2016年02月03日(水)02時47分

(16-03)  良く聞かれる質問

 

 

要    旨

 

本年は過去20~25年放置されて来たデマンドサイドとの対話を通して実需市場や潜在的な顧客のニ-ズを汲み上げる作業へと重点移行を始めたが、ビジネス機の関係者には「常識」或いは「衆知の事実」の基礎的な知見も意外に持ち合せていない事を認識、過去本サイトでも公開した情報を掻い摘んで纏めた。

例えば、旅行代理店、潜在的利用客が最も知りたいのは 「Air Taxiの利用料は幾ら?」

「オスプレ-の危険性がマスコミで伝えられる中でヘリコプタ-の安全性は大杖夫?」と言った素朴な然し最も重要な情報が一般に流布していない事を明確に認識した。デマンドサイドは「Air Taxiとは何か?」と言うABCの基礎知識も持ち合わせず、此処からの説明が必要な事も痛感した。

サプライサイドの業界が定期的に開催する各種会合や講演会、パネル討論会にはデマンドサイドの聴衆は殆ど見られず、利用者に取って最も気に成る「幾ら?」は「企業秘密」「個人情報」として伏せられて来た、海外では「当り前の公開情報」も伏せられて来たので、サイトを開設「公知の情報」を編集して公開して来た。「公知」とはレポ-ト、マスコミ記事、政府・業界統計・発表、個別企業の広報的な公開情報等一度活字と成り一般公開されたものを網羅するが、インタ-ネットの急速な発展で必要な情報は殆ど入手可能。本サイトは利用者の手間暇を省く為に情報提供をしているに過ぎない。「広報」「教宣」とはテレビのコマ-シャルと異り「在りの儘」の情報を提供(都合の良い情報を流し、悪いものは隠すの対極)する事で利用者が納得の行く判断を下せる「開かれた情報社会」が民主主義の基本原則。「多様性は創造の母」と言われる様に、現代は「情報社会」、多様な情報交流で過去には考えられなかった創造的な発展が可能と成った。

 

Air Taxiとは聞き慣れないが何か?

 

Air Taxiとは地上タクシ-の自動車に代えて、航空機を利用するもの。欧米や、豪州、カナダ、ブラジル等の大陸国では国土が広く地上タクシ-利用では走行距離が長く運賃が嵩むだけでなく、マイカ-でも長距離運転では時間が懸る。Air Taxiは2点間を直線で結ぶので地上の様に迂回する事も山坂のアップ・ダウンの走行もなく、信号待ちや交通渋滞もない。地上車の走行速度を50㎞/時と見れば、ヘリコプタ-は4倍の200㎞/時、低価格の小型ジェットなら10~15倍の速度があり移動時間の短縮は利用距離が長ければ時間節減のメリットも大きい。ビジネスマンは”Time is More Than Money” の世界に生きて居るので分秒も惜しい上級管理者層や幹部はビジネス機を利用する。Air Taxiもビジネス機の一領域。米国では地方空港の多くは飛行場外に地上タクシ-が待機して居らず、大概空港よりレンタ-カ-で目的地迄自分で運転するが、Air Taxiは運賃が多少割高と成るが、その分時間節減により利用者本人の人件費節減や肉体・精神的負担の軽減等を勘案すれば寧ろ割安と言う結果と成る。「費用対効果」の評価が出来るビジネスマンは利用メリットを定量化して利用する。商用機、コミュ-タ-機、地上タクシ-利用との「費用対効果」の簡易比較評価ソフトも市販されている。例えば、成田空港-都心間のヘリコプタ-のAir Taxi の所要時間は20分、地上タクシ-は道路事情にもよるが70分。

 

米国でAir Taxiが利用されと言うがどの程度利用されるのか?

