2016年02月03日(水)03時21分

(16-02) 2015暦年のAirbus/Boeing社の受注・受渡実績

 

 

商用機の世界での生産。販売はEU Airbus社、米国のBoeing社の2大寡占メ-カ-が牛耳っているので両社の市場シェア-争いは野次馬的要素を含め毎年大きな関心が寄せられる。例年1月中旬頃には集計結果が発表されるので、2015年暦年の集計結果を記載する。無論、2社以外にリ-ジョナルに利用される中型機はカナダのBombardier社ブラジルのEmbraer社等複数社が存在、更に最近はロシア、中国これに三菱重工も市場参入を狙っている。但し、遠距離飛行の大型機の生産はAirbus,Boeingが寡占的地位は変わらないがBoeing 787は機材の1/3位を日本メ-カ-が供給、Boeing 777-Xには開発段階より日本メ-カ-も深く関っている。更に、一般には知られないが、部品メ-カ-の中には世界シェア-50%以上を抑える日本の優良企業も数多く、グロ-バル時代「日の丸飛行機」とかBoeing 787は「純国産機」等とラベルを張るのは「時代錯誤」。Boeing 787は日本がラウンチカストマ-ではあるが、787の「8」は中国で「8の字」がラッキ-ナンバ-故に中国市場も意識して付けられた経緯もある。グロ-バル時代、世界市場は一つ、「空に国境なし」。国際協調の「協働」で世界の航空機産業が成り立って居り、一主権国家の優劣を云々する事は時代の潮流には既に馴染まなく成っている。

 

2015暦年度受注・受渡実績

                         成  約               受  渡

Single   Aisle

Widebody

Very   Large

Single   Aisle

Widebody

Very   Large

Airbus

A-320

A-330

A-350

A-380

897

897

137

140

-3

2

2

491

491

117

103

14

27

27

Boeing

737

787

777

767

747-8

588

588

178

71

58

49

2

2

495

495

249

135

98

16

18

18

Total

1,485

315

4

986

366

45

1.成約ではAirbus1,036機、Boeing 768機、受渡ではAirbus635機、Boeing 762機。

2.中国、ロシア、ブラジルの景気減速、石油価格の崩落の影響等の不透明感の中で健闘。

3.Airbusの受注残は6,787機と10年分の生産量でA320neo等の増産体制に着手する。

4.Airbusの成約は手付金払いの成約。「バブルではない」ときっぱりと疑念に反論。

5. Airbus は成約でBoeingを上廻ったが、受渡では逆にBoeingがリ-ド。

6.Boeingの2015年の成約は歴史的記録の2014年1,432機の半分だが受注残は5,795機。

7.成約額1,124億㌦は前年2,327億㌦より落ちたがBoeing社は “Solid Year”と胸を張った。

8.AirbusはA320の737MAXへの優位性確立で2020年迄に年産60~63機の増産を検討中。

9.Airbus A-380の販売は期待外れに終わっているがANAの新規発注が話題と成った。

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