2013年10月29日(火)08時33分
中国資本によるMooney社の買収
MAC (Mooney Aviation Company, Inc.はテキサス州Kerrvilleに本拠を置く単発ピストン機のメ-カ-で1929年創業の老舗だが、日本でも使われている、M20シリ―ズは1955年に生産を開始、改良型の機材は今日でも生産が続いている。日本との馴染みも深く、1965年には三菱重工の販売代理店と成り、1967年にはMooney-Mitsubishi Aircraft Incを設立 MU-2の米国での生産・販売を開始したが、1969年経営が破綻,爾来何回も破産に追い込まれ転々とオ-ナ-は変ったが、単発ピストン機は生産を一時中断させたり、再開したりで今日迄生き残って来た。流石にリ-マンショックの影響で2008年に生産を中止したが、2013年10月8日、カリフォルニアの中国系のSoaring America Corporationに買収された事が発表された。社長には台湾系のCheng Yuan (Jerry Chen) が就任したが、Chenは中国の不動産業者で構成される投資会社Meijing Groupも率いて居る。買収価格は公表されていないが、Mooney社は解雇した従業員を呼び戻し生産体制再構築の作業に取り懸り始めた。Chen社長は生産拠点はKerrvilleで維持する事、当面は同社のOvationと Acclaimの生産に集中し、中国市場への供給を行うとコメントしている。その一方、業界には低価格帯の小型新鋭機が次々に市場に投入される中で、古い機材がどの程度市場で受け入れられるか疑問視する声もある。
本件は最近本サイトでも公開された(30)中国のビジネス機事情のレポ-トでも記載した中国のビジネス機事業全般に示されている意欲の一環だが(併せ読んで戴くと全体像が把握できる)、「特権階層」が買い捲る上位機種とは異る、低価格帯の機材にも手を延して居る事に注目したい。日本の場合、Mooney社の機材は昔より何機か使われて来たが、寧ろ今後2~3年市場に投入される他社の低価格帯新鋭機の海外市場での評価を見守る必要があろう。
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