 

日本でのヘリコプタ-の利用実績は、全国事業連合会ヘリコプタ-部会の統計によれば年間飛行時間7万時間。これには会員に成っていない小規模運航業者や低価格帯機材の運航実績が漏れているので推測には成るが10万時間程度はあると思われる。米国ではヘリコプタ-の利用実績大手の10州だけで1千万時間を越えるので全国的には1500万時間は越えると思われ全く比較に成らない。日本でのヘリコプタ-の2点間旅客輸送は伊豆7島を結ぶコミュ-タ-便の東邦航空が大半で、定期コミュ-タ-便はビジネス機或いはAir Taxiの範疇に入らず、実際には僅か1社が年間4時間の飛行が実績。実際には赤坂ア-クヒルズ-成田空港間のAir Taxiや北海道、九州・沖縄の離島を結ぶAir Taxiがない訳では無いが、喧伝する程の実績はなく、そもそも全事連のヘリコプタ-部会も地上交通手段と競合出来ない旅客の2点間輸送に関心もなく、統計自体が「旅客の2点間輸送」の実態を把握する様に整備されていないが、日本でのAir Taxi利用は「無きに等しい」と言うのが「偽らざる現実」。他方、米国は大手都市の幹線空港は混雑が激しく近隣の数多くの二次空港に依存するが、郊外に位置するので送迎にはAir Taxiが利用される。2014年のヘリコプタ-によるAir Taxiの年間飛行時間は443,000時間、遊覧・観光は240,000時間。何れにせよ日本とは全く桁違いの利用が行われ然も過去50年以上利用し続けられている。

何故日本ではAir Taxiが利用されないのか?

 

単純な答えは運賃が高か過ぎる事と逆に競合する交通手段が高度に発達し然も運賃が安い為。そもそも日本のヘリコプタ-料金は米国の3~7倍。理由はヘリコプタ-の稼働採算分岐点は300時間/年と言われるが、日本では最大手の運航業者で260時/年、平均150時/年、小規模の運航会社の中には100時間を割る先もある。ヘリコプタ-は低価格帯と言っても1機1億円、固定費コストが高い。固定費負担は年間200時間の稼働であれば100時間の半分、300時間であれば1/3。商用航空便は機材が1機150億円しても定期便として毎日飛行するし、一度に何百人かの旅客が利用するので「大量輸送」のメリットが享受出来る。新幹線の様な鉄道も然り。定量的に例示すれば、定期航空便の㎞当りの運賃単価は¥19/㎞弱、コミュ-タ-便¥30/㎞、新幹線グリ-ン車で¥35/㎞、地上タクシ-で¥350/㎞、ヘリコプタ-は地上タクシ-の3~5倍。例えば、ア-クヒルズ-成田空港間のAir Taxiは貸切が必要で20分の利用で¥270,000.1時間の利用の引直せば¥810,000。ヘリコプタ-の巡航速度を200㎞/時と置けば¥4.050/㎞。 地上タクシ-代の11.6倍、新幹線グリ-ン車の116倍。米国ではAir Taxiは地上タクシ-代の1.5~2倍が運賃負担力の限界と言われる。

 

では何故日本にAir Taxiを導入するのか?

過去10年、従来のヘリコプタ-の常識を覆す低価格帯機材が市場に出回り、地上タクシ-との競合上安い運賃での運航が必要と成るが、地上タクシ-料の1.5~2倍に収まる運賃も米国では可能と成っている。特にRobinson社の単発タ-ビン機R-66は2-3年前から1機1百万㌦を割る価格 (2016年1月のメ-カ-リスト価格は$869,000) で2~3年前より市販されて居り、昨年末で700機の出荷実績を挙げている。日本でも2年程前に日本の型式証明を取得、既に商業的運航も始められている。これに刺激され、Bell社は対抗機種として1.07百万㌦の対抗機種Bell 505の市場投入計画を発表、本年上半期に米国の型式証明を取得、下半期より出荷予定。Air Taxi用のヘリコプタ-は1機百万㌦を挟む攻防戦の様相を呈して来た。日本からは既に3社がBell 505 15機の仮発注を行い「青田買い」に踏み切った。Airbus社はR-66の対抗馬として1.4~1.8百万㌦のEC-120を市場に投入したが振わず、中国と合弁で2013年末より生産を開始、当初は中国市場に出荷するが (中国より、150機の確定注文を受けて現地生産を始めた) コスト如何では日本を含むアジア市場に姿を現す可能性も残る。

