2013年01月03日(木)02時35分

タイ航空1月1日よりエアバスA-380を成田に就航開始

タイ航空1月1日よりエアバスA-380を成田に就航開始

 

タイ航空は成田-バンコックにエアバスA-380 (2階建ての最新大型旅客機) をシンガポ-ル航空 (2008年5月就航)、エミレ-ツ航空 (2012年7月就航) に続いて就航させた。日本の一般企業社員は中/遠距離飛行にビジネス機を利用する事は無いので、直接的な影響はないが、LCCの台頭への対抗手段とは言え、定期商用便各社はファ-スト・ビジネスクラスの高単価顧客の囲い込み戦略に懸命。提供されるサ-ビスは先駆者のシンガポ-ル航空の謳い文句「空飛ぶエグゼチブホテル」で表現されるデラックスサ-ビスは既にビジネス機を凌ぐものと成り、然も利用運賃はビジネス機何十分の一と言う水準。

 

 

シンガポ-ル航空

エミレ-ツ航空

タイ航空

就航開始日

2008年5月1日

2012年7月1日

2013年1月1日

就航区間

成田-シンガポ-ル

成田-ドバイ

成田-バンコック
ファ-スト

ビジネス

エコノミ-

12席

60

399

14

76

399

12

60

435

 

エミレ-ツ航空の場合、ファ-ストの往復運賃は百万円。ビジネス機の場合25~30百万円と大きな格差が有り、競合関係は成立しないが、エミレ-ツは次の様なサ-ビスを提供。

l  ファ-ストの座席の引戸を閉じれば個室と成る。(高いパ-ティションで各席を囲う)

l  座席は平らに倒せるのでベットとして利用可能。ミニバ-付き。

l  機内に始めてシャワ-設備を設置。

l  食事は好きな時間を指定。チョイスも多く一流レストラン並み。

l  広いラウンジとバ-も用意され、リラックスした雰囲気でビジネス交流の場を提供。

l  好きな時にラウンジで足を伸ばし、オ-ド-ブル、ハイティ-等は無料供与。

l  ドバイではファ-スト・ビジネスのタ-ミナル提供。玄関口にリモジンが横付け。

(ルフトハンザはFrankfurtにファ-スト・ビジネス専用タ-ミナルを構築済み)

l  ハブ空港としてアジア、豪州、中東、アフリカへの中継地として乗継ぎ航空網も整備。

l  既に、ファ-スト・ビジネス専用のA-380を発注。座席数は260席に限定し、広々とした空間を提供する。

l  シンガポ-ル航空、タイ航空はコ-ドシェアリングで日本の航空会社共提携している。

l  今後、成田-欧米間にもA-380が就航し、ファ-スト・ビジネスクラスのサ-ビスが定期商用便各社間の競合で一層改善されれば、利便性、快適性、サ-ビス内容の充実で中/遠距離飛行でのビジネス機依存 (日本は従来より依存して居ないが) は益々遠退くと考えられる。

 

2012年のビジネス機の販売、最悪期は脱出したが2008年の約半分。

 

ビジネス機受渡数 Honeywell Business Aviation Outlook

2008

2009

2010

2011

2012 推定値

1,139機

849

732

681

680~720

 

5年間平均の地域別ビジネス機の市場シェア-  Honeywell International

北米

欧州

ラテンアメリカ

アジア・大洋州

中東・アフリカ

53%

18%

18%

7%

5%

ビジネス機製造メ-カ-別市場シェア-   Flightglobal 誌

Jet

Cessna

6,169機

Bombardier

3,895

Hawker-Beechcraft

2,408

Gulfstream

2,332

Turbo-Prop

Hawker-Beechcraft

5,322機

Piper

1,529

Others

1,477

Pilatus

1,058

2008年秋のリ-マンショック以降も超富裕層は経済環境にさして影響されず、高額の機種を買い続けて居るが、Light, Mid-Jetは大きく落ち込み、Hawker- Beechcraft社は経営破綻、Bombardierの救済を受けた。ビジネス機は超富裕層、一般ビジネス用と両建てで伸びて来たが、世界的不況下で一般ビジネス用が大きく後退した。中国は超富裕層が顧客中心なので現在の不況下、高額のHeavy Jetを次々と発注し話題を提供している。中国は、2010年のNBAA Conventionで世界の最富裕長者の30%を中国人が占め、純資産1.5億ドル(120億円) 以上の金満家が3~5,000人居ると胸を張った。お陰で、ビジネス機全体の機数こそ50%近く落ち込んだが、高価格機種が売れて居るので、2012年の売上高の落ち込みは20%程度に留まると予測されている。

超富裕層、富裕層とは?

