2015年08月22日(土)02時00分

(15-16) LABACE 2015 (ラ米エアショ-)

 

世界各地でビジネス機関連のエアショ-やParis/Farnborogh,ドバイ、シンガポ-ル等の軍用機、商用機も網羅した大掛りなエアショ-、或いはEAA AirVentureの様な利用者・愛好家主体の夏の祭典等様々な催し物の紹介をして来たが、ビジネス機中心の世界の確立したエアショ-としては,米国の BACE  ( Business Aviation Conference & Exhibition 旧NBAA Convention )、EBACE (欧州 スイスジュネ-ブ)、ABACE (アジア 中国上海)それに LABACE (Latin America Business Aviation Conference & Exhibition ブラジルSao Paulo)更にドバイのエアショ-に合せたMEBAA ( Middle-East Business Aviation Association ) 主催の中東に加えスタン国-パキスタン、アフガニスタン、タジキスタン、カザキフスタン、トルクメニスタン等中国 元の時代の何々汗国、それにアフリカ諸国が参加する。これが世界の5大ビジネス機ショ-である。

2015年度のLABACEは12回目で8月11~13日の3日間、Sao Paulo Congonhas空港で開催された。BACE, EBACE, ABACEと異るのは、参加者は地元ビジネス機メ-カ-Embraer社の膝元でもあり、同社の存在感が大きい事、一般参加者は少なく寧ろ業界のプロが集まり、自社のビジネス機を売り込んだリ、飛行デモンストレ-ションを披露したり、愛好家のお祭より、ビジネス商談が中心のショ-である。各国より48機のビジネス機の出展が有ったが、話題を浚ったのはEmbraer社の中型ビジネス機Legacy 450とホンダジェットで、ホンダは既にお馴染みの各エアショ-に飛行し機材を披露するだけでなく、その後、ブラジル各地でデモンストレ-ション飛行を行う。ホンダはブラジルを始めとする中南米市場を北米と並ぶ戦略的な重要市場と位置付けている。今回のショ-の最大の特徴は、リ-マンショック後の景気低迷にもめげず、成長を続けて来た中南米市場がブラジルを始め各国の経済低迷で、ビジネス機の所有者が機材を手放す事は見られないが、新規購入には慎重に成って居り、ビジネス機の伸びが低迷、2020年位迄暫く続くとの悲観的な観測が多く、ビジネス機成長の牽引役であった中南米市場の成長も踊り場に差し懸ったとの見方が支配的であった。尚Flightglobal社のデ-タ-ベ-スによる南米諸国のビジネス機の現有機数は下記。日本は数え方にもよるがジェット機24機、タ-ボ機37機の61機。

 

国 名

ジェット機

タ-ボ機

国 名

ジェット機

タ-ボ機

Brazil

793

712

Ecuador

10

23

Venezuela

254

341

Bolivia

7

19

Argentine

157

111

Paraguay

6

41

Chile

34

54

Peru

6

17

Colombia

31

110

Uruguay

4

5

一般情勢の要約

 

1.Latin Americaのビジネス機(ジェット+タ-ボ機)は2,700と北米、欧洲に次ぐ市場。

2.ブラジルの5400都市の中、定期航空便が就航して居るのは130弱だが空港数は4,000.

3.日本は国中公共交通網が張り巡らされ、98空港に定期便が就航して居るのとは訳が違う。

4.更に、短距離であれば、小型固定翼機、回転翼機のAir Taxiの利用も盛ん。

5.中南米は長くスペイン、ポルトガルの植民地で欧州の階級・貧富格差が温存されている。

6.HNWI (High Net Worth Individuals 富裕層 ) のビジネス機所有率は世界一高い。

7.北米、欧洲、アジアとの比較でブラジル1,000人のHNWIのビジネス機所有数は5.2機。

8.北米で1,000人当り2.7機、欧洲0.6機、アジア-太平洋圏で0.2機。

9.ビジネス機は「特権階層」の所有物である事を中南米、中国、中東産油国では謳歌。

10.ブラジルは東西、南北何れも3400㎞の大陸国、日本は北方4島-与那国島迄3000㎞。

11.北は宗谷南は与那国島、波照間島迄地域航空がビジネス機の1/50~1/100 の運賃で就航。

12.この様な現地事情を踏まえずビジネスジェット機の多寡で空運発展度を論議は出来ない。

13.LABACEの規模拡大で市内Convention Center向いの空港への移転も話題と成った。

14. 大陸国は、市内中心にConvention Centerがありビジネス機用の小型空港が隣接する。

15.2016年のRioオリンピックは昨年のワ-ルドカップ同様ビジネス機利用は制限される。

16.業界としては「機会喪失」として失望感が漂ったが、日本も海外機受容れの対応が急務。

個別トピックス

 

1.話題はEmbraer社のMLJ (Mid Light-Jet ) Legacy 450の来年初め型式証明取得予測。

2.価格は16.75百万㌦で航続距離は4600km、南米域内はカバ-可能。

3.ホンダは現地迄飛行し、ショ-の後ブラジル各地でデモンストレ-ション飛行を行う。

4.ブラジルの販売代理店にLider Avaicaoを起用、数字は控えたが、会期中の受注にも満足。

5.Textron社はBell 429WLG,407GXと共に注目のBell 505 Jet Ranger Xも出展した。

6. Nextant社の低格帯機種の400XT, GT90XTにも人気が集まった。

7. カナダのBombardier,米国のGulfstreamは当然北米迄飛行可能なHeavy Jetを販促。

 

 

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