2016年04月06日(水)12時46分

(16-06) 日本のグロ-バルな固定翼機の立ち位置

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総    括

1.本サイトを開設して以来3年余が過ぎたが現在の日本の立ち位置を更新した。
2.世界のビジネス機総数は2016年度末で85,000機程度に成ると予測される。
3.アジア・オセアニアの市場シェア-を約10%と見れば8,500機程度。
4.日本の民間航空機は約2,000機強、「広義のビジネス機」は800機強。
5.ジェット機+タ₋ボ機の「狭義のビジネス機」は世界40,000機日本60機余で漸減傾向。
6. .「狭義のビジネス機」60/40,000機の世界シェア₋0.15%で日本はファクタ₋ではない。
7日本のビジネス機総数800機は世界の1%弱、アジア・オセアニアの10%弱。
8.ビジネスジェット機のシェアは24機と0.1%弱だが全て低価格帯のLight Jet機。
9.僅か60機余の「狭義のビジネス機」も大手企業による所有機は報道関係以外無い。
10.ビジネスジェット機の償却期間7年と置けば2009年以降の若い機材は僅か4機。
11. 95%Light Jet83%が償却済機材。中国は9割強が高価なHeavy~Middle Jet
12.然も、2014年末の439機の多くは、過去5年以内に購入した若い年齢の新鋭機。
13.然し、この種比較は国情、国土面積、交通機関の普及状況、所得格差等の勘案が必要。
14.2015年度は「汚職撲滅」の嵐の中で「中国のビジネス機バブル崩壊」は現実化した。
15.加えてサウディ主導のシェ-ルオイル潰しの石油価格暴落で産油国のバブルも崩壊。
16.リ-マンショック以後さしたる影響もなかった上位機種も2015年度は打撃を経験。
17.日本はビジネス機バブルに踊らされる事もなくグロ-バルな暴風圏の圏外。
18. 「狭義のビジネス機」の多寡で騒ぐ事なく日本の国情に馴染む機材の活用に注力した。
19.本稿では日本の「狭義のビジネス機」の偽らざる実態を総括して記述した。
20.認識すべきは、国策の低コストの商用機、コミュ-タ-機育成の正当性を逆に立証。
21.他方、市場も利用層のデマンドサイドもバブルに踊らされる事無く殆ど無傷。
22.本稿では日本のビジネス機の本流である「広義のビジネス機」の固定翼機を総括する
23.次稿では日本のビジネス機のエ-スである低価格回転翼機を中心に現状を総括する。
24.日本は決してビジネス機小国ではなく、過去20~25年低価格機材を上手に流用。
25.日本では534機のピストン機の内255機、801機の回転翼機の508機がビジネス機。
26. 日本が低価格機材の利用に傾注したのは、国土が狭く、交通網の高度発達による為。
27.従来は顧り見なかった低価格機材の「市民権」を認知、集約による合理化で新たな発展。
28.但し、分散化された市場と運航形態故に海外に比しコストが極端に高く利用度が低い。
29航空機業界の集約の範例、低価格帯機材、必要インフラ等必要与件は出揃って居る。
30.過去の不足要因は市場・顧客の参画と対話による市場の実態把握とこれへの対応。
31.市場の現状を直視、デマンドサイドとのニーズに沿った施策で事態の打開は図れる。

世界/アジア・オセアニア/日本/中国のビジネス機保有機数シェア-

JETNET 2015資料

世界全体

アジア・太平洋

日 本

中 国

機数

83,461

7,872

1,148

948

シェア-

100%

9.4

1.375

1.136

1. グロ₋バル視野で些末な数値に捉われず大まかな数値で日本の立ち位置を検証する。
2.2016年末で世界全体の機数は85,000機の予測、アジア・太平洋圏は10%8,500機。
3.日本はJETNETの数値を流用。2015年末の日本のビジネス機総数は後述の通り826機。
4.日本民間機2,000機の800機がビジネス機ならば世界の1%弱、アジア・太平洋の10%弱。

 