ビジネス機の利用者には超富裕層、セレブ、VIP等の特権階層と経済的合理性に基きビジネス機の利用すると言う二つの異る階層が有り、無論その中間に幅広いグレ-ゾ-ンも存在する。又ビジネス機と言ってもピン錐で1機2億5千万ドルするエアバスA-380からその千分の1のコストの米国Robinson社のレシプロ・ヘリコプタ-のR-22迄存在する。前者は、高額なMid, Heavy Jetを購入するが、後者は中古のTurbo-Prop機、小型ピストン機、低価格帯ヘリコプタ-も必要に応じ利用する。何千万㌦~何億㌦の高額のビジネス機を利用出来ろ超富裕層、富裕層とはどの様な人か?超富裕層、富裕層は一般名称で学問的定義は無いが、一番知られて居るのは米国Forbus誌の長者番付で2012年の世界ランキングトップ10位は下記。

名  前

国 名

総資産額

カルロス・スリム

メキシコ

690億㌦(5.5兆円)

ビル・ゲイツ

米 国

610

ウオ-レン・バフェット

米国

440

ベルナ-・アルノ-

フランス

410

アマシオ・オルテガ

スペイン

375

ラリー・エリクソン

米 国

360

エイク・パティスタ

ブラジル

300

ステファン・パ-ソン

スエ-デン

260

李 嘉 誠

香 港

255

カ-ル・アルブレヒト

ドイツ

254

柳井 正 (88位)

日 本

100

孫正義 (127位)

日 本

72

三木谷浩史 (161位)

日 本

50

毒島邦雄 (169位)

日 本

47

田中良和 (248位)

日 本

34

*ウオ-レン・バフェットはビジネス機のFractional Ownership供与の最大手NetJetsのオ-ナ-でもある。

世界のBillionaire (資産10億㌦以上の億万長者) Forbus誌

1米国425人、2ロシア96, 3中国95,  4ドイツ55, 5インド48, 6香港38, 7英国 37, 8ブラジル36, 9トルコ34, 10カナダ25, 11日本 24

       日本は11位で世界の10指には入らない。

日本人の資産分布状況       野村証券資料

純 金 融 資 産

金融資産額

世 帯 数

超富裕層

5億円以上

44兆円

5万世帯

富裕層

1~5憶円

144

76

純富裕層

0.5~1億円

196

268.7

アッパ-マス

3,000~5,000万円

254

638.4

マス

3,000万円以上

500

4,048.2

1%の超富裕層が所有する国富は中国60~70%、米国では17% (米議会予算局調) だが、日本では約1%の超富裕層が純金融資産の3.9%を占めるに止っている。(日本では不動産の価格が高く地方の地主等の資産価値が異常に高く成り富裕度の比較では適切では無いので、借入金等を除いた純金融資産の表示が使われる)

日本でも所得格差が問題に成るが、超富裕層は新興企業、オ-ナ-経営者が多く大企業の幹部社員はサラリ-マン故、純富裕層~富裕層位にはランクされても1機数千万~1.5憶円もする遠距離飛行用の Heavy Jetを所有も利用する程の余裕もない。報道、運航会社を除けば、日本のビジネス機は地方のオ-ナ-経営者がLight Jet,タ-ボプロップ、小型ピストン機を短距離飛行に使って居る程度である。日本の所得格差が相対的に低い事とそれ以上に地上・空共に大量輸送の依る低額の交通料金が日本でのビジネス機の発展を阻む主たる要因。裏を返せば、大量輸送の交通網の存在、相対的な所得格差が小さい社会は誇るべき事であっても恥じる事は何一つない。日本でのビジネス機の発展を考えるには、交通が比較的不便な地方より地方への移動に、地上交通機関に競合出来る方策を模索する事であり、当然機材も低価格帯機材を短時間・短距離利用する事と成る。

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