2014年03月04日(火)12時41分

(14-07) Heli-Expo 2014

14-07Heli-Expo 2014

(於Anaheim, California 2月24~27日)

 

Heli-ExpoはAHI (Amerian Helicopter International) が主催するヘリコプタ-関連の世界最大の集まりで各種セミナ-、機材の展示会に加え、業界動向、新鋭機の発表、情報交換、商談等が活発に行われる。ビジネス機関連最大のこの種のコンベンションは秋口に開催されるNBAA (National Business Aviation Association) とGAMA (General Aviation Manufacturers Association) 協賛のBACE (Business Aviation Conference & Exhibition)と夏にスイスで開催されるEBACE (European Business Aviation Conference & Exhibition) 等でBACEの参加者は約25,000人、EBACEはその半分の12,500人、Heli-Expo は20,000人とその中間。900社程度が展示・出品する。Heli-Expoは軍用機、商用機、個人所有機等全てを包含して居り、BACE, EBACEの様にビジネス機に特化したものではないが、回転翼機も民間の営利事業に使用されるのであれば、れっきとしたビジネス機。 回転翼機はBACE, EBACEでも多少は取り上げられるが、寧ろHeli-Expoが中心。Paris, Singapore, Dubaiの3大エアショ-は高額な軍用機、大型商用機が中心。BACE, EBACE,ABACE(アジア)では日本の民間では使われない高額なMid~Heavy Jetの商談、展示が中心と成るので、日本で利用される低価格帯機材の「広義のビジネス機」は添え物程度。その点、日本は「広義のビジネス機」の半数以上を占めるヘリコプ-タ-のコンベンションにより注目すべきであろう。

 

GAMA2013年ジェネアビ機受渡実績レポ-ト

 

GAMA (米国ジェネアビ機製造業者協会)、NBAA(米国ビジネス機協会)、HAI(国際ヘリコプタ-協会)は米国の代表的なビジネス機関連業界団体だが、GAMAはビジネス機生産者の集まりでサプライサイドの川上団体、NBAAは利用者による川下のデマンドサイド、そしてHAIは回転翼機と言うジェネアビ機の一分野に特化しているが、相互に連携を保ち「協働」でビジネス機の普及に邁進している。数多のビジネス機関連業界団体が日本にも存在するが、米国の様に強固な横の連携体制が確立して居らず、此処が日本の致命的欠陥。GAMAのレポ-トはHeli-Expo 2014 を意識したタイミングで発表されている。2013年は前年比で業績の回復は読み取れるが、リ-マンショック以前に比すれば未だ未だの水準。2013年のジェネアビ機総合計の2,256機は2008年時の約4,000機/年の56%強、ピストン機の933機はピ-クの2006年の2,700機の1/3で5年連続1,000機の大台を割っている。ビジネスジェット機は678機と2008年の1,313機の52%とはかばかしくない。

 

機 種

2013

2012

対前年比

ピストン機

933機

908機

+2.7%

タ-ボプロップ機

645

584

+10.4

ビジネスジェット機

678

672

+0.9

固定翼機合計

2,256

2,164

+4.3%

ピストン回転翼機

335

328

+2.1

タ-ビン回転翼機

782

716

+9.2

回転翼機合計

1,117

1,044

+7.0

総  計

3,373

3,208

+5.1

今後5年間の回転翼機の購入予測

(Honeywell社レポ-ト)

(1)2008~2912年の購入実績は4,300機。2013~2017年購入予測は4,900~5,600機.

(2)2013~2017年の5年間の予測では9~20%の増加。

(3)5年間の地域別購入シェア-予測は中南米34%、アジア32%、欧州29%、アフリカ27%、北米15%。

(4)Light Single 47%, Light Twin/Medium Twin夫々 25%, Heavy Multi-Engine 4%.

(5)企業利用38%、一般利用22%、救急医療19%、警察15%、石油/ガス9%、報道1%。

 

中古回転翼機市場

 

世界経済の低迷が続く中で中古回転翼機の市場も冴えず、この種の調査機関の大手JETNETは中古機販売は全年比タ-ビン機で11.8%、ピストン機で13.5%減少と報じた。又、製造メ-カ-もSikorsky以外は軒並み前年比減に悩まされた。

JETNET資料

2013年度

2012年度

前年比

ピストン機

販売待ち日

897機

329日

1,037

352

-13.5%

タ-ビン機

販売待ち日

1,224機

414日

1,388

432

-11.8%

 

タ-ビン中古機販売       JETNET資料

 

2013年度

2012年度

前年比

Airbus Helicopter

498

583

-14.6%

Bell

462

537

-14.0

Agusta-Westland  

84

70

+20.0

Sikorsky

69

74

-6.8

MD

54

73

-26.0

 

Bell 505 Jet Ranger X  SLS (Short, Light, Single)

 

1935年創業したBell社は80年近い歴史を誇る回転翼機メ-カ-の老舗。創業以来35,000機のヘリコプタ-を世に送り出し、日本でも現在多くの機材が利用されている。低価格帯のBell 206シリ-ズは日本でも人気が有ったが、新興のRobinson社がR-66を$839,000で発売、対抗出来ず 2007年に生産を打ち切った。業界の老舗の面目に掛けても対抗機の出現が期待され、昨年のパリ-のエアショ-で始めて後継機Bell SLSの生産を行うと発表、具体的な性能はその後対抗機のRobinson R-66, Airbus Helicopter EC-12/130に拮抗するものである事は分かったが、最も気に成る価格に就いては今回も、価格はR-66と競合し得る価格と言うに留まったが1百万㌦前後と見られている。Bell社Garrison CEOも如何に顧客が価格に鋭敏に反応するか(Price Sensitive)に言及した。生産・出荷開始は2015年、日本では機材入荷を待ち型式証明を取り、市場に出回り始めるのは2017年頃に成ろう。未だ生産も行われて居らず、試験飛行のデ-タ-も無いので性能評価は出来ないが、回転翼機の老舗が世界最大の回転翼機メ-カ-Eurocopter  (本年1月よりAirbus Helicopterに改組・改名) と新興企業として急速に市場シェア-を伸ばしているRobinson社と三つ巴の1機1億円を挟む攻防戦に名乗りを挙げた事は、日本でも注目すべき展開。更に、Bell SLSは “Bell 505 Jet Ranger X” と命名され会場にモデル機が展示され華やかなデビュ-を果したが、既に予約注文も取り始めた。尚、Robinson社も会期中、中国進出を強調したが、中国の2013年末回転翼機保有数465機のメ-カ-別シェア-はAsian Sky Groupの最新レポ-トでは、Airbus Helicopter 121機(26%)、Robinson 102 機(22%)、Bell 74機(9%)と3社で57%のシェア-を抑えている。Airbus Helicopterは2013年末中国側との合弁によるハルピンでのEC-120の生産を開始して居り(150機の確定注文受注済み)、又日本でも知られるEnstrom社は既に中国に買収され、本年より中国仕様の機材が米国より供給される。中国の回転翼機の年間需要伸び率は30%強と予測され、日本を追い抜くのは時間の問題と成って来た。

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