2014年07月02日(水)08時29分
(14-18) 地域コミュ-タ-機
日本の国内民間航空は幹線航路を飛行する商用便、地域的に運航する地域コミュ-タ-等の定期航空便とビジネス機を含むジェネアビ機に分類されるが、ビジネス機はジェネアビ機の中でも営利目的で運航される航空機でレジャ-用は除くと言う定義が為される。レジャ-とは航空機愛好家等が空を飛ぶ喜びを味う為に趣味的に飛行する機材を指す。実際には、営利目的に利用される機材も、オ-ナ-が航空機愛好家である事が多く、業務以外に趣味的にレジャ-として飛行する事もあろう。元々ビジネス機に関する法律的な定義が不在で、総機数や統計面での表示も異る。本稿での地域コミュ-タ-機は国交省が統計として公表する主として100席以下の機材を運航する9社の数値を流用するが、本サイトの目的であるビジネス機との関連にも言及する。(コミュ-タ-機はビジネス機の定義では除外されビジネス機の範疇外)
2013年度実績
国土交通省
航空会社名 |
輸送総人員 |
旅客収入 |
輸送人員当り㎞収入 |
北海道エアシステム |
17.1万人 |
22.5億円 |
\49.6/㎞/人 |
フジドリ-ムエアラインズ |
79 |
127.1 |
20.9 |
新中央航空 |
7 |
8.1 |
81.6 |
東邦航空 |
1.7 |
1.4 |
136.8 |
アイベックスエアラインズ |
2.3 |
3.7 |
24.2 |
オリエンタルエアブリッジ |
17.3 |
17 |
47.2 |
天草ライン |
7.4 |
12.3 |
60.4 |
日本エアコミュ-タ- |
177.6 |
251.6 |
33.5 |
琉球エアコミュ-タ- |
39.4 |
29.4 |
31.0 |
合 計 |
348.8万人 |
473億円 |
¥29.9/㎞/人 |
2013年度ヘリコプタ-2点間輸送実績
全日本航空事業連合会 (2013・4月~2014・3月)単位:時/年
航空会社名 |
運航総計 |
国内運送 |
遊覧 |
2点間輸送 |
比率 |
静岡エアコミユ-タ- |
2,392.06 |
59.19 |
|
7.40/時/年 |
0.31% |
ディ-エイチシ- |
179.18 |
18.27 |
|
0.55 |
0.31 |
中日本航空 |
11,649.47 |
5,001.55 |
|
0.13 |
0.001 |
東邦航空 |
4,841.30 |
2,494.48 |
|
911.29 |
18.8 |
九州航空 |
408.292 |
61.54 |
|
9.34 |
0.002 |
加盟29社合計 |
66,176.25 |
26,789.38 |
2,038.05 |
929.51 |
1.4 |
1.上記が示す通り、全航連加盟29社の内「旅客の2点間輸送」の実績を有するのは5社。
2.然も、年間で1,000時間以下、1日2.7時間、29社で1日1社当り6分弱。
3.年間「旅客2点間輸送」929.51時間の内東邦航空911.29時間(98%は)はコミュ-タ-。
4.ヘリコプタ-運航会社の最大手朝日航洋の実績はゼロ、二番手中日本航空で年間8分弱。
5.朝日航洋はトヨタ傘下、中日本航空は名古屋鉄道、中部電力等中京地区の有力会社が株主。
6.中部国際空港開港で名古屋空港(小牧空港)は日本のビジネス機運航のハブ空港と成った。
7.両社は日本を代表するビジネス機運航会社。両社で170機近いビジネス機を所有・運航。
8.その両社合せて最も安い機材のヘリコプタ-による「旅客の2点間輸送」は8分/年弱。
9.是非の論議は避け、過去20年ビジネス機の導入が叫ばれ乍ら実現していない事は「事実」。
10.上記の統計は国交省、全航連の数値で日本では最も権威が有り、信頼度が高い。
11.但し、日本のビジネス機の実態を把握する資料ではない。(その様に設計されていない)
12.国交省ビジネス機飛行実績統計対象は単/双発タ-ボ+ジェット機(1部双発ポロペラ機)。
13.日本ビジネス航空機協会は双発タ-ボ機+ジェット機が対象、最近はジェット機に注力。
14.業界では小型固定翼機/ヘリコプタ-も営利目的での運航は誰でもビジネス機と認知。
15.全航連の統計でもヘリコプタ-は年間6.6万回各種の事業目的に利用・運航されている。
16.全航連発表の小型固定翼機運航34社の統計で「旅客2点間輸送」は50,374.16時間/年。
17.但し、この内50,371.11時間 (99.99%) はコミュ-タ-機運航会社7社の数値。
18.即ち、海外ではジェネアビが最も活用される先も日本ではコミュ-タ-機がカバ-。
19.それ以上に地方の「旅客2点間輸送」はヘリコプタ-LLCの運航業者が担う。
20.これらの運航業者は全航連には参加せず枠外活動の成果で業界統計には現れない。
21.全航連の主要業者が運航する低価格帯へりのAirbus AS-350の利用料は35~45万円時。
22.巡航速度200㎞/時と置けば\1,750~2,250/㎞。東邦航空は同様の機材を利用\136.80/㎞。
23.全航連が重点的に注力する「2点間輸送」は救急医療や地方自治体の運航業務受託。
24.コミュ-タ-運航業者9社の総平均運賃単価は\29.90/㎞と地上タクシ-料\330/㎞以下。
25.人命のコストが懸る救急医療や人命救助と地域航空を支える運航は同列では語れない。
26,事業会社が高単価市場を狙うのは経済原則に則った企業行動で是非を論ずる筋ではない。
27.寧ろ注目すべきは、コミュ-タ-運航業者の様に旅客集客力が有れば利用単価は下がる。
28.国や業界統計は「企業マンの足」としての「2点間輸送」は当初は特に念頭になかった。
29.従って、デ-タ-を洗っても各種の不都合が見られるが過渡期の現象と割り切れば良い。
30.それよりも、日本の既存の低価格帯機材も工夫すれば一般利用の可能性が垣間見える。
31.地域航空の補完としてのビジネス機のAir Taxi的利用には「業際」の「協働」が必要。
32.米国のUltra-LCC同様旅客の地方での「2点間輸送」は潜在的未開発市場の開発努力。
33.新たな補完的交通手段の提供で利用者、運航業者、地域経済が潤うWin-Win関係が成立。
34.Ultra-LCC目標とする市場のパイを拡げる事で「利害共有者」全てがその恩恵に与る。
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