2014年11月01日(土)09時21分

(14-26) NBAA Convention 2014

(14-26)  NBAA Convention 2014

(10月21~23日 於米国フロリダ州オ-ランド)

ビジネス機関連のConventionとしては世界最大の規模でNBAA (全米ビジネス航空協会)の年次総会に併せて GAMA (General Aviation Manufacturers Association)との協賛で開催される。GAMAは機材のディスプレ-や会員の部品メ-カ-のブ-ス出店等を担う。NBAAは世界に8,000人以上の会員を擁し、業界の国際交流の場として各種の講演会、セミナ-、会食の機会を提供し、ビジネス機に関連する要人が一堂に会する。日本もJBAA (日本ビジネス航空協会) が発足した1996年より欠かさず複数の参加者を派遣し、同時に開催される世界15ヶ国のビジネス機協会の団体であるIBACの理事会にも代表が出席している。JBAAもNBAAの会員であり、NBAAはJBAA会員と言う相互乗り入れに成っている。但し、米国ではNBAAの正会員はジェネアビ機のオ-ナ-即ちデマンドサイドの利用者で有り、ジェネアビ機の機材・部品メ-カ-はGAMAに属し、NBAAの会員にも成れるが賛助会員に留まる。逆にJBAAは米国のビジネス機メ-カ-の要請で日本に於ける代理店の総合商社の航空機部門が中核と成り結成された経緯もあり、実質的にはGAMAに近いサプラ-サイドの協会でデマンドサイドの利用者グル-プが不在の為市場・顧客の参画がなく、官民挙げての努力に関わらず、設立後19年を経た今日でも見るべき成果は得られていない。本サイトも「原点に戻り」利用者・顧客・市場の参画により「市場原理」、が働く仕組みを提言すべく開設された。

本論に戻り、本年度は1,100社が出展、100機の展示が行われた。参加者は全米の49州、世界95カ国より26,000人の参加者が有った。リ-マンショック以前の最盛期30,000人を超える参加者も有ったが、最近は25,000人程度で推移 本年は持ち直しの傾向を見せている。ビジネス機業界では春にスイスのジュネ-ブで開催されるEBAA (欧州ビジネス航空協会)の年次総会に合せたEBACE (European Business Aviation Conference & Exhibition) は参加者が半分の12,000人、最近最も成長著しいABACE (Asian Business Aviation Conference & Exhibition) は中国のAsBAA (Asian Business Aviation Association-当初は日本も発起国としてアジア15ヶ国が参加して設立されたが纏まりが付かず突出して成長した中国のビジネス航空協会に衣替えした) とNBAAの協賛で本年度4月上海での会合の参加者は7~8,000人でこれが今やビジネス機業界の世界3大イベント。ジェネアビ業界の集まりで一番大きいEAAの参加者は500,000人以上と言われ、パリ-/ファ-ンボロ-のエアショ-は200,000人だが、ドバイ、シンガポ-ル(参加者45,000人)の世界3大エアショ-は軍用機、商用機が主役でジェネアビ機も含まれるが、ジェネアビ機は添え物程度。日本で今後企業マンの「移動の足」として利用される可能性が残るヘリコプタ-はビジネス機関連のショ-とは別にHeli-Expo  (本年はAnaheim, Californiaで参加者は20,000人) やモスコ-(本年ウクライナ問題で欧米はボイコット) 等18のショ-が開催される。

本年度のビジネス機業界の最大の課題は、リ-マンショック以降の市場の2極化、特に富裕層向けの高級機種の順当な伸びと対照的に一般利用者用の中/低価格帯機材の販売低迷。これが各国ビジネス航空協会の最も懼れるビジネス機は「金持ちの道楽」の中傷を抑えて来た火種を煽り、貧富の格差を問題視する民主党のオバマ大統領があからさまにビジネス機利用を敵視して居る事。NBAAは本年夏、低価格帯新鋭小型機をパンフレットにして配賦した他、Advocacy (業界の立場擁護)の為新たに担当役員を雇い、Conventionのメデイア朝食会で企業CEO 10人からビジネス機利用の効用に就き体験談を披露させた。業界として最も憂慮すべき事態では有るが、日本では民間に20億円以上の中/高級機材は1機も無く、四半世紀前から利用されて来たビジネス機は低価格帯の0.3~2.5億円の海外から見れば低価格帯に集中して居るので幸い嵐の圏外。

最も関心の高かったセミナ-は「無人機」。他の航空ショ-でもそうだが、アフガニスタン、最近はイラク、シリアで米軍が無人機で爆撃を繰り返しているが、軍事用技術が民間に移転される期待がある。日本でも薬剤の空中散布を無人機で行うが、これはラジコンに毛が生えた程度だが、広大な農園の播種、薬剤散布、生育状況監視等にジェネアビが多く使われて居るので市場の期待も高い。航空機産業は軍事用に開発された技術(国防の為技術研究開発に国家予算が潤沢に投入される)が一定期間を経て民間に技術移転される歴史の繰り返しである。ビジネス機産業も第二次大戦終結後の退役空軍パイロットの失業救済と言う側面もあり、現在も空軍の退役パイロットが安い報酬でビジネス機パイロットとして活躍している。空軍パイロットは国防費で養成され、実戦で貴重な飛行体験を積んで来た利点がある。(東日本大震災の時の村井宮城県知事は元自衛隊のヘリパイロット)

NBAA Conventionへの参加は貴重な体験では有るが、話題と成る新鋭の高級機種は日本で利用される事は無く、寧ろビジネス機としてはHeli-Expoやモスコ-でのヘリコプタ-ショ-の方が実際に利用価値が有ると思われる。それ以上にこれらのショ-には日本からは機材メ-カ-や機材の輸入業者と言ったサプライサイドの参加者が圧倒的で、デマンドサイドの参加者は殆ど無く、情報が偏り勝ちに成る。低価格帯機材の利用コストのセミナ-等もあるが、その様な貴重な情報が持ち返えられ伝わる事は無い。NBAAはビジネス機の利用者団体と言うデマンドサイドの会合で有ると言う最も重要なポイントが看過されている。それ以前の問題としてあらゆる情報がオ-プンにされて居るが、日本からの参加者は貴重な情報を自らの既得権と囲い込み開示しない。これらの情報を開示し、相互啓発、切磋琢磨する事で業界の発展に資すると言う最も基本的且つ肝心なポイントが修得されなければ、この種Conventionやエアショ-への参加価値は半減する。「与えよさらば与えられん」と言う広い心無くして日本のビジネス機市場の発展は無く、既に日本は欧米はおろかアジア・太平洋圏でも最後発国に成りつつある。本サイト自身も、世界で開示されている貴重な情報を関係者と共有する事でビジネス機による企業マンを含めた「旅客の2点間輸送」の発展に繋げる事を目的としている。

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