然し、最も重要なのは、日本は地上交通手段が高度に発達、中央山岳地帯を除き鉄道、バス、道路が網目の様に張られている事は事実だが、関東を例に取れば東京より放射線状に鉄道、道路が存在するものの、放射線のフリンジの横への移動は難しい。関東でも新幹線の便がある宇都宮、高崎、小田原等は通勤圏に入っているが、企業の場合、工場、研究施設、配送センタ-、観光地等幹線鉄道駅や高速道路より外れている場合には時間を要し、況して地方に本拠を置く企業が顧客訪問等で横から横に動く場合にはかなり時間を要する。最近は外国人観光客が激増しているが、空港より都心の宿泊先或いは都心から郊外への観光は距離はさしてなくても、鉄道路線の乗り換え、交通渋滞等で思いのほか時間を要する。又、観光地でも山岳地帯や島嶼地域の移動は難しい。箱根、日光、富士山島の空のツア-、三陸のリアス海岸、伊勢志摩、瀬戸内海、五島列島、沖縄諸島を始め、より身近には大都市の空のツア-等は運賃が一般の「手の届く」範囲に下がれば急速に利用者が増え様。LCCの出現で「空の旅」を楽しむ人口が急増したのが何よりの実例。

 

低価格帯ヘリコプタ-と言うが他の航空機との相対的な価格比較は?

航空機の価格は「ピンキリ」。通常価格として公表されているのは製造業者のリスト価格で実際の取引価格は商談の内容によって違うのでリスト価格とは異るが機種間の相対比較の目安とは成る。

旅客機の最上位機種はスカイマ-クの破綻の原因と成ったAirbus A-380で最近の円安相場で換算すると1機500億円。ドバイの首長はこれを「空飛 ぶExecutive Office」として自家用ビジネス機として発注した。通常の商用機は150~200百万㌦。三菱重工のリ-ジョナルジェットMRJの90人乗りで40百万㌦。ビジネス機の上位機種のGulfstream G-650, Bombardier Global Express 6000で数千万㌦。日本の民間機で最も高いのは朝日航洋のCitation 680で18百万㌦、中日本航空のCitation 560XLで13 百万㌦。その下にVLJ (Very Light Jet) が並び最上位機種はホンダジェットの4.5百万㌦、日本に実際に入っているCitation Mustangで3.28 百万㌦、近々出荷されるCyrrus SF 50 で2百万㌦。

ヘリコプタ-は重量物の運搬等に利用される大型機もあるが「旅客の2点間輸送」で用いられるのはAirbus AS-350で2.5百万㌦だが、この価格帯ではAir Taxiと言うよりワンランク上のAir Limousine。Air Taxi用としては2017年後半位に日本市場に姿を現すBell 505が1.07百万㌦。業界の景色を一変させた風雲児のRobinson社機の2016年1月15日のリスト価格はタ-ビン単発のR-66で$869,000、ピストン単発のR-44 Raven II $461,000, R-22 Beta II $288,000。 Airbus A-380の価格はRobinson R-22 Beta II の1,250倍の価格。故に、3年前Robinson社の低価格帯機は10,000機の出荷を記録 ヘリコプタ-の民間機のトップメ-カ-に躍り出た。軍事用を含めるとAirbus Helicopterが首位。2014年末の日本のピストンヘリコプタ-の9割がRobinson機で日本でも業界関係者なら誰知らぬ「事実」。一般の「手の届く」Air Taxiの世界の主流に成っている低価格帯ヘリコプタ-の利用が不可欠であると共にこれを有効活用しない手はない。尤も、民間のデマンドサイドはこの点は熟知して居り、18百万㌦のCitation 680以上の高額機材は民間に1機も存在しないし、運航会社もこの種機材は「VIP送迎用」として一般利用者に使われる事は無い。日本市場を知り尽くしている本田は1機4.5百万㌦のホンダジェットの日本市場での販売は計画にない。1機0.3~0.9百万㌦の低価格帯ヘリコプタ-のRobinson機も「旅客の2点間輸送」には限定的にしか利用されない。R-44の日本でのチャ-タ-料は\200,000/時前後、米国では$600~650/時。R-22は最近\80,000/時の安値も見られるが、米国では$200~250/時。「共同所有・共同運航」の枠組みで機材の稼働率を採算分岐点の300時間/年に上げ、少しでも米国の運賃水準に近付ける工夫と努力が必要。

 

Air Taxiに利用可能な低価格帯ヘリコプタ-は日本にどの程度現存するのか?