広義のビジネス機の日本の立ち位置

 JETNET 2015, 日本航空機全集2016Asian Sky Group2016資料

機  種

世界全体

日本

シェア-

中国

シェア-

ジェット機

22,673

24

0.11%

390

1.72

/双発タ-ボ機

17,091

39

0.23

狭義のビジネス機

39,764

63

0.16

ピストン機

6,030

255

4.23

回転翼機

37,667

508

1.35

広義のビジネス機

83,461

826

0.99

ビジネスジェット機の日本の立ち位置

  JETNET 2015,日本航空機全集2016Asian Sky Group2015 資料

機  種

世界全体

日本

シェア-

中国

シェア-

Heavy Jet

7,343

0

0%

303

4.1%

Mid-Jet

5,809

2

0.03

57

0.98

Light Jet

9.096

24

0.26

30

0.33

未 詳

425

ジェット機総数

22,673

26

0.11

390

1.72

  1. Ascend, JETNET等包括的なデ-タ-ベ-スは80,000機以上のビジネス機を収録。

  2. 但し公開されている数種のデ-タ-ベ-ス間でも10,000機強の喰い違いが見られる。

  3. ジェット機+タ-ボ機の「狭義のビジネス機

  4. は日本の民間での利用は極めて限定的。

  5. 一部運航業者がVIP送迎用に利用する以外は後述の中小オ-ナ-企業程度が利用。

  6. それも過去20年漸減が続き2000年半ば日本は世界のレ-ダ-スクリ-ンより消えた。

  7. 世界の「狭義のビジネス機

  8. は堅調に増加、日本の相対的地位低下は今後も続こう。

  9. 現存の24機の内20機は7年以前に登録された償却済み機材で40年前の登録機あり。

  10. 登録/所有年月のタイムラグより15機は中古機の所有移転で新鋭機の買い替えは少い。

  11. 経済的合理性の少ないビジネスジェット機の新規買い替えを正当化出来ないのが原因。

  12. この事実を日本のビジネス機の危機と指摘する向きもあるが国情も異り意味はない。

  13. 日本の一般の利用、況して「旅客の2点間輸送」に影響は無くこれ以上の記述は省略。

  14. 替って日本の国情に馴染む小型固定翼/回転翼機の「広義のビジネス機」に視点を移行。

 

日本/中国サイズ別ビジネスジェット機保有比率

Asian Sky Group Report 2015, 日本航空機全集 2016

Heavy

Mid-Jet

Light Jet

Very Light Jet

合 計

中 国

342

58

19

20

439

シェア-

77.9

13.2

4.3

4.6

100.0

日 本

0

2

22

24

シェア-

0

8.3

91.7

100.0

日本は18億円のCitation 680 2機を所有するが20億円以上の機材はゼロ。中国は91%強。

ビジネス機は「特権階層」の所有物或いは一般利用の普及を目指すかの目標の違い。元のコンセプトが異るので結果の優劣比較は無意味。両者夫々の目標を反映したに過ぎない。

中国のビジネスジェット機の地域的分布

Asian Sky Group 2015資料

中国本土

香 港

マカオ

台 湾

合 計

機 数

297

114

11

17

439

市場シェア-%

67.6%

26.0

2.5

3.9

100.0

中国保有の総機数390機より商用機仕様の19機を除外し371機を母数として流用。

 

