2015年04月18日(土)08時09分

(15-03) 2014年末の東・東南アに於ける日本の立ち位置

 

(ジェット機+タ-ボ機の「狭義のビジネス機」の中のジェット機対象)

 

要     約

1.中国・東南ア市場は北米、欧州に次ぐ市場に成長しつつあり熱い視線が注がれている。

2.その一方、この地域の統計は不備であったがその重要性より統計整備が急がれた。

3.米国の著名な出版社と中国現地企業との合弁でASG (Asian Sky Group) が結成された

4. 中国のビジネス機の市場調査レポ-トを作成信頼性の有る資料へと成長した。

5.ビジネスジェット機+タ-ボ機を集録して来たが、本年は回転翼機のレポ-トも作成。

6.3月3日開幕したHeli-Expo 2015に合せて公開、近隣の東南ア諸国も網羅。

7.本サイトでも使用して居るAscend, JETNETのデ-タ-ベ-スも参考にしている。

8.ASGは香港を本拠とし中国最大の国営航空企業のAVICとも提携している。

9.東南アは華僑の影響が強く華僑資本の財閥・企業はビジネス機を争って購入している。

10.経済合理性を重んじる日本とは異った利用形態だが多様性がグロ-バル時代の特性。

11.4月のABACEで発表されたジェット機+タ-ボ機のレポ-トで日/中の格差は拡大。

12.だからと言って日本が遅れた国であるとか後進国と見下される事は無い。

13.人口が日本の11倍、国土面積25倍の中国と航空機の機種や多寡を争う事は無い。

14.日本人の持つ習性で人の目を気にするが、自らの特性に適した道を歩めば良い。

15.日本で使われビジネス機は底辺の低価格機材でジェット機のスクリーンに現れない

16.然も、1億円前後の回転翼機で「共同所有・運航」で抜本的なコスト合理化が必要。

17.一方、島国として外の世界を知る必要もあり本サイトで日本の位置付けを記載。

18.日本はアジア・太平洋圏でも幹線航路は商用機の利用その先ビジネス機利用が増え様。

19.入手可能な統計類は拾い方の差で食い違うが中国・東南アでのASG は信憑性が高い。

20.他の統計との比較は別途行うとして、此処ではASGの統計を流用する。

 

/東南アに於ける日本の立ち位置

                          ASG 2015年 レポ-ト                                

順位

国  名

2014

2013

成長率

地域内比率

1

中  国

439機

380

16%

59.0%

2

シンガポ-ル

61

50

22

8.2

3

マレ-シア

48

43

12

6.5

4

インドネシア

46

40

15

6.2

5

フィリッピン

45

40

13

6.0

6

日  本

44

41

7

5.9

7

タ イ 国

30

27

11

4.0

8

韓  国

21

20

13

2.8

9

パプアニュ-ギニア

3

3

0

0.4

9

ブルネイ

3

3

0

0.4

 

域内総機数

744

647

15

  •   地域内総機数744機が域内比率の算出母数。
  • l中国は本土、香港、マカオ、台湾の総計。
  • 上位5ヶ国で域内比率80%。
  •   ASGの統計には乗らないが、アジア・太平洋地域では豪州、インドがビジネス機大国。
  •  これを計算に入れれば上位5ヶ国で域内比率90%を越え様。(後日別途レポ-ト)
  •  日本は競合公共交通機関、商用便の運賃が桁違いに安くビジネス機は使われない。
  •  然も日本の44機の中にはビジネス機の範疇外の公用機や外国籍機も含まれる。
  •  日本ののビジネスジェット機は登録されているのは24機。
  •   ASGと日本の登録機数はマッチしないが、統計毎に拾い方が異るので已むを得ない。

 

/東南アのビジネス機のサイズ分布

ASG 2015資料

 

Large

Long Range

Medium

Light

Airliner

VLJ

機 数

224

201

119

78

63

59

シェア-

30%

27

16

11

8

8

  •  8割強が上位機種だが日本の民間には上位機種は皆無、
  •  アジアの最重要工業国日本がLight, VLJだけでは可笑しいと後記する様に多少細工。

 

中国でのビジネス機の地域別分布

                              ASG 2015資料

 