 

Bell 505は3社が15機を仮発注して居るが、日本での型式証明が取れ試験運航が完了するのは2017年後半と予測される。但し、前身の Bell 206は42機存在する。Airbus EC-120は値頃感が高く日本では3機しか利用されない。2014年末のRobinson R-22, R-44, R-66, Bell 206,Airbus AS-350の現有機数は下記。2015年度末の登録状況の集計・公開は3月末と成るのでその時点でアップデ-トする。

日本航空機全集2015

機  種

現 有 機 数

市場シェア-

Robinson R-22

Robinson R-44

小  計

ピストン機総数

61機

98機

159機

177機

34.5%

55.4

89.9%

Airbus AS-350

Bell 206

Robinson R-66

小  計

タ-ビン単発機総数

94機

42期

5機

141機

175機

53.7%

24.0

2.9

80.6%

Air Taxi の利用候補の機材の性能は?

 

機 種

R-22   Beta II

R-44   Raven II

R-66

Bell   505

AS-350   B3

リスト価格

288,000

461,000

869.000

1,070,000

2,605,000

航続距離

386㎞

556

602

667

641

飛行速度

170㎞/時

215

232

232

226

乗客数

1人

3

4~5

4~5

4~6

登録機数

61機

98

5

0

94

 

価格は同じ機種でもバリエ-ションがある事に留意。リストプライスはIndication。

性能的に日本国内で利用するには特に問題は無い。

航続距離は関東一円で150㎞、多少圏外の移動に使われても200㎞程度。

Air Taxiも地上タクシ-同様㎞当りの運賃単価は高いので50~100㎞の短距離利用を想定。

飛行速度は通常の計算用には200㎞/時を利用する。R-22は使われても短距離で問題なし。

乗客を「乗り合い」にした場合、頭割りの運賃単価は乗客数に反比例して下がる。

 

低価格帯ヘリコプタ-の将来の生産予測は?

米国のコンサルタント会社3~4社からヘリコプタ-の販売10年予測が出されて居るが、その中Forecast International社の2012~2021年の10年間の生産予測を引用する。

 

機  種

R-22

R-44

R-66

AS-350

Bell 206B

生産予測 (2012~2021)累計

1,170機

3,982

1,735

2,257

155

2021年の生産機数予測

140機

500

165

269

15

2021年の生産シェア-

12.9%

45.9

15.2

24.7

1.4

 

この予測が発表された時点ではBell 505の企業化は発表されて居ない。米国Bellは2007年に206Bの生産を打切り、生産を継続したBell Canadaの予測値。Bell 505に対する市場の期待は高いが、この時点では実用機が市場に出ていないので予測は出せないが、既に日本よりの15機を含め300機強の仮受注を受けている。

Robinson R-22は価格が安く訓練機としての用途は残るが、Entry Levelの機材であり、実際の市場での利用はR-44,R-66にシフトして行くとの予測。然し、2012年のLight Helicopterの生産予測 (母数1,087機) シェア-の74%がRobinson機。Airbus AS-350を加えると98.7%の市場シェア-。実際にはBell 505がより大きなシェア-を占めると思われるが、研究熱心な日本の運航会社は将来を見越して確りと対応体制を整えている。

 

Air Taxiの具体的利用メリットは?

