2015年09月26日(土)01時38分
(15-19) 航空機メ-カ-ランキング
今回は世界の航空機メ-カ-のランキングを近着のFlight International誌の記載記事より紹介する。日本では終戦後航空機産業は事実上解体、その後三菱重工が米国で70年代に小型ビジネス機MU-2を生産したが、後に撤退、日本でリ-ジョナルジェットYS-11を生産、これも生産中止と成り、最近は米国でリ-ジョナルジェットMRJの生産に踏み切った。当初のスケジュ-ルより大幅に遅れ、2017年に就航を予定しているが、最近は工程の進捗状況を逐一報道し、顧客の繋ぎ止めを図っている。一方、自動車メ-カ-ホンダは創業者本田宗一郎氏が1946年本田技術研究所創立した時点より、航空機生産が夢であり、埼玉県川島にホンダ空港も建設、同社のロゴマ-クには翼が描かれているが、こちらも宿願の航空機製造に踏み切り、本年秋、米国で型式証明を取得、受渡し開始を予定して居り、既に試作機は世界の著名なエアショ-で披露され、その後地域でのデモンストレ-ション飛行も行われている。戦後70年を経て、日本企業の設計による航空機が「世界の空を舞う」時期も目前に迫っている。それ以前に、日本は世界の航空機メ-カ-に部品供給を行って居り、Boeing社の最近のヒット機種のBoeing 787は日本の3重工が部品の1/3を供給しているが、部品と言っても炭素繊維やコンポジットで生産された主翼である。従って、Boeing, Airbus等はFrame Makerと呼ばれ、エンジン等もGE,ロ-ルスロイス等のエンジンメ-カ-より調達、これらの組立を行っている。Boeing社のDream Liner 787はANAがラウンチカストマ-と成り日本の代表的な重工業3社の「協働」の成果であるが、次世代の大型機Boeing 777Xには日本の重工業5社が関わる事が決定している。航空機製造以外にも炭素繊維の広い市場を開発した東レは炭素繊維が同社の業績の牽引役に迄育った。航空機のMain Framerの国籍による優劣が話題と成るが、グロ-バル時代世界市場は一つであり、一時代前の国別の優劣は部品生産や市場が全世界に跨って居り、「自国生産独立主義」、「自前生産主義」や日本で言えば「日の丸国産機」等の拘りを捨て、日本も航空機産業のグロ-バル市場に確りと組み込まれている事を自覚すべきだが、此処では業界誌の報道を記載するに留める。
Top 20社の航空機メ-カ-
(金額単位10億米㌦)
順位 |
企業名 |
Revenue |
Profit |
順位 |
企業名 |
Revene |
Profit |
1 |
Boeing |
90.8 |
7.47 |
11 |
BAE Systems |
13.7 |
N/A |
2 |
Airbus |
80.6 |
4.5 |
12 |
Honeywell |
11.9 |
2.92 |
3 |
Locheed Martin |
45.6 |
5.59 |
13 |
Bombardier |
10.5 |
0.995 |
4 |
UTC |
36.2 |
4.57 |
14 |
General Dynamics |
10.5 |
N/A |
5 |
GE Aviation |
24 |
5 |
15 |
L3 Communications |
10.1 |
1.02 |
6 |
Northrop Grumman |
24 |
3.2 |
16 |
Textron |
10 |
N/A |
7 |
Raytheon |
22.8 |
3.18 |
17 |
United Aircraft |
7.4 |
0.145 |
8 |
Safran |
18.3 |
2.74 |
18 |
Precision Castparts |
7 |
N/A |
9 |
Finmeccanica |
17.2 |
0.72 |
19 |
MHI |
6,87 |
N/A |
10 |
Rolls-Royce |
14.7 |
2.15 |
20 |
Spirit Aerosystems |
6.8 |
0.354 |
19 |
MHI Mitsubishi |
6,87 |
N/A |
28 |
AVIC (China) |
4.18 |
0.325 |
29 |
IHI |
4.07 |
0.374 |
36 |
Hindustan Aeronautics |
2.91 |
0.587 |
34 |
KHI (Kawasaki) |
3.07 |
0.343 |
43 |
Korea Aerospace |
2.2 |
0.153 |
58 |
FHI (Fuji) |
1.35 |
0.179 |
|
|
|
|
84 |
JAMCO |
0.643 |
0.072 |
|
|
|
|
一 行 知 識
1.トップ100社の2014年度の売上高合計は6,130億㌦と過去最大を記録した。
2.軍需関係のトップ10社の2014年度の売上高合計は1,780億㌦と2013年を下回った。
3.エンジン関係企業トップ9社の売上高は820億㌦と2013年比4.4%の増加。
4.業界トップのGEの売上高成長率は9.1%と依然業界をリ-ドしている。
5.同社に次ぐRools-Royce社は逆に前年比3.7%ダウンとGEとの格差が更に開いた。
6.トップ100社の2014年度の利益率は10%と過去最大となった。
7.民間機ではBoeing 社が599億㌦とAirbus551億㌦をリ-ドしている。
8.ビジネス機業界最大手のGulfstream社の2014年度売上高は10%強ダウン。
9.日本勢はMHI 19位, IHI 29位、KHI 34位、富士重 58位、JAMCO 84位。
10.アジアは中国AVIC 28位、インドHindustan 36位、韓国Korea Aerospace 43位
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