中国本土

香 港

マカオ

台 湾

合 計

機 数

297

114

11

17

439

シェア-

67.7%

25.9

2.5

3.9

100.0

 

中国本土に於ける主要ビジネス機メ-カ-の市場シェア-

                                                             ASG 2015資料

Gulfstream

Bombardier

Cessna

Dssault

Embraer

Hawker

Others

機 数

96

80

37

32

20

14

18

シェア-

32%

27

12

11

7

5

6

日本のビジネス機の所有者

(5組織のシェア-が41%)

ASG 2015資料

 

Asia Jet

海上保安庁

国交省

Jet Aviation

中日本

機 数

機 種

BBJ

Gulf G650

Global 6000

Gulf V

Falcon 900

Gulf IV

Gulf IVSP

ACI318

Gulf G–650

Citation V

  •   日本でも超富裕層、セレブ、VIPは海外よりビジネス機をチャ-タ-して使って来た。
  •  今回は日本のUltra-Long, Heavy Jetのチャ-タ-先の機材も記載。
  • 香港ベ-スのAsia Jetやスイスベ-スのJet Aviationの機材はJA機では無い。
  • 海上保安庁、国土交通省所有の機材は公用機でビジネス機では無い。
  •  本サイトで度々指摘する様に日本の民間にはビジネス機の上位機種は存在しない。
  • 中国は勿論、シンガポ-ル、マレ-シア、フィリッピンに及ばないのは可笑しい。
  •  以上の辻褄を合せる為無理にこの様なデ-タ-を挿入したが適切さに欠ける。

 

2014年末の日本のビジネス機保有数

日本航空機全集2015

機 種

総機数

ビジネス機

官公需

商用・コミュ-タ-

個人所有

ジェット機

双 発

多 発

582

567

15

24

24

0

8

6

2

549

536

13

1

1

0

タ-ボ機

単 発

双 発

129

28

101

37

25

12

27

26

64

1

63

1

1

0

狭義のビジネス機

711

61

35

613

2

ピストン機

単 発

双 発

540

489

51

256

241

15

5

4

1

26

9

17

253

235

18

回転翼機

ピストン単発

タ-ビン単発

タ-ビン双発

811

177

175

459

518

113

142

263

169

0

12

157

49

3

16

30

75

61

5

9

1,351

774

174

75

328

広義のビジネス機

2,062

835

209

688

330

  • 日本では欧米先進国と比較すると「民間」に対する「官」の比重が高い。
  • 20億円以上の上位機種が全て「官公需」と言うビジネス機国は日本を措いてない。
  • 日本の登録機数はピストン機、回転翼機を含む全てのビジネス機。

日本の民間機推移

                       航空振興財団 日本航空機全書2014

2009

2010

2011

2012

2013

2014

比率%

ピストン単発

568

570

511

503

501

489

23.7%

ピストン双発

46

54

54

54

53

51

2.5

タ-ボ単発

23

24

23

26

28

28

1.3

タ-ボ双発

101

113

113

102

100

101

4.9

ジェット双発

455

474

479

513

546

567

27.5

ジェット多発

68

36

18

17

17

15

0.008

飛行機計

1,246

1,247

1,187

1,208

1,245

1,251

60.7

回転翼機計

777

781

777

789

805

811

39.3

総合計

2,023

2,028

1,964

1,997

2,050

2,062

100.0

  日本の民間機は飛行機6割、回転翼機4割。

  •   ピストン機の漸減ジェット機の増大は時代の流れだが、主として商用機が増大。
  • ビジネスジェット機に限れば、過去十数年機数の漸減、機材の低価格移行が見られる。
  •  民間機全体のシェア-はビジネスジェット機は24機(1%)、タ-ボ機27機((1.3%)
  •  機種や用途の浮沈はあっても過去10年間横這い、最近微増に転じている。

 

