2014年07月19日(土)09時46分

(14-20) Farnborough International エアショ-

(14-20) Farnborough Internationalエアショ-

(7月14~19日 於英国ロンドン郊外Farnborough空港)

FarnboroughはParisのエアショ-と並び欧州で最大のエアショ-。奇数年はParis、偶数年はロンドンの西南48㎞にあるFarnborough空港で1948年以来開催されているが、月曜より金曜迄の5日間は業界の商談、セミナ-に費され土曜、日曜の2日間一般公開される。前回2012年の業界参加者は109,000人、一般訪問客は100,000人計209,000人だった。ビジネス機の最大の祭典のBACE (NBAA Convention) で参加者25,000人EBACE (欧州版)ではその半分の12,500人程度なので規模の大きさが分かろう。但し、軍用機、商用機、ビジネス機等全ての航空機が関係する。本年は1,500の出展企業と17ヶ国のパビリオンが軒を連ねる。歴史上1970年のコンコルド出展、前回2012年はAirbus A-380, Boeing 787がお目見得する等多くの話題を提供して来た。2012年の成約は主催側発表で758機、720億㌦(7.2兆円)。Farnboroughエアショ-に先立ち5月20~25~日開催のBerlinエアショ-の参加者は227,000人、その内業界関係者は120,000人と報じられた。

軍用機は航空機の花形。日本でも航空機総機数4,000機の半数以上が自衛隊機で値も張るので契約金額としては大きく、国防上最新鋭の機種に注目が集まる。次は商用機で、纏め買いで大きなディスカウントが得られるので結果として大型商談が成立話題と成る。ビジネス機も無論出展、成約するが機材の価格も軍用機、商用機とは比較に成らないので、寧ろABACE, EBACE, BACEと言ったビジネス機に特化した業界イベントで取り上げられる。従って、今回もビジネス機関連の大型商談は報じられず、商用機部門の大型成約の項目のみを列挙するに留める。当然の事乍ら、エアショ-で突如商談が成立する訳では無く、事前に成約して居ても、業界の大きな会合で発表、広報効果を狙うが、今回も世界53ヶ国のマスメデイアが参加、ショ-の模様はリアルタイムで全世界に放映された。会場では、時間的、物理的制約で一つのイベントにしか参加出来ないが、放映は異ったイベントを同時並行的に放映するので、昔に較べその広報効果も比較に成らない程大きい。敢て今回のショ-の特色を総括すれば、大型商用機商談は昨秋のドバイエアショ-をピ-クに一段落したが、今回は中規模のリ-ジョナルジェット機が地域空港への「2点間輸送」の手段として、又成長著しいLCC向けに商戦の目玉として注目された。

主たる商用機の成約発表

 

1.中東勢は依然健在。QatarはAirbus A-350のロ-ンチカストマ-としての地位を誇示。

2.同時にA-380,A-320,Boeing 787-8機等をディスプレ-し斯界での存在感を示した。

3.ハイライトはBoeingの777X  100機の発注。成約額は400億㌦(4兆円)。

4. リ-ス会社のFalkoがBombardier社が開発中のCSeries 24機購入の覚書を交した。

5. 上記CSeriseに対抗、ブラジルEmbraer社のE2は米国の某社より100機仮受注した。

6. 最新鋭ビジネス機Citation X+が欧州にお目見得した。米国の型式証明は先月取得済。

7. アジア勢も負けては居らず海南航空がBoeing 737 Max 8を50機発注。成約額51億㌦。

8. リ-ス会社のHong Kong Aviation CapitalがA-320 neo 70機を購入。

9. LCCのエアアジアXがA-330neoのロ-ンチカストマ-として50機購入の覚書を交した。

10.日本勢は既にJAL,ANA共Boeing,Airbusの複数購買を決定済だが米欧2社競争は激化。

一言注釈を付すと、成約金額は発表された機数にメ-カ-のリストプライスを乗じたものだが、実際の購入価格はリストプライスより大幅にディスカウントされるので実成約額は発表数値より遥かに低い。又成約機数も「確定注文」と将来の購入オプションに分かれ、大概オプション分は別に表示されるが、曖昧なケ-スもある。覚書のL/I (Letter of Intent) は飽く迄意思表示で法的拘束力は弱い。ショ-故に雰囲気を盛上げる「道具」の面もある。

三菱重工のリ-ジョナルジェット機MRJ

日本関係で注目されたのが三菱重工の最近の積極的な広報活動。本来今頃は受渡し開始の予定だったがデザイン変更や許認可取得の遅れで2年以上の遅れが生じた。他社に先んじての出荷メリットは大幅に減り、顧客の中には待ち切れず、競合他社に発注をする先も出た。顧客の懸念を払拭する為、完成時期を2015年第2四半期、ロ-ンチカストマ-のANAへの処女機の受渡しは2017年夏と明確化し、最近は主力エンジンの到着、主翼への取付け等作業の進捗状況を逐一写真と共に対外発表。その広報活動の成果か、今回ミヤンマ-のマンダレ-航空から6機、米国イ-スタン航空から20機の受注を果たした。

三菱重工はANAよりの受注を機に2008年3月事業化に踏み切ったが、Farnboroughエアショ-での新規受注を含め191機の確定注文(SkyWest 100, Trns-States 50, Eastern 20, ANA 15,マンダレ- 6)と184機のオプション契約を持って居ると伝えられる。昨年パリ-エアショ-ではEmbraer社が新鋭機E2を発表、既に200機を受注している。

MRJの開発が遅れる中、従来の先行企業カナダBombardier社、ブラジルのEmbraer社に加え、ロシアのスホ-イス-パ-ジェット100 (SSJ-100)と 中国COMACの ARJ 21等の市場への参入が予定され、国際市場も激戦期の幕開けと成り、本年のFarnboroughエアショ-で早くも鍔競り合いが始まった。尚Farnborough空港はロンドンのビジネス機の主要利用空港で(玄関口ヒ-スロ-空港は混み合うのでビジネス機は避ける)、ロンドン金融街シティ-のテ-ムズ河沿いのシティ-空港迄Air Taxiで15分。日本は海外飛行用ビジネス機は海外機が大半で茨城、横田をビジネス機空港としヘリのAir Taxiを提供すれば済む。

尚この種エアショ-の次の開催はEAA Airventure 2014で7月28日~8月3日。開催地はウィスコンシン州Oshkoshで10~15,000機の航空機と300~500,000人の参加者を予定。

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