2013年02月17日(日)11時59分

Hawker Beechcraft会社更生法より復帰

破産法のCapter 11(日本の会社更生法に相当)の適用用下にあったHawker Beech Aircraftの再建計画は破産裁判所が2月14日に認可した事で同社は実質上会社更生法よりの復帰を果たした。同社の買収には中国も絡んだが合意に至らず、カナダ資本が救済の手を述べた。再建案の骨子はビジネスジェット機のHawkerとピストン機・ターボプロップ機製造のBeech社とを分離し、再生後の新会社は後者に専念する。ビジネスジェト機の生産は中止されるが、一部機種のアフタ-サ-ビスは継続される。日本企業ではソニーがHawker機を利用して来たが、現在は本拠とする基地をNew Jersey州 Teterboro空港に移転している。航空会社の再建で最も問題に成るのは年金の扱いで、他の企業での前例もあり公的機関であるPBGC (Pension Benefit Guaranty Corp.)に移管する事で企業負担を軽減する。再建に伴う資金需要はJ.P.Morgann, Credit Suisseの2行が早急に6億㌦の金融支援を行う事で債権者側の全面的な支援も取り付けた。今回の再建は数多くの航空企業の企業再生の一寸劇ではあるが、下記に留意したい。

  • Beech社は「選択と集中」で小型ピストン機、タ-ボプロップ機に集中する事でビジネスジェット機事業より撤退した。
  • リ-マンショック以来ビジネス機の受渡機数は半減、回復基調に乗り始めたが全面回復には未だ時間を要し様。直撃を受けたのは中/低価格機種を生産するHawker Beechcraft社 とCessna社である。不況克服の為、低価格帯の新鋭機が続々と登場している事も影響している。
  • Beech社は既に中国とCaravanの現地組立てを約して居りアジアでのプレゼンスはかえって高まろう。日本でも同社の機材は人気があり多数使われているが、この部門に{集中」する今回の決定は日本より見れば歓迎され様。
  • リ-マンショック後の不況でその影響が少なかった富裕層は高額のHeavy Jetを購入し続け、特に中国は貧富の格差が大きい為不況どこ吹く風とHeavy Jetを発注し「地獄に仏」と下にも置かないもてなしを受けているが、一方では、一般ビジネスマンの足としてのビジネス機の発展に逆流するとの批判もある。論議の当否はさて置き、アジア市場では今後超富裕層、セレブ、特権階層向けの高級ビジネス機が成長の中心に成ると見られる。
  • 日本は階級・所得格差が少なく、企業のトップもサラリ-マン社員で定期商用便の利用者と言う事は決して恥じる事ではない。寧ろ日本の国情に合った定価格帯の機材をビジネス機として利用すれば良いし、実際にBeech社の機材も広く使われて来た。。

 

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