ビジネス機価格

日本で現実的にビジネス機として利用可能な機材は欧米・アジアのエアショ-で喧伝される豪奢な上位機種では無く、殆ど脚光を浴びないLight Jet, Micro-Jetに限定されるが、これとて「一般利用者」の「2点間輸送」にはコスト的に採算が合わない。日本では過去25~30年間実際に利用されて来たのは0.3~2.5億円の低価格帯機材のみである事は「歴史的事実」が論議の余地が無い位雄弁に裏書きしている。更に「一般利用者」の「2点間輸送」には、1億円前後の新鋭低価格帯回転翼機を集約「共同所有・運航」により抜本的なコスト合理化を図り、然もこれを短距離(25~50㎞)短時間(8~15分)利用する事で費用の絶対額を抑える以外ない。これに乗合タクシ-的に5人迄乗せられるので利用客の頭割の利用料を引下げ、Air Taxi利用による時間節減を人件費コスト節減に換算「費用対効果」を定量的に評価する事で独立採算で自立するシステムが構築される。下記に示される価格はメ-カ-のリスト価格で実際の取引価格は事情により異るが、「纏め買い」による大幅なディスカウントがあるのが業界の常識。

                                                 価格はAviation Week誌May,2014

機 種

価 格

備     考

商 用 機

150~400

百万㌦

政府専用機としてBoeing 747-400 2機。予算360億円。2019年上記は退役、Boeing 300ER 3機と交替。

Heavy   Jets

30~100

自衛隊機、海上保安庁、国交省等が所有。民間機皆無。

Mid-Jets

Cessna   680

15~30

18.1

日本での大半は自衛隊、官公庁の所有。

民間では朝日航洋が3機を所有。内1機はトヨタ用。

Light   Jets

Cessna   560

Citation   525/525A

13

7.3

新聞社1機、運航会社3機、中小企業オ-ナ-1機

新聞社1機、中小企業オ-ナ-7機、運航会社1機

Micro-Jets

Citation   Mustang

3.5

中小企業オ-ナ-1機、

タ-ボ機

双 発

単 発

2.3~8.5

2.2~4.6

「狭義のビジネス機」は「ジェット機+双発タ-ボ機」

2014年末日本のビジネス機12機(含むレジャ-用)

2014年末日本のビジネス機25機

ピストン機

双 発

単 発

0.96~1.4

0.3~1.2

国交省ビジネス機飛行実績は双発ピストン20機を収録

「広義のビジネス機」はピストン機・回転翼機も包含

5億円以上の上位機種も民間で使用されるが「一般利用者」の「2点間輸送」は下記低価格帯機材が中心。

ヘリコプタ-

低 価 格 帯

0.3~2.5

2.5億円以上の上位機種も民間で使用されるが「一般利用者」の「2点間輸送」は下記低価格帯機材が中心。

低価格帯機材(5百万㌦~5億円以下)

機  種

リスト価格

備     考

マイクロジェット

Ecipse 550

Citation Mustang

Phenom 100

Citation M2

Honda Jet

(100万㌦)

2.8

3.4

4.4

4.5

4.5

マイクロジェット機の航続距離は2.000km以上。日本での利用は300~700㎞の短距離が中心と成ろう。飛行速度は600~700㎞/時位。この程度の距離で飛行時間は30~60分程度と性能的には充分と思われる。但し、ジェット機を含めた全ての固定翼機は98空港しか離着陸出来ないと言う構造的な制約がある。

小型固定翼機

Cyruss SR-22

Corvalis TTx

Nextant 400XT

Baron G-58

Beech C90GTx

0.57

0.73

0.75

1.4

3.8

小型固定翼機の航続距離は6~700km。日本での利用は300~700㎞の短距離が中心と成ろう。飛行速度は300~700㎞/時位は有るが平均500㎞/時と置いて飛行時間は35~60分程度と性能的には充分と思われる。但し、上記マイクロジェット機同様全ての固定翼機は98空港しか離着陸出来ない構造的な制約がある。

軽ヘリコプタ-

Robinson R-22

R-44 Raven II

R-66

Bell 505

Airbus Heli EC120

AS-350 B3/ EC-130

0.28

0.45

0.84

1.1

1.4

2.4

軽ヘリコプタ-の航続距離は6~700km。日本での利用は50~150㎞程度の短距離が中心と成ろう。飛行速度は200㎞/時以上だが200㎞/時と置いて50~150kmの飛行時間は15~45分程度で性能的には充分と思われる。全国30,000と言われるヘリポ-トと90日程度で要件満して居れば新たな「場外」の許可も取れる。

 

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