2013年02月08日(金)06時16分

世界2位の航空機リ-ス企業の中国資本による買収

グロ-バルな経済低迷の暗い話題が日本で聞かれる今日、経済成長の鈍化や政治的な破綻も取沙汰される中国は、依然強気で将来への布石を打ち続けて居る。今後の成長が見込まれる航空業界の対応に必要な航空機の新規購入、買替え資金需要に応える航空機のリ-ス事業も拡大基調が見込まれる。利に敏い中国資本、特に航空需要の急成長が期待されるアジア・大洋州地域の中心に位置する中国がこれを看過する筈は無く、昨年12月、リ-マンショックの深手より懸命に回復を図るAIGより、中国ファンドが世界第2位の航空機リ-ス供与企業ILFC (International Lease Finance)の80.1%の株式を取得、更に2社が9.9%を引き受け実質中国(China Inc.)が90% の株主と成ると発表した。AIGは10%株主としては残る。中国資本は中国の信託・保険・リ-ス会社等の共同投資ファンド。80年代半ば、日本資本による米国での買収劇の高まりで”Japan Inc” “The Seiho” “The Sonpo”の脅威がワシントンを震撼とさせた当時を彷彿とさせる。無論、航空機リ-ス事業の将来性に着目した投資である事は間違いないが、米国業界は各種リ-ス事業の急成長が見込まれる中国・アジア市場でのリ-ス事業のノウハウを此処で一気に取得するのが最大の狙いと見ている。2012年の航空機リ-スのトップ4位の企業は下記。

 

リ-ス企業

リ-ス対象機数

金額 (百万㌦)

GECAS

1,742

34,096

ILFC

1,033

26,123

BRAM

332

8,622

AetCap

297

7,707

           2013年市場別航空機受渡金額予想  (単位10億㌦) 

アジア・大洋州

欧州

北米

中東

中南米

アフリカ

その他

45.3

20.1

14.7

10.1

5.7

2.1

0.8

 

2013年には、世界に航空機の受渡しの半数近くがアジア・大洋州地域に集中し、然もこの傾向はここ暫くは続くと予想される。更に航空機に限らず、種々の分野で今後リ-ス事業は大きく伸びると予測されるので、リ-ス事業機会が奈辺に在るのか、その為のグロ-バルな人脈構築、具体的な”How To”のノウハウ習得、人材の育成や利用方法等短期間で吸収するのであれば悪い投資では無い。特に、中国はアジア全域で華僑が深く地域経済に密着して居るので、日本人以上に利用機会が多い。

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