2015年01月08日(木)02時11分

(15-01) 2015年度の本サイトの目標

新年明けましてお目出度う御座います。

本サイト開設後2年が経過した。
2013年度はビジネス機に関する総論、概論、一般論を中心に30本強のレポ-トを掲載。業界関係者間では周知の内容だが、一般の読者にビジネス機に関する基礎知識を提供する事と、元々ビジネス機に関する法的な定義が無く、慣習的に様々な使われ方がされている為、業界関係者の間でも混乱や誤解を招いて居る問題点を整理をする必要が有った。

2014年度は、過去20年近いビジネス機の普及の努力が何故一般に定着しなかったのか、そもそも日本にビジネス機が存在しないのか、存在するならこれの一般利用・普及を阻んでいる要因が何であるか、これを乗り越えるには何をすれば良いのかと言う課題の絞り込みを行った。
2015年度は具体的な解決策の「提言」により解決策の煮詰めとこれのバックアップ資料の整備、そして「提言書」の作成、関係者への配布と教宣により具体的な成果に結び付ける事が目的。2013年度は「問題点の発掘と整理」、2014年度は「問題点の絞り込み」、そして2015年度は具体的な「提言の取り纏め」と「アクションプランの実行」の段階に入る。
従って2015年度は「アクションプランの煮詰め」のプロセスの経過説明と「実行プランの開示」による有志者の参画が中心テ-マ。
下記に過去の絞り込みの結果と今後の方向付けの素案を参考の為総括記載した。