日本の「官・公用」保有ビジネス機

日本航空機全集 2016

機種

リスト価格

機数

保有者

登録年月日

Gulfstream V

$50 MM

2

海上保安庁

2004/01/12~

Gulfstream IV

$42 MM

2

国土交通省

1993/09/21

Global Express

$50 MM

2

国土交通省

2002/10/02~

Citation 680

$16 MM

1

宇宙航空研究開発機構

2011/08/25

SAAB B2000

$6~10 MM

3

国土交通省

1998/12/11~

SAAB B340B

$6~10 MM

4

海上保安庁

2007/0/23~

Bombardier DHC402-8-315

$17 MM

1

海上保安庁

2009/01~

Beech B300

$7 MM

9

海上保安庁

1999/02~

Citation CJ4

$9 MM

3

国土交通省

2015/09/25

1.2013年秋Gulfstream IV, Global Express 4機の退役とCitation3機の買替を決定。

2.日本のビジネスジェット機の大半はCitation機で,検査機として市場の実態に合致する。

3.代替機のCitation CJ4 3機は201510月無事輸入・引渡を完了。

4.国土交通省は更にSAAB社の双発タ-ボ機3機の退役とCitation CJ3 3機の買替を発表。

5.自衛隊が保有して居るビジネス機は軍用機として民間機の登録リストより姿を消した。

6.海外のデ-タ-ベスでは軍用に使われるビジネス機も記載する事例が多い。

7.自由主義経済国でも日本、仏、印度等官僚機構が強い国では軍用及び「官公需」機が多い。

8.注目すべきは国土交通省が機種を統一、機材価格も抑えコスト合理化に踏み切った事。

9.民間のヘリコプタ-も機種を絞り、機材価格を抑え集約する必要性の良き範例。

10.但し民間にはビジネス機の上位機種は1機と言えども存在しない事実に変化はない。

 

日本の民間機推移

航空振興財団 日本航空機全書2016

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

比率%

ピストン単発

568

570

511

503

501

489

488

23.5%

ピストン双発

46

54

54

54

53

51

55

2.6

タ-ボ単発

23

24

23

26

28

28

30

1.5

タ-ボ双発

101

113

113

102

100

101

102

4.9

ジェット双発

455

474

479

513

546

567

587

28.2

ジェット多発

68

36

18

17

17

15

15

0.7

飛行機計

1,246

1,247

1,187

1,208

1,245

1,251

1,277

61.4

回転翼機計

777

781

777

789

805

811

801

38.6

総合計

2,023

2,028

1,964

1,997

2,050

2,062

2,078

100.0

1.日本の民間機の総機数2,000機、固定翼機が6割、回転翼機が4割と見れば良い。

2.固定翼機1200機の半分強が商用機、コミュ-タ

機でビジネス機の範疇より外れる。

3.個人所有機は事業目的として利用されているか否か判別不明故、訓練機と共に除外。

4.更に官公需も除外した民間機2,000機の4割に相当する800機が日本のビジネス機総数。

5.日本の民間機総数は横這いで、漸増が見られるのは主として商用・コミュ-タ-機。

 

2015年末の日本の民間のビジネス機保有数

日本航空機全集2016

機 種

総機数

ビジネス機

官公需

商用・コミュ-タ-

個人・他

ジェット機

双 発

多 発

602

587

15

24

24

0

12

10

2

565

552

13

1

1

0

タ-ボ機

単 発

双 発

132

30

102

39

27

12

30

29

60

0

60

3

2

1

狭義のビジネス機

734

63

42

625

4

ピストン機

単 発

双 発

543

488

55

255

240

15

5

4

1

30

9

21

253

235

18

回転翼機

ピストン単発

タ-ビン単発

タ-ビン双発

801

172

170

459

508

113

142

263

169

0

12

157

49

3

16

30

75

61

5

9

1,344

763

174

79

328

広義のビジネス機

2,078

826

216

704

332

1.日本の民間機の構成は過去からの推移表より読み取れる通り大きな変化は見られない。

2. 過去、推進派の当事者も利用しない高額の上位ジェット機の拡販に焦点が当てられた。

3.20~25年が経過した今日、63機の「狭義のビジネス機」さえも一般が利用する事は無い。

4逆に、低価格帯機材はビジネス機としての「市民権」が与えられる事もなかった。

5. 民間のビジネス機を構成する低価格帯固定翼・回転翼機763機は「二流市民」扱い。

6.Robinson R-22の登録は1987年、R-441994年に遡り単発ピストン機の9割を占める。

7.一般企業の利用の眼目であった「旅客の2点間輸送」は忘却され顧みられる事も無かった。

8.数多の関連業界団体もこれら低価格帯機材の利用実績の集計も整備・公開も行っていない。

9.過去四半世紀日本に定着、馴染んだ「実績」がある低価格帯機材の存在を見直すべき時。

10.海外で10,000機のベストセラ-機材の低価格帯回転翼機にはそれなりの理由がある。

11.更に技術革新で機材の性能も格段に進歩、対抗機も市場に姿を現れ始めた・

12.この様な世界の時代の潮流を「後追い」でも日本の「国益」に繋げない手はない。

 