具体的には「金で時間を買う」行動。地上タクシ-でも時間節減が主目的。時間に間に合わないと言った折に、公共交通機関に較べ遥かに割高のタクシ-を利用する。悪天候でのタクシ-の利用は利便性、快適性を金で買う行為。Air Taxiは地上タクシ-より必ず割高と成るが、その分時間と利便性、快適性を金で買う事に成る。

1.ヘリコプタ-は「2点間を直線で結ぶ」。地上の様な迂回や蛇行のよる距離損失は無い。

2.信号待ち、交通渋滞による時間のロスがない。

3.地上車の走行速度を50㎞/時、ヘリコプタ-を200㎞/時と置けば1/4の移動時間で済む。

4.上記1~2項も勘案すると移動時間節減は5~6倍にも成り「金で時間を買う」事に成る。

5.米国ではAir Taxiの運賃負担能力は地上タクシ-料の1.5~2倍と言われている。

6.日本の地上タクシ-料を¥350/㎞と置けば¥350/㎞ x 1.5~2倍 = \525~700/㎞。

7.ヘリコプタ-の巡航速度200㎞/時と置けばチャ-タ-料は¥105,000~140,000/時。

8.米国では節減時間を人件費の節減額に換算、定量的な人件費節減効果を割り出す。

9.日本の大手企業も全ての間接費を配賦すると平均実質人件費は¥30~50,000/時/人。

10.Air Taxi利用者は年収8百万円超と置けば\8,000,000                         2000時/年 = \4,000/時/人。

11. 節減時間に自身の人件費を乗じ人件費換算が習慣化すれば「費用対効果」評価が出来る。

12.「空からの遊覧」と言った別次元のAir Taxiの利用を楽しむ方法も可能と成る。

13.巡航速度200㎢/時で25㎞の移動は8分、50㎞15分,羽田-都心8分、成田より20分。

14.3~5人の「乗り合い」にすれば頭割りのコストは乗客数に反比例する。

 

地上タクシ-料の1.52倍にAir Taxi料金を収められるか?

何事にも頭を使った工夫が必要。機材価格1機1億円前後の低価格帯ヘリコプタ-を「共同機構」で共同購入・所有、保守・修繕、運航の共同化、パイロット養成を含め集約化された枠組みでコストを合理化すれば可能。特にデマンドサイドの参画によりAir Taxiの年間稼働時間を高める事が最も重要。低価格帯ヘリコプタ-でも1機1億円。運賃コストに占める固定費コストが大きい。年間200時間利用で固定費は100時間の半分。300時間で1/3。ヘリコプタ-の採算分岐点は300時間/年の利用。日本は業界平均で150時/年。故にコストが高く付き、海外に比してヘリコプタ-の利用が進まない主因。航空業界では今は当たり前の所有・運行の統合・集約、アライアンス・コ-ドシェアリングによる機材の稼働率アップ等前例・範例は目前に幾らでも転っている。

 

オスプレ-等に見られるヘリコプタ-の安全性は信頼出来るか?

航空機の事故はマスコミが大きく報道するので、一般的には危険な乗物とのイメ-ジが強いが、地上交通機関の鉄道、バス、自動車に較べれば圧倒的に事故率は低く安全。日本とは比較に成らない程ヘリコプタ-が利用される米国での2014年のヘリコプタ-事故件数は36件、死者7人負傷者36人。同年の日本の交通事故件数573,465件、死者4,113人、負傷者709,989人。日本の民間ヘリコプタ-の事故発生件数は2013年3件、2014年1件、2015年2件。最も安全性が求められる天皇陛下、菅首相も東日本大震災の際にはヘリコプタ-で被災地訪問。米国は航空母艦を宮城沖に派遣、洋上からヘリコプタ-を飛ばし救援作業を行った。御嶽山の頂上の救出作業、孤立した災害地でのヘリコプタ-による人命救助等テレビ報道でお馴染み。現在ヘリコプタ-が最も求められて居る分野はEMS (緊急医療)、SAR (捜索と人命救助)、防災、防犯 (警察)、防火 (消防)、報道と言った危険性と背中合せのオペレ-ションだが、Air Taxiでの「共同機構」が作動して大幅なコストカットが可能と成ればこの種「準公用機」も「共同機構」の枠組みと「協働」すれば、地方自治体等の財政負担も軽減され様。

 

Air Taxiのオペレ-ションに信頼が寄せられるか?

