2016年04月21日(木)06時32分

(16-06) インドのビジネス機事情

インドは過去10BRICsの一員として世界経済の牽引力と成って来た。それ以前に世界の4大文明の一つインダス文明の発祥地、日本は仏教国として「日本国」の中央集権国家の成立を天武天皇 (在位678~686) 時代、仏教の伝来を536年と置けば「日本」の「集権国家」誕生以前から深い関係があった。最近は日本も自然科学分野のノ-ベル賞を授与される様に成ったが、「ゼロの発見」をしたインド数学がアラビア人によりギリシャ数学と融合・集大成されイベリ半島のアラビア人の大学で学んだ欧州の碩学により近代数学が完成、明治以降日本に伝わり日本の今日を築いた。最近は、中国の覇権主義への歯止めとして、地政学的な観点から印度との提携強化が進められている。ABACEでも10年のタイムラグを経てインドのビジネス機の統計がアジア・太平洋圏の一部として公開された。一足飛びにインドのビジネス機の統計を披露する前に、アジア・太平洋圏のビジネス機の大手である豪州、中国、インド、日本のマクロ指標の一部を比較する。ビジネス機の育成に過去20~25年注力した日本が、空港を海外よりの飛来ビジネス機に解放した以外に見るべき成果は無かったが、これは高額な上位機種保有機の多寡を論じ、国土面積、交通手段の発展度を無視した論議を進めた帰結である。日本は国土面積が狭く、人口密度が高い為、各種の交通手段を発展させる経済合理性が存在し、且つ国土狭小の故に低格帯機材を活用した小型固定翼機・回転翼機の「広義のビジネス機」が利用機材の太宗を占めた。一方、ジェット機・タ-ボ機の中/遠距離の「狭義のビジネス機」は機材価格も高く、地理的には狭い国土で「牛刀で鶏を割く」愚を避けた賢明な選択が為された。日本は国情に馴染む低価格帯機材の利用で既に高度の発達している各種交通手段を補完、多様な選択肢の提供をして来たと言う「発想の転換」と思考回路の切換えが必要で、悩む事等無い。日本は最も経済合理性のあるビジネス機の利用法を体得、国内では「広義のビジネス機」を利用、中/遠距離の「2点間移動」のニ-ズがある海外では必要に応じビジネス機を利用する「成熟」した「賢明な利用」を過去半世紀行って来た故に「胸を張れる」選択を行って来た

 

アジア・太平洋圏の数値比較

 

 

中 国

インド

豪 州

日 本

国土面積

世界ランク

日本の倍数

9,640 1000

3

25.5

3,287

7

8.7

7,692

6

20.3

378

62

人 口

世界ランク

日本の倍数

1,367百万人

1

10.8

1,276

2

10.0

24

51

0.2

127

10

1

ビジネスジェット

日本の倍数

回転翼機

日本の倍数

306

6.2

743

0.97

145

3.0

304

0.4

177

3.6

2,084

2.7

49

1

765

1

1.数値はJETNET, ASG 及び地場の運航業者からの寄集めだが大まかな比較は認識可能。

2.集計した時期や前提もミックスされてる居り飽く迄大まかな数値で相互間の矛盾もある。

3.中国の数値は中国本土のみ。香港、マカオ、台湾の合計は此処では利用して居ない。

4.日本の本当のビジネスジェット機数は24機。49機に「官/公用機」が含まれている。

5.何れにせよABACEで公開された数値は手を加えず其の儘引用した。

 

インドの2015年末のビジネス機の概況

                    ビジネスジェット機145機の機種

Corp.Airliner

Long Range

Large

Medim

Light

VLJ

6%

12

23

25

24

10

                     ヘリコプタ- 304機の利用分野

多目的

Corporate

洋上作業

SAR

Charter

その他

39%

24

15

8

8

ビジネスジェット機38機の運航機材の供給メ-カ-

Bombardier

Cessna

Dasault

Embaer

Hawker

Airbus

10

9

9

7

2

1

                ヘリコプタ-136機の運航機材の供給メ-カ-

Airbus

Bell

HAL

Finmeccanica

その他

71

32

15

12

6

1.中国同様貧富の格差、カ-スト制による身分格差が大きくビジネス機の上位機種が並ぶ。

2.ジェット機の66%が中/遠距離飛行用のHeavy, Medium機種。Light, VLJ34%

3.インドのビジネス機は2010114機、2015年で145機と中国程ではないが順調に成長。

5.現地運航業者のデ-タ-に依拠ジェット機は48%、回転翼機は28%のみしかカバ₋出来ず。

6.本年よりインドを網羅したが、一部の大手運航業者デ₋タ₋に依存完全カバ₋は出来てない。

6.中国同様各種の公的規制緩和、パイロット不足等インフラ整備が後追いに成っている。

7.日本は海外ビジネス機の首都圏空港の受容れに17年を要したが規制緩和は時間を要する。

8.大陸国も主要都市間商用便、鉄道の便はあるが公共交通機関不足でビジネス機の出番。

9.日本と他国を比較するには短絡的な数値上の多寡だけでなく多面的な要素の勘案が必要。

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