2013年01月29日(火)08時16分

アジア・ゲ-トウエイ構想

2007年、当時の安部首相が主宰した戦略会議で「アジア・ゲ-トウェイ構想」が打出され、「オ-プンスカイ」を含めた「開かれた国造り」が提唱され、地方空港を含め日本の空港の海外機への一層の開放が実行に移された。その後、関西、中部、成田、羽田等の新空港の開港、滑走路の拡充により、初期の目的が段階的に実現した。この背景には、アジア諸国の大型空港の建設により、成田のアジア・ハブ空港としての地位が脅かされるのではないかとの懸念の高まりが在った。Plan-Do-Seeの原則に従い、デ-タ-で現状を検証した。

 

アジア主要空港の国際便乗降客実績 (単位千人)

        2008年               2011年

順位

空 港 名

国際便客数

空 港 名

国際便客数

1

香  港

47,138

香  港

52,753

2

ドバイ

36,592

ドバイ

50,192

3

シンガポ-ル

36,288

シンガポ-ル

45,429

4

成  田

32,324

バンコック

35,009

5

バンコック

30,104

仁  川

34,538

6

仁  川

29,563

成  田

26,303

7

台  北

19,754

クアラルンプ-ル

25,916

8

クアラルンプ-ル

17,837

台  北

23,137

関  空

羽  田

中  部

10,446

2,355

5,196

関  空

羽  田

中  部

9,911

7,053

4,331

世界の主要空港乗降客総数実績 (単位千人)

                                  2008年               2011年

順位

空 港 名

国際便客数

空 港 名

国際便客数

 1

アトランタ

90,039

アトランタ

92,389

2

シカゴ

68,346

北  京

78,675

3

ヒ-スロ-

67,056

ヒ-スロ-

69,434

4

羽  田

66,775

シカゴ

66,701

5

パリ-

60,875

羽  田

62,585

6

ロスアンジェルス

59,821

ロスアンジェルス

61,862

7

ダラス

57,093

パリ-

60,971

8

北  京

55,937

ダラス

57,803

9

フランクフルト

53,467

フランクフルト

56,436

10

マドリッド

50,824

香  港

53,329

成  田

関  空

中  部

33,466

16,014

11,236

成  田

関  空

中  部

28,028

13,521

8,790

  •  2011年は震災で日本の空港利用客が減少している一過性の要因あり。
  •   一方、香港、ドバイ、シンガポ-ル、バンコック、仁川へのアジアのハブの移行は現実のものと成って来た。
  •  航続距離が15,000㎞を越えるエアバスA-380の出現でアジア諸国も直接欧米に飛行可能と成り、成田のアジアのハブとしての重要性は低下している。
  • それ以上に、高度成長が続く中国、東南アジアは空港の容量拡充、新空港の建設、A-380の投入等、日本では簡単に染手出来ない諸施策を講じ彼我の格差は開きつつある。
  •  地理的に中東は欧州、アフリカ、アジアの結節点であり、シンガポ-ル、中東が豪州-欧州間のカンガル-航路の覇権を争っているが日本は何れのケ-スでも範囲外。
  •  日本のアジアゲ-トウエイ構想もこの様な環境変化に対応した手直しが焦眉の急。Plan(立案)→Do(実行)→Check(検証と手直し)→ Action(手直し策の実施)の凡る業務の基本であるPDCAのサイクルを廻すと言う原点に立ち戻る必要がある。

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