2016年07月12日(火)01時39分

(16-12) 中古機 (Pre-Owned Aircraft)

 

要   約

 

1.一般的にはビジネス機は高額で「手の届かぬ」「高嶺の花」と思われている。

2.本サイトでも述べて来た様に価格は0.3400百万㌦迄ピンキリ。1300倍の開き。

3.66.8百万㌦のGulfstream 650に代え平均価格0.3~2.5 百万㌦の低価格へりが利用される。

4.”Yellow Cab Air Taxi”用に利用可能機種は11百万㌦前後で日本には160機が現存。

5.自動車でも新車より中古車の方が値頃と中古車を購入する顧客も多い。

6 自動車も中古車であれば数万円から100万円以下の選択肢も多数ある。

7 .高級車レクサスも新車で5百万円以下から11百万円迄様々な価格が存在する。

8.広い範囲の選択の中で現存する$288~869,000Robinson160機の現状を検証。

9.詳細は本稿記載の表を参照するも2/3が中古機で運航業者、企業、個人間でほぼ同比率。

9.此処で、中古機として機材の登録月日と所有月日に1年超の差がある機材を摘出した。

10.「中古」(ちゅうぶる)と言うとイメ-ジが悪いので”Pre-Owned”の語が用いられる。

11.無論、輸入業者が輸入した機材を在庫して1年後に買手が付くと言う事例もあろう。

12.難しいのは運航業者が当初購入した機材をリ-ス業者に売却リ-スバックした事例。

13.別表記載の様に信用力のある大手運航業者ではリ-スが既に商慣行として定着した。

14.更に、現存の160機の内3割弱の47機が7年以内に購入した機材で未償却の新機材。

15.誤解なき様航空機は安全性維持に機材の15%/年の保守を施し経時価格低下は少ない。

16. 現存160機の2/3が中古機で更に160機の7割の113機が7年以上の償却済機材。

17.20年の歴史を経て市場の現実と向き合う事が「旅客2点間輸送」実現の喫緊の課題。

18. 機種、地域による相違はあるが、世界で運行している機材の半数程度が中古機。

19過去高額のジェット機の売込みが先行したが、市場の実体と完全な乖離を認識すべき。

 

日本でのRobinson機の保有状況

                     2015年末現在 日本航空機全集2016

機 種

価 格*

保有総機数

運航業者

企業

個人

R-22

$288,000

60

13

32

15

シェア--%

 

100

21.7

53.3

25.0

R-44

$461,000

95

33

41

21

シェア--%

 

100

34.7

43.2

22.1

R-66

$869,000

5 (7)

3

2 (4)

0

シェア--%

 

100

60.0

40.0

0

合 計

 

160 (162)

61

63 (65)

36

シェア--%

 

100

38.1

39.4

22.5

*価格に就いては後記の価格表参照。

 

機 種

保有総機数

7年以内の機数

7~15

15年以前

中古機

R-22

運航業者

企 業

個 人

シェア--%

60

13

32

15

100%

14

6

7

1

23.3

18

4

10

4

30.0

28

3

14

11

46.7

38

4

13

21

63.3

R-44

運航業者

企 業

個 人

シェア--%

95

33

41

21

100%

32

8

20

4

33.7

50

8

17

25

52.6

13

5

4

4

13.7

67

21

27

19

70.5

R-66 

運航業者

企 業

個 人

シェア--%

5 (7)

3

2 (2)

0

100%

5 (7)

3

2 (2)

0

100

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

合 計

運航業者

企 業

個 人

シェア--%

160

51

63

46

100

47

13

29

5

29.4

77

8

23

38

48.1

36

8

14

15

22.5

107

39

49

40

66.9

1.企業の大半は地方の中小規模のオ-ナ-企業で東証1~2部上場の大手企業ではない。

2.オ-ナ-企業では「空に憧れ」オ-ナ-の自己判断で機材の購入に踏み切れる。

3.企業でも企業名か個人名でも登録する事が多く、「個人」「企業」の「境界線」は曖昧。

4.低価格ヘリでも大手運航業者は機材をリ-スバックした機材でも低運賃は供与不可能。

5.機材の「協働運航」で稼働率を採算分岐点に近付ける以外大幅なコストダウンは図れない.

6.R-22が初登録されたのは19834月、R-4419943月で最近の話ではない。

7.R-2233年、R-4422年の歴史を持つも業界も真剣に取上げず統計整備も遅れている。

8.民間に数十億円/機のビジネスジェット機は皆無、低価格ヘリは160機の現実と向き合う。

9.20~25年の歴史/現実を「虚心坦懐」で素直に受け容れ”False Expectation”から脱却する。

 

 

運航業者の所有権移転

                      2015年末現在 日本航空機全集2016

運航業者名

登録年月日

所有年月日

備  考

R-22

αアビエ₋ション

αアビエ₋ション

αアビエ₋ション

αアビエ₋ション

αアビエ₋ション

αアビエ₋ション

αアビエ₋ション

つくば航空

つくば航空

小川航空

小川航空

賛栄商事

第一航空

佐賀航空

ちくぎんリ₋ス

 

2003/12/26

2004/08/23

2005/05/10

2006/04/05

2007/08/06

2009/03/31

2009/08/25

1997/06/25

1999/10/19

1992//07/07

2002/11/26

1997/01/14

2002/01/07

2004/04/23

1983/04/11

 

2003/12/17

2004/07/13

2005/04/02

2006/02/24

2007/06/20

2009/03/18

2009//08/12

2004/07/22

2008/03/06

2011/02/25

2008/01/10

2008//11/20

2002/01/02

2013/01/09

2014/12/16

 