ビジネス機の定義

1.国際的な統一的定義はなく仕分けの境界線の曖昧さは避け難い事を先ず認識する。

2.軍用・公用機、商用機、コミュ-タ-機をビジネス機より除外する事は確立したル-ル

3.更に民間の所有機でも「航空機愛好家」がレジャ-として利用するものは除外される。

4.日本では海外で有ればビジネス機が利用される場でもコミュ-タ

機が運航している。

5.従って、低価格帯の小型機材でも「旅客の2点間輸送」には殆ど利用される事はない。

6.国交省、日本ビジネス航空協会は民間所有ビジネ機の数%しか統計の対象としない。

7統計に集計される機材はビジネス目的に利用されるジェット機、双発タ-ボ機に限定。

8.ビジネスジェット機や双発タ-ボ機の運賃は商用機の50~100

で一般は利用出来無い

9.企業マンの足としての「旅客の2点間輸送」と言う所期の目標は時と共に見失われた。

10.全事連の集計でも「旅客の2点間輸送」は小型固定翼機、回転翼機でも殆ど無い。

11.低価格帯回転翼機の大きな部分を占めるピストン式回転翼機は全事連の公表統計枠外

12 .更に、民間の所有機の大半は全事連会員以外が所有、その実績も公表統計枠外。

13. 全事連の「旅客2点間輸送」2013年度実績は小型固定翼機3時間回転翼機10時間。

14.これでは、日本のビジネス機の「旅客2点間輸送」の利用実績は事実上無きに等しい。

15即ち日本のビジネス機の主体の小型機、回転翼機は「ニ流市民」として公表統計枠外。

16.結論は民間の所有するビジネス機の「旅客2点間輸送」の有効な統計は存在しない。

17.政策判断の指針と成る統計不在の「盲飛行」では成果に繋がる効果は期待し得ない。

18。”One Cannot Manage, What One Cannot Measure” の鉄則通りの結果。

18.「官・民」の協力,民間関係各業界団体の水平的「協働」による事態改善の努力が喫緊。

ビジネス機の統計

1.世界のビジネス機統計も極めてラフである事も充分に念頭に置く必要が有る。

2.小型機を含めた世界のビジネス機の集計上の「誤差範囲」は10,000機以上と大きい。

3.「権威ある」国際機関、調査機関、業界誌の公表数値でさえこれが実情。

4.各国の主要ビジネス機製造メ-カ

の出荷実績と各国の登録実績は大きく喰い違う。

5.上位機種は高額な為、資産隠し、節税対策を目的に所有者は意図的に不透明にする。

6.小型機、回転翼機の場合は、数もあるが所有者も個人が多くそもそも実態把握は難しい。

7.過去数年、小型固定翼機、回転翼機のデ-タ-ベ-ス整備は進んだが未だ理想と程遠い。

8.日本企業が海外出張にビジネス機を使う事はコスト格差が大きく先ず考えられない。

9.海外ではそれなりに利用するが、現地企業名での登録が多く実態把握は実質上不可能。

10.日本企業或いは関連企業の海外での利用は圧倒的に運行会社よりのチャ-タ-。

11.従って運航委託、チャ-タ-は運航会社名が出ても日本企業名は表面に現れない。

12.世界の「権威ある」統計とはこの程度との認識に立ち数字に振り回されない事が肝要。

日本のビジネス機のグロ-バルな位置付け

1. 上記の限界を弁えた上で、主権国家登録別の統計をJETNET社の統計で見る。

2.広義のビジネス機83,641機は民間機360,000機の約1/423.2%

3.アジア・オセアニアは7,872機と全体の約10%。日本は838機とその10.8%

4.日本の「広義のビジネス機」の世界シェア-は約1%

5.ジェット機、タ-ボ機の「狭義のビジネス機」は39,764機、日本は60機と0.15%

6.別の推測だがアジアの「狭義のビジネス機」は1,200~1,500機。日本の60機は4~5%

7.但し、この僅かな機材もビジネスマンの「2点間移動の足」として利用される事はない。

8.世界シェア-は脇に置き日本の小型ピストン機は273機、回転翼機505機 計838機。

9.全事連の「旅客の2点間輸送」実績は小型機3時間/年、回転翼機10時間/年と問題外。

10.日本のシェア-は世界的にも微々たるものだが「旅客の2点間輸送」は無きに等しい。

11.この厳しい現実を「事実が語っている」事に真っ向から真摯に向き合わねば成らない。

12.利用されぬ事由は単純。国策による「大量輸送」方式の商用機の運賃は格断に安い為。

13.「大量輸送」による競合交通手段の選択肢が豊富の中でタクシ-の補完が残された道。

14.日本には日本の土壌に馴染む方式が有り下段で敷衍説明する。

15.国情の違う他国と機種や機数の多寡を単純比較し一喜一憂する事は意味が無い。

日本の土壌に馴染むビジネス機の活用法の構築

1.日本は大陸国が望めない高度に発達した交通網を国土の隅々迄張り巡らしている。

2.経済合理性が乏しい地方空港や離島迄地域の補助金でコミュ-タ-機が運航している。

3.戦後の復興期空運は国策で「大量輸送」による利用運賃の低コスト化を目指した。

5.その後「空の自由化」で国際競争が激化利用運賃の低減化に一層の拍車が懸った。

6.航空会社は生き残りを賭けて集約、アライアンスで利用者の便宜性は飛躍的に向上。

7.商用機とビジネス機の運賃格差は50~100倍と開きビジネス機は利用される事は無い。

8.利用運賃額は単価に距離を乗じたもので中/遠距離飛行では格差は拡がる一方。

9.企業の利用は海外で交通の便が悪く、然も運賃も日本の1/3~1/7の場合に限定される。

10.日本国内でも商用機、コミュ-タ-機との運賃格差は50~100倍。

11.国内の航空機/鉄道採算分岐点は700㎞。運賃格差を乗ずればビジネス機利用は無理。

12.唯一競合と言うより補完可能なのは地上タクシ-で運賃単価は\330/㎞。

13.米国では時間短縮、便宜性よりAir Taxiの運賃負担能力は地上タクシ-の1.5~2倍。

14.ビジネス機の基本コンセプトは「時間を金で買う」事で有る事を想い起すべき。

15.\330/㎞x 1.5~2倍=\500~750/㎞或いは\100~150,000/時。

16.この程度の水準に近付ける可能性はほの見えて来た。

17.これを短距離(2550㎞)短時間(8~15分)利用し運賃の総額を抑える。

18.機材の所有・運航を集約、航空機アライアンスの如くコスト、便宜性の向上を図る。

今後の日本の在り方

1.日本の企業マン或いは一般の「2点間移動」の足としての目的の「原点に立ち帰る」。

2.キ-ワ-ドは「一般利用」(特権階層利用と峻別)と「2点間移動の足」。

3.一般利用者は競合交通手段の50~100倍の運賃は払わないとの「常識」を働かす。

4.残された可能性は最も高い競合交通手段の地上タクシ-の「補完的」利用。

5.これもタクシ-料\330/㎞の1.5~2倍の範囲に抑制する必要がある。

6.即実行は無理としてもAir Taxi利用による時間節減を人件費節減額に引き直す。

7.これにより「時間を金で買う」「費用対効果」の合理的判断が可能と成る。

8.米国ではこの様な合理的な判断を下す「簡易ソフト」は以前から開発されている。

9.日本の運賃体系や人件費コストが異るので日本版の開発は必要だが基本原理は同じ。

10.それ以前の問題として企業マンが自らの「真の人件費コスト」を自覚する必要がある。

11.回転翼機は3~5人の搭載が可能であり乗合いによる頭割りのコスト低減に配慮。

12.機材のコスト低減の抜本的対策は機材の稼働率の向上を図る事。

13.機材の採算分岐点は300~500時間/年と言われ日本の実績は100~260時間/年止まり。

14.一番安い回転翼機でも空運は資本集約的事業。稼働率向上による固定費低減が決め手。

15. 空運に限らずあらゆる産業で活用されている「集約化」によるコスト合理化が不可欠。

16. Air Taxiの運賃を国際水準並みに提供するには「共同所有・共同運航」の集約が必要。

17. あらすじのシナリオはあるが、各界の専門家による精査とリファイニングが必要。

18. 更にこれを簡潔、明確な「簡にして要を得た」「提言書」に纏める必要がある。

19. この後、これを関係経済諸団体、関連業界の実務スタッフに「根回し」する事が必要。

20.「根回し」の完了と共に幹部役員へのプレゼンテ-ションを実施する。

21.以上の経過は適宜本サイトを利用情報を共有、適切なコメントを収集する。

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