日本の「狭義のビジネス機」の保有企業の業種

                            日本航空機全集 2016

総 機 数

運 航 業

報道関係

オ-ナ-企業

ジェット機

24

9

4

11

タ-ボ機

12

5

0

7

合  計

36

14

4

18

  1. 報道用のLight Jetの機数は減ったが今でも朝日、読売、毎日、中日が各1機を保有。

  2. 報道関係は空港利用、ヘリポ-ト設置・利用の特別枠があり業界団体には参加しない。

3 .オ-ナ-企業はオ-ナ-の一存で地方での利用可能で業界団体に参加する事は無い。

4. 大手運航会社は既存の受託業務が多く、低運賃供与が必要な一般利用に目が向かない。

5. 従って、各種業界団体と低価格帯機材を利用する市場・顧客との接点も交流も乏しい。

6. 此処に、サプライサイドと現実の市場・利用層との乖離がミスマッチを産んだ原因。

7. 米国の様にデマンドサイドのNBAAが業界をリ-ドすると言う業態とは根本的に異る。

2015年度末の日本の民間ビジネスジェット機(24機)

   日本航空機全種 2016

所 有 者

業 種

機 種

登録年月日

所有年月日

1

ダイヤモンドエアサ₋ビス

運航業

Grummann G1159

1974/07/02

2001/12/06

2

ダイコーインターナショナル

雑貨貿易

Cessna 501

1984/01/12

2010/12/06

3

いであ

環境調査

Cessna 560

1996/06/24

2011/02/21

4

中日本航空

運航業

Cessna 560

1997/06/16

1997/06/12

5

ダイヤモンドエアサ₋ビス

運航業

MU-300

1997/11/18

2002/11/17

6

中日新聞社

報道

Learjet 31A

1998/06/05

1998/06/05

7

コ-ナン商事

ホ₋ムセンタ₋

Cessna 525

2001/11/16

2008/09/01

8

朝日新聞

報道

Cessna 560

2002/07/23

2002/08/21

9

中日本航空

運航業

Cessna 560

2003/09/26

2010/09/30

10

安藤商会

中古車販売

Cessna 525A

2003/11/27

2008/11/10

11

グラフィック

建設調査

Cessna 525

2005/01/27

2013/03/01

12

オ-トバンサ-

中古車販売

Cessna 525A

2006/01/12

2013/07/25

13

オ-トバンサ-

中古車販売

Cessna 525A

2006/02/17

2009/04/10

14

読売新聞

報道

Cessna 560

2006/06/30

2011/12/01

15

アルペン他

スポ₋ツ用品

Cessna 525A

2006/07/11

2006/10/13

16

シャトレ-ゼ他

食品・ゴルフ場

Cessna 525A

2007/08/21

2008/07/01

17

オ-トバンサ-

中古車販売

Cessna 525A

2008/01/24

2013/10/25

18

東京センチュリ₋(毎日)

報道

Cessna 525A

2008/03/21

2011/12/19

19

中日本バンリ₋ス(静岡エア)

運航業

Cessna 525A

2008/05/09

2011/06/10

20

朝日航洋

運航業

Cessna 680

2008/05/13

2010/09/15

21

中日本航空

運航業

Cessna 560

2011/05/17

2013/09/20

22

三菱重工

運航業

Beechcraft 400A

2010/06/28

2010/06/25

23

朝日航洋

運航業

Cessna 680

2014/07/22

2014/07/14

24

グラフィック

建設調査

Cessna 525

2015/01/27

2013/03/01

1. 6機を除き登録年月日/所有年月日の間にタイムラグがあり中古機を購入したと見られる。

2.航空大学の練習機のリ-ス切れ機材の転売もあり新機調達は2010年以降僅か4機。

3.24機中20機は7年以前に登録された償却済機材だがチャ-タ-料は海外に比し高い。

4.この種ビジネス機を最も多く流用しているのが鹿児島在の中古車販売のオ-トバンサ-。

5.オ-トバンサ-は小型固定翼機も保有するが広い北海道では低価格帯回転翼機を利用。

 

日本の双発タ-ボビジネス機 (12)