αアビエ₋ションRobinson社の日本代理店でありR-22を訓練機として茨城県下妻のパイロット養成校で利用。ノックダウンされて輸入される機材の組立、保守・修繕委加え最近はRobinson機の運航業務にも染手201511月下妻でのR-44運航許可も取得している。

茨城県のつくばヘリポ-トを拠点に遊覧等のサ-ビス提供。

 

 

第一航空にリ-ス。機材所有者は賛栄だが運航は第一航空。

 

 

大阪航空はRobinson機代理店。大阪航空にリ-ス

R-44

αアビエ₋ション

αアビエ₋ション

ちくぎんリ₋ス

ちくぎんリ₋ス

ちくぎんリ₋ス

ちくぎんリ₋ス

ちくぎんリ₋ス

ちくぎんリ₋ス

ちくぎんリ₋ス

デイ₋エチシ₋

デイ₋エチシ₋

デイ₋エチシ₋

つくば航空

セコ・インタ₋

賛栄商事

賛栄商事

賛栄商事

三菱UFJリ-ス

三菱UFJリ-ス

 

2000/01/31

2001/09/12

2003//09/10

2005/11/28/

2007/04/25

2008/08/22

2009/03/18

2009/06/05

2013/11/21

2013/05/13

2007/05/11

2011/08/04

2004/052/27

2010/05/06

2010/05/06

2005/04/21

2008/12/09

2005/11/28

2009/07/15

 

2009/07/06

2001/07/26

2014/06/27

2006/03/20

2015/04/13

2015/06/12

2013/05/13

2012/04/18

2013/11/20

2015/06/01

2013/07/29

2011/07/29

2009/03/23

2010/05/06

2010/05/06

2013/07/31

2015/03/03

2013/06/10

2013/05/16

 

Pre-Owned機の可能性あり。

 

地場の筑銀が佐賀航空リ-ス.

地場の筑銀が佐賀航空リ-ス。

地場の筑銀が佐賀航空リ-ス。

地場の筑銀が佐賀航空リ-ス。

地場の筑銀が佐賀航空リ-ス。

筑銀が大阪航空リ-ス金融供与。

筑銀が大阪航空リ-ス金融供与。

 

 

 

 

 

賛栄商事が第一航空にリ-ス供与。

賛栄商事が第一航空にリ-ス供与。

賛栄商事が第一航空にリ-ス供与。

定置場北海道富良野。

定置場大阪航空日野。

R-66

αアビエ₋ション

三井住友リ₋ス

賛栄商事

ちくぎんリ₋ス

 

2012/07/04

2013/09/02

2013/11/05

2015/07/01

 

2012/07/04

2013/09/12

2013/10/31

2015/06/25

 

処女機。2013年夏日本型式証明取得。

定置場三重県長島。

賛栄商事が第一航空にリ-ス供与。

地場ちくぎんが佐賀航空にリ-ス。

1.一番古い運航業者の所有年はR-221992 (14年前)R441997 (19年前)

2.登録年月日と所有年月日の1年以内のズレは事務手続或いは資金調達によると思われる。

3.1年超の差がある機材はリ-ス金融への切り替え、中古機の購入によるものと推測される。

4.但し、リ-ス金融可能な企業の切り替え、一部中古機購入の選択も行われて居る。

5.低価格ヘリの「旅客2点間輸送」の業界統計はないが、一般利用は少ないと推定される。

6.海外並みでなくとも国際的な運賃提供に少しでも近付ける為には「協働」体制構築が必要。

7.それ以前の問題としてこれだけの低価格ヘリが永年運航しても業界が注目する事は無い。。

8.業界は大手運航会社の寡占体制で中小運航業者は業界会員でも発言力・影響力はない。

 

メ-カ-公示リスト価格

 

機 種

R-22 Beta II

R-44 Raven I

R-44 Raven II

R-44 Cadet

R-66

標準仕様価格

$288,000

$379,000

$461,000

$339,000

$869,000

フロ-ト付き

 

$407,000

$488,000

$407,000

$905,000

上記折込式

 

 

$496,000

 

 

1.メ-カ-公示価格はR-66 R-44 Cadet2016/ 2/ 19日、それ以外は2016/1/ 16日現在。

2.米国大手Fractional Ownership Provider NetJets200機単位の発注で値引きを享受。

3.それ以上に日本が注目すべきは\80~120/$の為替変動。本サイトは中間の\100/$を流用。

4.「共同機構」には大手商社、銀行等為替予約や「為替マリ-」のプロも参画もさせる。

5.欧米には大規模な中古機市場が存在、日本の査定業者プロも「共同機構」に参画させる。

6.機材購入価格と言っても様々な工夫や組合せで「共同所有」のメリットを発揮出来る。

 

訓 練 機

 

 

R-22

R-44

備   考

αアビエ₋ション

7

1

2000~2009間に購入茨城県下妻、北海道に定置。

帝京大学

3

 

2010年に3機購入。栃木県宇都宮に定置。

日本フライトサ₋ビス

3

2

2011~2015間に購入。東京ヘリポ-トに定置。

ヒラタ学園

3

 

1099年に3機購入。神戸空港に隣接地に定置。

1.訓練機をビジネス機と見るか否か意見が分かれる。運航業の営利事業とは判定されない。

2.その一方パイロット養成も対価を取る教育営利事業と見る事も出来る。

3.更に、訓練機でも稼働率を高める為一部救急医療、遊覧や人員移動にも併用される。

4.本サイトでは、上記4社は「企業所有機」として勘定されている。」

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