 

日本のヘリコプタ-の運航は最大手2社、2~3ランク下の運航業者が数社、後は小規模な地域運航会社が大多数と言う分散化した業界。然も上位10社は「旅客の2点間輸送」は安い運賃の提供が条件故殆ど手を染めていない。Air Taxiの様に地上タクシ-の補完としてのオペレ-ションでは一般の利用者が「手の届く」運賃提供が不可避でその為には業界の集約した努力が必要。但し、コストの合理化には顧客を提供するデマンドサイドの参画が絶対に必要不可欠。その為にもAir Taxiオペレ-ションにはサプライ・デマンド両サイドの「協働」の参画が必要。サプライサイドは機材供給メ-カ-、代理店、保守・修繕を含めたアフタ-サ-ビスやインフラ提供業者、金融機関、保険会社等多様な企業の参画が求められるが、サプライサイド側は永年組織化されて居り、課題は組織化された業界団体の「発想の転換」による活性化と「協働体制」の導入。難しいのはデマンドサイドの組織化。然し、デマンドサイドも旅行代理店、観光業者、自治体、「地方創生」「観光立国」に関連する諸団体や最大の利用固定顧客を供する経財界諸団体等既存の組織化された利用者グル-プを利用・参画させれば良い。それには多種、多様な企業・個人参画による「共同機構」が必要。但しオペレ-ションに必要な機材はリ-スファイナンスで賄えば限られた資金調達で済むので、寧ろゴルフ会員の様なクラブ会員制とし、参画に必要な費用はゴルフ会員費程度に抑え、出来るだけ広汎な参画を求める。これにより、同時にオペレ-ションに必要な「信用力の創出」も担保される。

 

信用力の創出

 

1.Air Taxiの利用者のAffordableな運賃提供や安全性には「信用力の創出」 が不可欠。

2.Affordableな運賃提供を行うには「共同機構」による機材のリ-スファイナンスが前提。

3. リ-スは航空業界では「当り前」の商慣行だが対象は信用不安の無い大手航空会社。

5. 1機1億円の低価格帯ヘリを150~200機購入しても150~200億円の商用機1機の価格。

6. 然し1機30万㌦の機材でもリ-スファイナンスが供与可能なヘリ運航会社は数少ない。

7. 大多数のヘリ運航業者はリ-スファイナンスを受けられるだけの信用力を持たない。

8. 「共同所有」では「共同機構」が機材を纏めて購入、リ-ス会社からリ-スバックする。

9.これを「共同機構」が中小運航会社にサブリ-スして信用力不足を補完する仕組み。

10.中小運航会社は資金調達の軛から解放、月額のリ-ス料支払は運賃収入でカバ-可能。

11.逆にリ-スファイナンス提供側は相手が「共同機構」なので信用面での不安はない。

12.機材コスト等固定費の単位当りの負担は機材の稼働時間に反比例して逓減する。

13.これによる運賃の低減が、利用者誘致の更なるインセンチブとして作用する。

14. 他の重要な配慮事項は利用者側は「共有機構」による安全性の担保を期待する。

15.「共有機構」が機材をサブリ-スする際運航業者の安全管理体制を見極めるのが前提。

16.航空機の安全性には工業製品のISOに相当する国際標準のIS-BACが存在する。

17.IS-BACは国際ビジネス航空評議会が認定、日本でも認定された運航会社は現存する。

18.「共同機構」がIS-BAC認知を受け機材をサブリ-スする際安全規制順守を義務付ける。

19. 「安全性」確保の為機材の保守・修繕のアフタ-サ-ビスも担保されなければならない。

20.機材供給メ-カ-、そのアフタ₋サ₋ビス供与関連業者も「共同機構」に参画すれば良い。

21.機材供給メ₋カ⁻は過去2~3年アフタ⁻サ⁻ビス体制を充実Win-Winの関係が成立する。

22.利用企業も参画、安全性、経営面での寄与とコ-ポレ-トガバナンスも担保出来る。

 

 

 

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