧米同様利用者の「手の届く」運賃提供が為されなければ成らない。

21.欧米で当り前、日本でもコミュ-タ-機が出来る事が一般企業が行えない筈がない。

22.「為せば成る、為さねば為らぬ、何事も、為らぬは人の、為さざる成り」。

    米国のビジネス機利用による時間節減額を人件費節減額に換算するソフト

 

1.2000年初期、NBAA (全米ビネス航空協会)が開発した教宣用のソフトがある。

2.1個単位で一般市販され数百㌦程度。企業は1個購入従業員が共有出来る許可事前取得。

3.ソフトのサンプル、200頁余のユ-ザ-マニュアルはネットからダウンロ-ド可能。

4.簡単に言えば出張希望往復日時、出発地、訪問地、人数、利用者の年収等をインプット。

5.米国の商用機、コミュ-タ-機との時刻表と繋ぎ込みされて居るので時間、運賃を表示。

6.一方、飛行距離、人数に合ったビジネス機の機種、飛行時間、チャ-タ-料を表示。

7.ビジネス機利用の時間節減を年収より割り出した時間当り人件費から節減額も表示。

8.日帰り出張による滞在費、食事費等の旅費節減額等も表示。

9.これらを総括し、商用機・ビジネス機の「費用体効果」の総合評価を表示。

10.大多数の事例でビジネス機利用が時間的、コスト的、便宜性、快適性より有利と成る。

11.日本では鉄道、路線バスの利用もあり航空機以外のデ-タ-ベ-スの繋ぎ込みが必要。

12.日本の旅行代理店は全てこの種デ-タ-ベ-スと繋がれて居り「置換作業」の問題。

13.ヤフ-では2点間の最速の交通手段、経費等を計算・表示する無料サイトもある

14.2点間移動の距離計算や移動方法の無償検索サイトはネット上に幾つか存在する。

15.人件費は先進的企業では総コストは配賦済みだが、簡便法の計算法を整備、提供する。

16.全ての上場企業の業績はデジタル化されて居り簡便計算法のソフトを組み込むだけ。

17.ビジネス機利用の可否の検索の為利用者の所属企業名をインプットする。

18.携帯、スマホでもアクセス可能にすれば直ちに「費用対効果」の評価結果が示される。

19.日本の代表的旅行会社との提携が必要だが、かっては近畿ツ-リストもJBAAの会員。

20.JTB,H.I.Sも協力した経緯もあり人を選べば極く短期間で簡易ソフトは仕上げ可能。

21.米国NBAAにはライセンスの供与検討、日本版ソフト作製の協力は依頼済み。

22.世界の最先端を行く日本の情報機器端末とソフト技術の実践応用で片付く問題。

23.「利用者本位」の「簡便」「使い勝手の良い」”User Friendly”なソフトの提供が肝要。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。


*