日本航空機全種 2016

所 有 者

業 種

機 種

登録年月日

所有年月日

1

ダイアモンドエアサ₋ビス

運航業

Beech 200T

1981/09/02

2012/07/04

2

SSパ-トナ-ズ

システム開発

Piper-PA-42-1000

1986/08/24

2012/11/05

3

ケンエンタ-プライズ

建設業

Beech C90A

1987/01/23

2013/11/16

4

大 安 建 設

建売分譲住宅

Beech C90A

1987/06/10

2003/04/28

5

川崎重工業

運航業

Beech B200

1998/05/18

2011/07/22

6

中日本航空

運航業

Beech B200

2005/03/10

2010/06/09

7

セイコ-エプソン

精密工業

Beech B300

2006/01/11

2006/02/16

8

ノエビア

化粧品業

Beech 200

2006/01/16

2006/03/23

9

電子航法研究所

国立研究法人

Beech 200

2013/03/07

2013/05/31

10

ダイアモンドエアサ₋ビス

運航業

Beech 200

2013/07/03

2013/07/03

11

日立Capital (中日本航空)

運航業

Beech 300

2014/07/14

2014/07/07

12

ノエビア

化粧品業

Beech 300

2015/04/23

2015/06/16

1.4機を除き7年以上の償却済機材。このカテゴリ-の保有機数は年々均衡縮小。

2.草分けのエプソンも松本―鳥取間は廃路、松本―八尾、庄内の飛行便数も減らしている。

3.諏訪第二精工舎として精密工業をスイスに倣って諏訪の高地に設立、松本空港を拠点利用。

4.厳しく分類すれば、電子航法研究所は国立の公的機関としてビジネス機の定義から外れる。

 

日本で多く使われる単発小型ピストン機

日本航空機全集 2016

機 種

機 数

シェア₋

価 格

航続距離

巡航速度

乗客数

Cessna 172 Series

Cessna機 合計

165

215

76.7%

44.1

270∼300,000

1,200

220/

3

Piper-PA-28 Series

Piper機 合計

58

76

63.2

15.6

470,000

740

170/

Beech A36 Series

Beech機 合計

54

74

73.0

15.2

700,000

1,400

310/

5

単発ピストン機合計

488

100.0

  1. Cessna, Piper, Beechの上記3メ-カ
  2. の人気機種合計277機の平均単価は$373,000.
  3. Heavy Jet 1$60,000,0001/160の価格。これが日本市場の偽らざる実態。
  4. 過去20年「鐘や太鼓」で囃しても市場は「笛吹けど踊らず」で乗る事は無かった。
  5. 過去の体験を活かし、今後は市場・利用者のデマンドサイドとの確りした対話が必要。

ピストン単発機の所有者

日本航空機全集 2016

総 機 数

個 人

シェア-

企 業

シェア-

その他

シェア-

488

221

45.3%

200

41.0%

67

13.7%

1.ピストン単発 (単発小型プロペラ機)の4割は地方のオ-ナ-企業が地域の横移動に利用。

2.地方は都市部の様に公共交通手段が発達して居らず、横の移動は不便故の必要交通手段。

3.地方の横の移動に低価格帯機材 ($400,000) によるAir Taxiのニ-ズがある事の証明。

 

ピストン単発機の利用年数

                          日本航空機全集 2016

総機数

1980年以前

シェア₋

2000年以前

シェア₋

2007年以前

シェア₋

488

164

37.6%

306

62.6%

470

96.1%

利用年数

36年以前

26年以前

10年以前

古い機材を丁寧に使っているが圧倒的多数は10年以前の高齢機材。

一般の「手の届く」Air Taxiに利用可能な低価格帯機材

 

機 種

R-22

R-44

R-66

206

505

EC-120

AS-350

製 造 者

Robinson

Robinson

Robinson

Bell

Bell

Airbus

Airbus

現存の機数

日  本

世  界

2012~21

生産予測

62

3,233

 

100

3,719

3,982

6

460

1,735

37

4,619

155

0

0

?

3

392

339

86

3,503

2,257

価  格

297,300

463,800

862,800

1,400,000

1,090,000

2,090.000

2,605,000

航続距離

巡航速度

上昇率

463

178/

336

556

209

305

648

232

305

635

215

408

667

232

743

204

404

662

246

558

乗客員数

1

3

5

6

4

4

6

重  量

621kgs

1,134

1,225

1,012

1,715

2,250

計器飛行

  • 機種により様々なバリエ-ションがあり、Bell 206, AS-350等はシリ-ズとして集計される事例が多い。従って、日本/世界の比較も大まかな比較に留まる。
  • 要は、一般が利用出来るAir Taxi料金を提供出来るのはR-44,R-66, Bell 505程度しかない。Airbus機は上位機種に依るワンランク上のリモジンサ-ビスと成る。
  • 以上が「旅客の2点間輸送」の課題ではあるが、「共同所有・共同運航」の枠組みは、EMS (救急医療)SAR (救助作業)或いは自治体、警察、消防等「準公用機」の範疇でも利用される機材への適用範囲の拡大も視野に入る。
  • 機材の母数が増えれば、単位当たりのコストが低減されるのでサプライ・デマンド両サイドがその恩恵に与れる。

 

機 種

備    考

R-22

197325万㌦で発売業界に革命を齎したが最近は改良機に代替が進みEntry Levelの機種。中古機なら5万㌦からでも買えるしチャ-タ-料も米国では$250/時と日本では想像出来ない安さ。

R-44 II

上記の改良種で1992年から生産、下記タ-ビン機が発売される迄6,000機近くが出荷された。

Heli-Expo 2016R-22R-44の中間的価格で2名乗りの訓練機R-44 Cadetの生産を発表、更にBoeing社を通じ軍事用の無人ヘリコプタ

も提示。

R-66

2010年米国の型式証明を取得した1百万㌦を切るタ-ビン機として業界にセンセ-ションを巻き起こした。日本でも2013年に型式証明を取得 “Yellw Cab Air Taxi” の本命と成ろう。但し、一般が利用出来る運賃を提供/可能にするには、顧客に魅力的な運賃を提供する必要があり、「共同所有・共同運航」の仕組み構築が最大・最緊急の課題。

206L

米国Bell社は2010年で生産を打切りBellカナダが生産を続けているが後継機505が代替し様。

505

Heli-Expo 2015 にモデル機が出展されたが出荷は2016年末以降で未だ受渡し実績は無い。

EC-120

Robinsonの対抗機種として市販、市場は1百万㌦が攻防ラインで伸び悩み中国で現地生産。

AS-350

Yellw Cab Air Taxi” には向かないが、”Air Limosine” としての一定の需要はあろう。

 

 

NBAA (全米ビジネス航空協会) 提示の低価格帯小型ビジネス機

 

 NBAAの広報用パンフレット資料より作成

機  種

リスト価格

最高速度

乗客員数

日本の現有機数

ピストン機単発

Diamond DA40 CS

Cirrus SR20

Piper PA-28R-201

Cirrus SR22

Beech G36 Bonanza

タ-ボチャ-ジ機

Cessna Turbo Skylane JT-A

Cirrus SR22 Turbo

Cessna CE-T206H Stationair

Cessna TTX

Piper PA-46R-350 Malibu Matrix

Piper PA-46-350P Malibu Mirage

$259,950

349,900

448,750

489,900

765,900

443,500

569,900

615,000

799.000

939,950

1,100,450

291/

287

254

339

326

289

394

330

435

394

394

3

3~5

3

5

4~5

3

3~5

5

3

4~5

4~5

3

4

58

5

54

6

24

11

7

1.NBAAはビジネス機所有企業・個人8000を会員とするデマンドサイドのビジネス機協会。
2.従って、リ-マンショック以降のビジネス機の低迷に低価格帯機材をアッピ-ルしている。
3.サプライサイドは別にGAMAが居りGAMA/NBAAが相携えて市場育成に当っている。
4.日本にもビジネス機関連の各種業界団体は数多存在するがデマンドサイドの参画は無い。
5.サプライサイドは利幅のある高額機材の販売に注力するが低価格機材には力が入らない。
6.一方、市場・利用層は高額な上位機種に興味無く両者間に大きな認識ギャップが存在する。
7.各種統計より明らかな様にデマンドサイドは現実に即した低価格帯機材を利用して来た。
8.日本の業界団体の視野外の低価格帯機材を利用者が自ら選び相当数の機材が現存する。
9.然も、低価格帯機材も償却済機材を丁寧に使い、更に価格の低廉な中古機の利用も多い。
10.大手運航業者は大手株主、大手企業の安定的な業務の運航受託等で生業を立てている。
11.Air Taxi等の低コストの一般サ-ビスには利用側の参画による新たな枠組みが必要。
12.世界、特にダイナミックな躍進が著しいアジア地域でも日本は独り取り残されて居る。

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